42 / 87
第7章 真実と現実
7-5
しおりを挟む
「歩…
私…ね…」
恵の声は震えていた。
「元カレに…
脅されてるの…。。」
「え??
どういうこと??」
「毎週土曜に会ってたあの男は
元カレなの…。」
元カレ…。
とても嫌な言葉だ。
「じゃぁなにか?
毎週元カレと寝てたのか?」
話を聞こうとわかっていても、
怒りが先に言葉になってしまう。
「うぅ…ごめんなさい…
でも…
本当はこんなことしたくないの!信じて!」
「どうやって信じろっていうの?
寝てたことに変わりはないだろ?」
体が震える。
こんなに不快感を感じたことはない。
イライラで頭が爆発しそうだ。
「きいて!お願い!
本当に脅されてて仕方なくだったの!!…
アイツ…私の色んな写真を持ってるの…」
「色んな写真??…」
大体の恵のおかれた状況は理解したと思う。
でも、なんなんだこの気持ちは…。
色んな写真ってなんだよ…
「付き合ってた時に色々な写真をとられてて、
その時はまさかこんなふうになるなんて思ってなくて…
どんな写真かは…わかるでしょ…?」
「もういいっ!!」
もうなにも聞きたくない。
説明を受ければその場面を想像させられる。
それがたまらなく嫌だった。
それでも恵は続けた。
「……。
その写真をばらまくって…
嫌なら毎週俺の言うことを…」
「もういいって言ってるだろ!!」
「よくないよ!!
このままちゃんと説明も出来ずに別れるなんて嫌だもんっ!!」
再び静まりかえった部屋。
恵も必死なんだ。
なのに俺は…。
「…わかったから…
ちょっと…考えさせてくれ。」
恵はまた泣き出した。
「初めは仕方がないって思ってた…
でも歩と出逢って変わったの…
もうこんな関係はやめなきゃって…
でも写真がばらまかれるのが怖くて…」
恵は体を抱えながら震えだした。
「歩がだんだん不信に思ってるって気づいたから…
私お願いしたの…。。
新しい彼ができたからもう終わりにしてって…
そしたら…
今度は暴力までふるうようになって…うぅっ…」
恵の体についた無数のアザ、そして目も。
俺はやっとすべてを理解した。
「じゃぁその体は…。」
恵は震えながら頷く。
涙ながらにすべてを話してくれた恵。
でも、正直まだ俺のなかではなにかが引っ掛かっていた。
脅されていたとはいえ嫌でも胸に突き刺さる元カレとの関係を、
俺はまだ受け入れられないでいた。
私…ね…」
恵の声は震えていた。
「元カレに…
脅されてるの…。。」
「え??
どういうこと??」
「毎週土曜に会ってたあの男は
元カレなの…。」
元カレ…。
とても嫌な言葉だ。
「じゃぁなにか?
毎週元カレと寝てたのか?」
話を聞こうとわかっていても、
怒りが先に言葉になってしまう。
「うぅ…ごめんなさい…
でも…
本当はこんなことしたくないの!信じて!」
「どうやって信じろっていうの?
寝てたことに変わりはないだろ?」
体が震える。
こんなに不快感を感じたことはない。
イライラで頭が爆発しそうだ。
「きいて!お願い!
本当に脅されてて仕方なくだったの!!…
アイツ…私の色んな写真を持ってるの…」
「色んな写真??…」
大体の恵のおかれた状況は理解したと思う。
でも、なんなんだこの気持ちは…。
色んな写真ってなんだよ…
「付き合ってた時に色々な写真をとられてて、
その時はまさかこんなふうになるなんて思ってなくて…
どんな写真かは…わかるでしょ…?」
「もういいっ!!」
もうなにも聞きたくない。
説明を受ければその場面を想像させられる。
それがたまらなく嫌だった。
それでも恵は続けた。
「……。
その写真をばらまくって…
嫌なら毎週俺の言うことを…」
「もういいって言ってるだろ!!」
「よくないよ!!
このままちゃんと説明も出来ずに別れるなんて嫌だもんっ!!」
再び静まりかえった部屋。
恵も必死なんだ。
なのに俺は…。
「…わかったから…
ちょっと…考えさせてくれ。」
恵はまた泣き出した。
「初めは仕方がないって思ってた…
でも歩と出逢って変わったの…
もうこんな関係はやめなきゃって…
でも写真がばらまかれるのが怖くて…」
恵は体を抱えながら震えだした。
「歩がだんだん不信に思ってるって気づいたから…
私お願いしたの…。。
新しい彼ができたからもう終わりにしてって…
そしたら…
今度は暴力までふるうようになって…うぅっ…」
恵の体についた無数のアザ、そして目も。
俺はやっとすべてを理解した。
「じゃぁその体は…。」
恵は震えながら頷く。
涙ながらにすべてを話してくれた恵。
でも、正直まだ俺のなかではなにかが引っ掛かっていた。
脅されていたとはいえ嫌でも胸に突き刺さる元カレとの関係を、
俺はまだ受け入れられないでいた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
恋愛
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
婚約破棄を、あなたのために
月山 歩
恋愛
私はあなたが好きだけど、あなたは彼女が好きなのね。だから、婚約破棄してあげる。そうして、別れたはずが、彼は騎士となり、領主になると、褒章は私を妻にと望んだ。どうして私?彼女のことはもういいの?それともこれは、あなたの人生を台無しにした私への復讐なの?
貴方様の後悔など知りません。探さないで下さいませ。
ましろ
恋愛
「致しかねます」
「な!?」
「何故強姦魔の被害者探しを?見つけて如何なさるのです」
「勿論謝罪を!」
「それは貴方様の自己満足に過ぎませんよ」
今まで順風満帆だった侯爵令息オーガストはある罪を犯した。
ある令嬢に恋をし、失恋した翌朝。目覚めるとあからさまな事後の後。あれは夢ではなかったのか?
白い体、胸元のホクロ。暗めな髪色。『違います、お許し下さい』涙ながらに抵抗する声。覚えているのはそれだけ。だが……血痕あり。
私は誰を抱いたのだ?
泥酔して罪を犯した男と、それに巻き込まれる人々と、その恋の行方。
★以前、無理矢理ネタを考えた時の別案。
幸せな始まりでは無いので苦手な方はそっ閉じでお願いします。
いつでもご都合主義。ゆるふわ設定です。箸休め程度にお楽しみ頂けると幸いです。
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
欲しいというなら、あげましょう。婚約破棄したら返品は受け付けません。
キョウキョウ
恋愛
侯爵令嬢のヴィオラは、人の欲しがるものを惜しみなく与える癖があった。妹のリリアンに人形をねだられれば快く差し出し、友人が欲しがる小物も迷わず送った。
「自分より強く欲しいと願う人がいるなら、譲るべき」それが彼女の信念だった。
そんなヴィオラは、突然の婚約破棄が告げられる。婚約者である公爵家の御曹司ルーカスは、ヴィオラを「無能」呼ばわりし、妹のリリアンを新たな婚約者に選ぶ。
幼い頃から妹に欲しがられるものを全て与え続けてきたヴィオラだったが、まさか婚約者まで奪われるとは思ってもみなかった。
婚約相手がいなくなったヴィオラに、縁談の話が舞い込む。その相手とは、若手貴族当主のジェイミーという男。
先日ヴィオラに窮地を救ってもらった彼は、恩返しがしたいと申し出るのだった。ヴィオラの「贈り物」があったからこそ、絶体絶命のピンチを脱することができたのだと。
※設定ゆるめ、ご都合主義の作品です。
※カクヨムにも掲載中です。
隠れ御曹司の愛に絡めとられて
海棠桔梗
恋愛
目が覚めたら、名前が何だったかさっぱり覚えていない男とベッドを共にしていた――
彼氏に浮気されて更になぜか自分の方が振られて「もう男なんていらない!」って思ってた矢先、強引に参加させられた合コンで出会った、やたら綺麗な顔の男。
古い雑居ビルの一室に住んでるくせに、持ってる腕時計は超高級品。
仕事は飲食店勤務――って、もしかしてホスト!?
チャラい男はお断り!
けれども彼の作る料理はどれも絶品で……
超大手商社 秘書課勤務
野村 亜矢(のむら あや)
29歳
特技:迷子
×
飲食店勤務(ホスト?)
名も知らぬ男
24歳
特技:家事?
「方向音痴・家事音痴の女」は「チャラいけれど家事は完璧な男」の愛に絡め取られて
もう逃げられない――
空に想いを乗せて
美和優希
恋愛
過去の出来事から真面目に生きている岸本花梨は、ひょんなことからクラスの人気者の柳澤奏真の秘密を知ってしまう。
秘密を共有したことから距離が縮まり、やがて二人は付き合い始める。
しかし酷く悲しい現実が、二人の前に立ちはだかり──。
初回公開・完結*2016.03.18(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2019.11.07
加筆修正*2019.12.12
*表紙イラストは、ななぎ様に描いていただいたイラストに背景、文字入れをして使わせていただいてます。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる