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第9章 果たされない約束
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橋本さりなへの手紙を書き終え、久しぶりに文字を書いたせいか、司朗は激しい疲労に襲われた。それでも、エメラルド守護石の力を借りて、守護石を渡した狩野と佐野、そして川島陽菜の3人の枕元に手紙を入れてくれるよう頼んだ後、その事を忘れるように忘却のまじないを掛ける事を願った。
橋本さりなへの手紙は、自分の枕の下に隠しておく。さりなが気づけば、必ず読むだろうし、気づかなくても看護師たちが何とかしてくれるだろう。それか、自分で渡せばいいんだ。
そう考えながら司朗はゆっくりと床に就いた。
翌朝は気持ちの良い朝だった。
ゆっくりと目覚めた司朗は、病院食の朝飯を食べると、ずっと横になって考え事をしていた。
『闇の魔法使いに勇者・・・。勇者って、誰なんだ・・・?今、どこにいるんだ・・・』
そんな事を考えていると、自分に繋がれているモニター装置や点滴チューブ、パルスオキシメーターやらが、何故か急に鬱陶しく感じた。
しかし、これらを外しても自分の体には何も変化は起きないだろう。変化が起きないのなら、このままでいい。
『俺の運命って・・・。この世界では死ぬことが運命なのか・・・』
そんな事をふと考えた瞬間、全てがどうでもよくなった。
さりなへ渡す手紙も、狩野や佐野、川島に渡した手紙も。全てが何の役に立つというのか!
『自分が死んで、悲しむのさりなだけだ。俺はさりなに、何をしてやれた?何を支えてやれた?何もできない。何も出来なかった・・・。今までも・・・、そしてこれからも・・・』
そんな考えを持った時、病室の扉が開いて橋本さりなが入って来た。
「ぼっちん、おはよう。良かった!目が覚めたんだね」
さりなの声が喜んでいる。俺の脳に負担をかけまいと気丈に振舞っているんだ。
「さりな・・・。あのさ、話があるんだけど・・・」
司朗はさりなを丸椅子に座らせると、ベッドを少し起こしてから話を始めた。
「昨日、先生と話をしていたこと。覚えているよな?」
その決めつけた言い方に、さりなは司朗がすでに自分の体の事を知っているんだと確信をし、そして自分の願いが叶わない事を悟った。
「ぼっちん・・・、知っていたんだ・・・」と悲しげな声音でさりなは応えた。
「さりなと先生が話をしている時、目覚めたからな・・・。ほとんどの内容は聞いた」
「そう・・・。でも、今すぐに発作が始まる訳じゃないし・・・。薬が効いてくれば何とか持ちこたえられて、状態も改善するみたいだよ」
「それは、希望的観測だろう。自分の体は自分が良く分かっている。それに、自分の運命も・・・」
「そう・・・。でも、自分の運命は自分で変えられるって言っていたのも、ぼっちんだよね?その言葉を教えてくれたから、私は自分の人生を変えられた。ぼっちんにはとても感謝しているよ・・・」
「嬉しい言葉だな・・・」
司朗は本気で嬉しかった。愛するさりなから沢山、言葉をもらったが、今の言葉が一番の言葉で、一番に思い出に残る言葉だった。
「ぼっちんとの出会いって・・・。ぼっちんは覚えている?」
「そりゃ・・・、忘れないさ。俺がさりなの職場へ行き、その時、憧れの女優と間違って声を掛けた、あの時だろう・・・」
「そうそう・・・ww。誰だっけ、その女優の名前?」
さりなはすぐに思い出せるでしょうみたいな顔つきで、司朗の顔を覗き込んだ。
「忘れた・・・。誰だっけ・・・」
司朗はさりなから視線を外すと、素知らぬ顔をした。
「私は覚えているよ・・・。あやちゃん!だったよね・・・。何、あやちゃんだっけ」
「もういいだろう・・・」と司朗は降参の意味を含めて、さりなの口を押えに手を出した。その手をはらうさりなに、司朗はさりなの顔を自分に引き寄せ、そしてキスをした。
「・・・、ぼっちん・・・」
「ありがとうのキスじゃないし、サヨナラのキスでもない」と司朗はその場を取り繕うと言い訳を始める。が、さりなもまた、キスを返してきた。
静かに唇を離すと、さりなは「私は、今までありがとうの意味だよ」といった。
「ぼっちん、今までありがとう。言えなくなるのが嫌だから、先に言っておくね。段々とぼっちんの良い所を見つけられるようになって、信用できるようになってきたのにな・・・」
「それ・・・、何度も電話で話していたセリフだな・・・。あんなに沢山会って、話をしていたのに・・・、未だに信用が無いなぁ・・・。俺は・・・」
「だって・・・」
さりなの目に涙が浮かぶ。司朗は静かに自分の胸にさりなを抱き寄せると、小声で優しく伝えた。
「約束を果たせなくてごめん。でも、もし状態が良くなったら・・・。ちゃんと約束を果たすよ」
「もしじゃないよ・・・。絶対だよ」
さりなの涙声には切実な願いが込められていた。
「絶対か・・・。今の俺には、荷が重すぎるけど・・・、約束しておこう。絶対に・・・」
「絶対だよ・・・」
司朗はギュッとさりなの体を抱きしめた。
「さりな・・・」
「何・・・?」
「今日のお前・・・、香水がキツイな・・・」
「お気に入りの香水だよ・・・」
「化粧も濃いな・・・」
「人前に出るんだから、すっぴんはまずいでしょう・・・」
「すっぴんのお前が好きなのに・・・」
「うるさいなぁ・・・」
「なぁ、さりな。胸、触っていいか・・・?」
「元気になったらね・・・」
「冷たいな・・・」
二人は抱き合ったまま、そんな会話をずっと続けて二人だけの時間を過ごした。
担当医と主治医を交えて話がしたいと、司朗は看護師にお願いをした。
すると、ちょうど時間が空いているという事で、担当医と主治医の二人が病室に来てくれた。
「先生・・・、今日までのこと、まずは礼を言わせてください。ありがとうございました」と司朗が突然、そんな事を言いだしたので、二人は動揺してしまった。しかし、すぐに冷静になると、「東田さん・・・、まだ何もおわっていません。発作さえ起きなければ、ゆっくりとですが体調は改善します。大丈夫ですよ」と話した。
「いえ・・・。わかってます。自分の体ですから。ただ、万が一の希望は持っています。99%無理でも、1%可能性は期待しています。ですが、今日はその99%の話をさせてください」
「99%の話・・・?」
二人の医者は互いに顔を見合わせた。
「はい。もし自分が発作を起こし、その結果脳死になった場合、臓器提供の意思承諾をしてあります。なので、お願いです。自分が脳死となったら、心臓は隣の部屋の川島陽菜さんに。他の臓器は向こうの狩野俊也さん、佐野美和子さんに移植してください」
「いや、しかし・・・」
「えぇ・・・。彼女にしても向こうの狩野さんにしても、まだ意識不明です。いつ、意識が戻られるか・・・?」
「大丈夫です。3日以内に彼女らは意識を取り戻します。だから、約束を。僕の臓器を彼女らに移植してあげてください」
「3日以内って・・・。何で東田さんにそんな事がわかるんですか?」
「わかります・・・。彼女らは、僕の旅の仲間ですから」
司朗は二人にはわからない事も踏まえて話をした。そして、念の為に書類を準備してもらい、書面にサインをしておいた。
「終わったなぁ・・・」と司朗が窓の外の景色を眺めながらいう。
「なぁに、その言い方。もう、いなくなるような言い方・・・」とさりながいう。
「そうだ・・・。さりなに、このダイヤをあげるよ」と、枕の下から石を取り出した。
「えっ!ダイヤモンド」と喜ぶさりなの手に渡されたのは、黒く光る勾玉だった。
「なによ!何がダイヤよ。違うじゃない」
「あれ・・・。おかしいな・・・。でも、もしあれなら愛梨のお守りにしてくれ。その勾玉は、古来お守りとして大切にされていたんだ」と、司朗は話しながら、勾玉に姿を変えた守護石を渡した。
「一番必要なのは、ぼっちんじゃないの・・・?」とさりなは笑いながら言い返した。
そんなさりなが家に帰った。病室は途端に静かになった。
「ぼちぼちかな・・・」
司朗はこの現実世界を名残惜しんでいる。
多摩市にあるキムチラーメンが最後に食べたかった。ワンタンメンも食べたかった。高級焼肉も食べたかった。
サッカーくじで12億円も当てたかった。
しかし、それは果たせない夢であった。
手にしたエメラルドが尋ねる。
『そろそろ・・・、戻りましょうか?』
司朗はギュッとエメラルドを握りしめると、『あぁ・・・、ぼちぼち行こう。救わなきゃいけない世界へ』と呟いた。
司朗の体が痙攣を起こす。モニターが最大音で鳴り響く。
担当医と看護師が病室に飛び込んでくる。
司朗は言葉にならない声で、薄れて言う意識の中、「ありがとう、みんな」と感謝の言葉を伝えた。
橋本さりなへの手紙は、自分の枕の下に隠しておく。さりなが気づけば、必ず読むだろうし、気づかなくても看護師たちが何とかしてくれるだろう。それか、自分で渡せばいいんだ。
そう考えながら司朗はゆっくりと床に就いた。
翌朝は気持ちの良い朝だった。
ゆっくりと目覚めた司朗は、病院食の朝飯を食べると、ずっと横になって考え事をしていた。
『闇の魔法使いに勇者・・・。勇者って、誰なんだ・・・?今、どこにいるんだ・・・』
そんな事を考えていると、自分に繋がれているモニター装置や点滴チューブ、パルスオキシメーターやらが、何故か急に鬱陶しく感じた。
しかし、これらを外しても自分の体には何も変化は起きないだろう。変化が起きないのなら、このままでいい。
『俺の運命って・・・。この世界では死ぬことが運命なのか・・・』
そんな事をふと考えた瞬間、全てがどうでもよくなった。
さりなへ渡す手紙も、狩野や佐野、川島に渡した手紙も。全てが何の役に立つというのか!
『自分が死んで、悲しむのさりなだけだ。俺はさりなに、何をしてやれた?何を支えてやれた?何もできない。何も出来なかった・・・。今までも・・・、そしてこれからも・・・』
そんな考えを持った時、病室の扉が開いて橋本さりなが入って来た。
「ぼっちん、おはよう。良かった!目が覚めたんだね」
さりなの声が喜んでいる。俺の脳に負担をかけまいと気丈に振舞っているんだ。
「さりな・・・。あのさ、話があるんだけど・・・」
司朗はさりなを丸椅子に座らせると、ベッドを少し起こしてから話を始めた。
「昨日、先生と話をしていたこと。覚えているよな?」
その決めつけた言い方に、さりなは司朗がすでに自分の体の事を知っているんだと確信をし、そして自分の願いが叶わない事を悟った。
「ぼっちん・・・、知っていたんだ・・・」と悲しげな声音でさりなは応えた。
「さりなと先生が話をしている時、目覚めたからな・・・。ほとんどの内容は聞いた」
「そう・・・。でも、今すぐに発作が始まる訳じゃないし・・・。薬が効いてくれば何とか持ちこたえられて、状態も改善するみたいだよ」
「それは、希望的観測だろう。自分の体は自分が良く分かっている。それに、自分の運命も・・・」
「そう・・・。でも、自分の運命は自分で変えられるって言っていたのも、ぼっちんだよね?その言葉を教えてくれたから、私は自分の人生を変えられた。ぼっちんにはとても感謝しているよ・・・」
「嬉しい言葉だな・・・」
司朗は本気で嬉しかった。愛するさりなから沢山、言葉をもらったが、今の言葉が一番の言葉で、一番に思い出に残る言葉だった。
「ぼっちんとの出会いって・・・。ぼっちんは覚えている?」
「そりゃ・・・、忘れないさ。俺がさりなの職場へ行き、その時、憧れの女優と間違って声を掛けた、あの時だろう・・・」
「そうそう・・・ww。誰だっけ、その女優の名前?」
さりなはすぐに思い出せるでしょうみたいな顔つきで、司朗の顔を覗き込んだ。
「忘れた・・・。誰だっけ・・・」
司朗はさりなから視線を外すと、素知らぬ顔をした。
「私は覚えているよ・・・。あやちゃん!だったよね・・・。何、あやちゃんだっけ」
「もういいだろう・・・」と司朗は降参の意味を含めて、さりなの口を押えに手を出した。その手をはらうさりなに、司朗はさりなの顔を自分に引き寄せ、そしてキスをした。
「・・・、ぼっちん・・・」
「ありがとうのキスじゃないし、サヨナラのキスでもない」と司朗はその場を取り繕うと言い訳を始める。が、さりなもまた、キスを返してきた。
静かに唇を離すと、さりなは「私は、今までありがとうの意味だよ」といった。
「ぼっちん、今までありがとう。言えなくなるのが嫌だから、先に言っておくね。段々とぼっちんの良い所を見つけられるようになって、信用できるようになってきたのにな・・・」
「それ・・・、何度も電話で話していたセリフだな・・・。あんなに沢山会って、話をしていたのに・・・、未だに信用が無いなぁ・・・。俺は・・・」
「だって・・・」
さりなの目に涙が浮かぶ。司朗は静かに自分の胸にさりなを抱き寄せると、小声で優しく伝えた。
「約束を果たせなくてごめん。でも、もし状態が良くなったら・・・。ちゃんと約束を果たすよ」
「もしじゃないよ・・・。絶対だよ」
さりなの涙声には切実な願いが込められていた。
「絶対か・・・。今の俺には、荷が重すぎるけど・・・、約束しておこう。絶対に・・・」
「絶対だよ・・・」
司朗はギュッとさりなの体を抱きしめた。
「さりな・・・」
「何・・・?」
「今日のお前・・・、香水がキツイな・・・」
「お気に入りの香水だよ・・・」
「化粧も濃いな・・・」
「人前に出るんだから、すっぴんはまずいでしょう・・・」
「すっぴんのお前が好きなのに・・・」
「うるさいなぁ・・・」
「なぁ、さりな。胸、触っていいか・・・?」
「元気になったらね・・・」
「冷たいな・・・」
二人は抱き合ったまま、そんな会話をずっと続けて二人だけの時間を過ごした。
担当医と主治医を交えて話がしたいと、司朗は看護師にお願いをした。
すると、ちょうど時間が空いているという事で、担当医と主治医の二人が病室に来てくれた。
「先生・・・、今日までのこと、まずは礼を言わせてください。ありがとうございました」と司朗が突然、そんな事を言いだしたので、二人は動揺してしまった。しかし、すぐに冷静になると、「東田さん・・・、まだ何もおわっていません。発作さえ起きなければ、ゆっくりとですが体調は改善します。大丈夫ですよ」と話した。
「いえ・・・。わかってます。自分の体ですから。ただ、万が一の希望は持っています。99%無理でも、1%可能性は期待しています。ですが、今日はその99%の話をさせてください」
「99%の話・・・?」
二人の医者は互いに顔を見合わせた。
「はい。もし自分が発作を起こし、その結果脳死になった場合、臓器提供の意思承諾をしてあります。なので、お願いです。自分が脳死となったら、心臓は隣の部屋の川島陽菜さんに。他の臓器は向こうの狩野俊也さん、佐野美和子さんに移植してください」
「いや、しかし・・・」
「えぇ・・・。彼女にしても向こうの狩野さんにしても、まだ意識不明です。いつ、意識が戻られるか・・・?」
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「3日以内って・・・。何で東田さんにそんな事がわかるんですか?」
「わかります・・・。彼女らは、僕の旅の仲間ですから」
司朗は二人にはわからない事も踏まえて話をした。そして、念の為に書類を準備してもらい、書面にサインをしておいた。
「終わったなぁ・・・」と司朗が窓の外の景色を眺めながらいう。
「なぁに、その言い方。もう、いなくなるような言い方・・・」とさりながいう。
「そうだ・・・。さりなに、このダイヤをあげるよ」と、枕の下から石を取り出した。
「えっ!ダイヤモンド」と喜ぶさりなの手に渡されたのは、黒く光る勾玉だった。
「なによ!何がダイヤよ。違うじゃない」
「あれ・・・。おかしいな・・・。でも、もしあれなら愛梨のお守りにしてくれ。その勾玉は、古来お守りとして大切にされていたんだ」と、司朗は話しながら、勾玉に姿を変えた守護石を渡した。
「一番必要なのは、ぼっちんじゃないの・・・?」とさりなは笑いながら言い返した。
そんなさりなが家に帰った。病室は途端に静かになった。
「ぼちぼちかな・・・」
司朗はこの現実世界を名残惜しんでいる。
多摩市にあるキムチラーメンが最後に食べたかった。ワンタンメンも食べたかった。高級焼肉も食べたかった。
サッカーくじで12億円も当てたかった。
しかし、それは果たせない夢であった。
手にしたエメラルドが尋ねる。
『そろそろ・・・、戻りましょうか?』
司朗はギュッとエメラルドを握りしめると、『あぁ・・・、ぼちぼち行こう。救わなきゃいけない世界へ』と呟いた。
司朗の体が痙攣を起こす。モニターが最大音で鳴り響く。
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司朗は言葉にならない声で、薄れて言う意識の中、「ありがとう、みんな」と感謝の言葉を伝えた。
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取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
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