78 / 104
参章・昇りし太陽編
3-18 75 緋色視点 如何でもいい
しおりを挟む
「…また…緋色とやるのね。」
明らかな嫌悪感を見せた柊が緋色の目の前にいた。
彼女の眼は誰よりも怒りに燃えているように見えた。
何に対して怒っているのだろう。
…怒りでおかしくなりそうなのはこっちだっていうのに。
バリアが張られ決闘が始まった。
珍しく柊はガチで殺しに来ているように感じる。
剣が外の世界の物と同じだ。
「…私が………正しいのに…」
こいつは一体何をおかしな事を言っているのか。
緋色には分からない。
「紅蓮・華(大)…!」
赤く燃え上がった華が美しく咲き一瞬で散る。
「縮地(小)…」
柊は余裕が無いのか、一番攻撃が激しいのが分かった。
すると、柊が此方に近付いてきた。
普通はそんな事をしない。
最初から本気で戦うつもりなのだろうか。
「紅蓮・剣(中)…!」
攻撃を止める。熱さで生成した武器が溶けていく。
この攻撃ですら緋色は止めることができない。
それじゃあ彼は救えない…!
「この…!輪廻(小)…!」
攻撃を流して後ろに下がる。
命の危険がもう既に感じているのだろうか。
たったのこの間だけで緋色の息が荒くなっている。
「ふぅ…ふぅ………っ…!」
縮地を使い懐に突っ込んでいく。
「紅蓮・矢(中)!」
二本の矢が誘導して緋色に攻撃する。
「鎌鼬(小)…!」
完全に相殺できた訳じゃないが、防ぐには十分だ。
「輪廻(小)…!」
「唐傘(中)…!」
緋色は柊が防御している所を見たのは初めてだった。
「何で…あんたが……!」
ずっとこんな調子。意味が分からない。
「さっきから…何を言って…!」
「裏切り者の癖に…私を裏切った癖に!」
炎が赤黒くなる。…いや違う、レイピアの方だ。彼女のレイピアが昇華状態になっている。
「何を…言って…!」
裏切ったのはお前の方だろう。
「知ってるわよ。私が無能に堕ちた事を嘲笑ってた癖に…!」
無能に堕ちる…無病の隠語だ。
無病…正式名称は無能力者化症。…簡単に言えば能力者に開眼したのに、能力が使えなくなったり、酷い時は無能力者に戻ってしまう。
理由も、解決方法も、予防方法も。何一つ解明できていない。
確かに、柊が無病にかかったと相談された事もある。
だけど、無病を嘲笑った事など一度も無い筈だ。
「私が無病だとクラスに、学校にバラシたのはアンタだって知ってんのよ
……!」
知らない。
やってない。
覚えてないんじゃない。絶対にやってない。
どういう事?
少なくとも私はバラしたとは一言も言ってない…だったら…
「誰に聞いたの?」
「認めるのね!あな…」
「誰に聞いたって言ってんだよ。」
「…クラスメートよ!無様な姿を今度はアンタが晒されて…気分が良いわ!火球(中)…!」
爆発で吹き飛ばされる。
ああ…なんだ…………ちゃんと私は悪くないんだ。
良かった。
緋色はヨロヨロと立ち上がる。
「…やってない。」
「今、何を言っても無駄よ!」
だろうな。
君にとってはそれが全てなんだから。
その歪んだ真実に縋って私を虐めたいだけなんだろう?
同情して欲しいだけのモンスターめ。
「…知ってるよ。私を信じない事は。」
「そうね…!そんなことしたのに…!信じれる訳が…!」
「違うよ。まふゆ。かつて親友と呼んだ人より…友人とさえ呼ばなかった人の方を信じたんだったら…それが嘘であっても本当でも…私を一生信じない。…最初から君は私を信じてない。」
ああ…そっか。私には……既に味方がいなかったのか。
裏切られたんじゃなかった。…彼女はただ敵だっただけの事だ。
もう如何でもいい。
悪いと判断されたら制裁されて…悪くなくとも制裁される。
ふざけてる…腐ってるよ…この世界は………!
私をそんなに殺したいのか。
私の心をそんなに殺したいのか!
「まあ、いっか。…………どうでもいいや…来いよ…激怒の緋色と拒否の緋色…」
全部…壊してやる。
握り締めた手から、血のような紅き色が溢れ武器を血紅に染める。
理性で抑える事はもう出来ない。
「してないと言っても信じない癖に…したと言えば信じる…そんなもの…単に私をした人間だと決めつけたいだけだろ!」
「烈火式・紅蓮歌!ええ、そうよ!間違いじゃなくて本当の話でしょ!!紅蓮・狼(大)!」
噛み付いてきたやつを鎌鼬で殺す。
首を狙い一直線で最速で向かう。
「紅蓮・華(大)!」
爆発の炎を斬って道を開く。武器が完全に溶けたが、もう一度生成する。
唐傘を使って火の粉を被らないようにしながら走る。
今度は矢が降ってくるが電光石火で避ける。
「…っ何で来れるのよ!」
「お前がトロい以外何がある?」
首元を狙い刺そうとするがレイピアで流される。
「火球(小)…!」
レイピアに炎を纏わせる。相当な実力が無いとできない事だ。
柊は強い。
だが、それが何だというのだ。
「はぁ!」
力でレイピアを弾く。剣が溶けたがもう一度生成し直す。
「輪廻(小)!」
「唐傘(中)!」
また間一髪の所で防がれる。
熱さのあまり皮膚が焼けてくる。もしかしたら火傷を既にしているのかもしれない。
確かに、装備は制服で耐熱装備なんてしていなかった。
まあ、耐熱装備なんてまず持ってないけど。普通ないし。
「1つ言っておくけど…私が本当に悪い事をしたのなら…!」
狼が襲ってくるが一瞬で打ち消す。
「君が私に何をしようとも……君が何もしなくとも…!」
炎の力が弱まっていく。紅蓮・華の爆発を唐傘で受け切らなくとも攻撃を止めない。
「世界はいつか私にそれ相応の罰を与えるだろう…!君が私に何をしようとも…!」
「何を言って!」
紅蓮・剣が燃え盛るが緋色は退くことはしない。
「……だからお前は!引っ込んでろ!」
柊。
お前の出る幕は無いんだ。
私がお前を蹴落としたという真実が柊にとっての全てなんだろう。
もう…それでいい。
否定しても無駄だから。
何をしても私のこの忌々しい過去の惨状を綺麗に拭き取る事はもう出来ないのだから。
だったら…もう私に関らないでくれ。
こんなにも辛かったんだ。
苦しかったんだ。
痛かったんだ。
毎日痛みで動けない時なんて日常の一部だったんだ。
毒で何度も吐いた。
親に隠れて苦痛を紛らわす為に薬をがぶ飲みした。
途中からそれも効かなくなった。
薬も効かない、毒も効かない。その他の異常状態も効かなくなって…
もう、何も効かないなんて…それは私を人間だと呼べるのだろうか?
私はなんの為に居るのか。この世界に私は要るのか。
だから、私は嫌いなんだ。
そんな証明をしてくれない人間全員が!
だから、私は嫌いなんだ…!
罪も無い私に罰を執行する世界が!
だから、私は嫌いなんだ!
嫌いなんだ…!!
それに抗えない弱い自分が…!
傷を無視して、柊に攻撃する。
こんな痛みは大したものじゃない。
考えろ。
左眼を抉られた時も、酸を浴びた時も。
今まで受けた心の痛みとどっちが痛かったか。
そう考えれば何ともない。
大したものじゃないのに痛がるのは弱いからだ。
黙って耐えろ。そして柊を殺せ。
痛みが消えていく。もう…痛みなんて感じない。
緋色は柊の腕を突き刺し、片方の腕を切り落とす。
「黙って死ね。」
それでも戦う事を止めない柊の右側の目を刺す。
「うぐああああああ…!」
奥深くに刺して、剣を抜いて首を切り裂いた。
もう終わりだ。
柊。そして…私も。
緋色は全て終わらせて帰る。
「待って…!」
柊に静止されて止まった。
「あなたは…誰なの…?」
その言葉に返事をするか迷いながら、緋色は答えることを選んだ。
「樫妻 緋色。そして…能力者を持つ人…誰にも……無能とは呼ばせない。」
それだけ言い捨てて緋色はまた歩き出した。
その日はドラゴンスレイヤーと戦ったが瞬殺だった。
まあ、坂上 笑美はやる気が無かったのだろう。
さて…明日がやっと本番だ。
全てを決める、片岡との戦いが始まるのだから。
明らかな嫌悪感を見せた柊が緋色の目の前にいた。
彼女の眼は誰よりも怒りに燃えているように見えた。
何に対して怒っているのだろう。
…怒りでおかしくなりそうなのはこっちだっていうのに。
バリアが張られ決闘が始まった。
珍しく柊はガチで殺しに来ているように感じる。
剣が外の世界の物と同じだ。
「…私が………正しいのに…」
こいつは一体何をおかしな事を言っているのか。
緋色には分からない。
「紅蓮・華(大)…!」
赤く燃え上がった華が美しく咲き一瞬で散る。
「縮地(小)…」
柊は余裕が無いのか、一番攻撃が激しいのが分かった。
すると、柊が此方に近付いてきた。
普通はそんな事をしない。
最初から本気で戦うつもりなのだろうか。
「紅蓮・剣(中)…!」
攻撃を止める。熱さで生成した武器が溶けていく。
この攻撃ですら緋色は止めることができない。
それじゃあ彼は救えない…!
「この…!輪廻(小)…!」
攻撃を流して後ろに下がる。
命の危険がもう既に感じているのだろうか。
たったのこの間だけで緋色の息が荒くなっている。
「ふぅ…ふぅ………っ…!」
縮地を使い懐に突っ込んでいく。
「紅蓮・矢(中)!」
二本の矢が誘導して緋色に攻撃する。
「鎌鼬(小)…!」
完全に相殺できた訳じゃないが、防ぐには十分だ。
「輪廻(小)…!」
「唐傘(中)…!」
緋色は柊が防御している所を見たのは初めてだった。
「何で…あんたが……!」
ずっとこんな調子。意味が分からない。
「さっきから…何を言って…!」
「裏切り者の癖に…私を裏切った癖に!」
炎が赤黒くなる。…いや違う、レイピアの方だ。彼女のレイピアが昇華状態になっている。
「何を…言って…!」
裏切ったのはお前の方だろう。
「知ってるわよ。私が無能に堕ちた事を嘲笑ってた癖に…!」
無能に堕ちる…無病の隠語だ。
無病…正式名称は無能力者化症。…簡単に言えば能力者に開眼したのに、能力が使えなくなったり、酷い時は無能力者に戻ってしまう。
理由も、解決方法も、予防方法も。何一つ解明できていない。
確かに、柊が無病にかかったと相談された事もある。
だけど、無病を嘲笑った事など一度も無い筈だ。
「私が無病だとクラスに、学校にバラシたのはアンタだって知ってんのよ
……!」
知らない。
やってない。
覚えてないんじゃない。絶対にやってない。
どういう事?
少なくとも私はバラしたとは一言も言ってない…だったら…
「誰に聞いたの?」
「認めるのね!あな…」
「誰に聞いたって言ってんだよ。」
「…クラスメートよ!無様な姿を今度はアンタが晒されて…気分が良いわ!火球(中)…!」
爆発で吹き飛ばされる。
ああ…なんだ…………ちゃんと私は悪くないんだ。
良かった。
緋色はヨロヨロと立ち上がる。
「…やってない。」
「今、何を言っても無駄よ!」
だろうな。
君にとってはそれが全てなんだから。
その歪んだ真実に縋って私を虐めたいだけなんだろう?
同情して欲しいだけのモンスターめ。
「…知ってるよ。私を信じない事は。」
「そうね…!そんなことしたのに…!信じれる訳が…!」
「違うよ。まふゆ。かつて親友と呼んだ人より…友人とさえ呼ばなかった人の方を信じたんだったら…それが嘘であっても本当でも…私を一生信じない。…最初から君は私を信じてない。」
ああ…そっか。私には……既に味方がいなかったのか。
裏切られたんじゃなかった。…彼女はただ敵だっただけの事だ。
もう如何でもいい。
悪いと判断されたら制裁されて…悪くなくとも制裁される。
ふざけてる…腐ってるよ…この世界は………!
私をそんなに殺したいのか。
私の心をそんなに殺したいのか!
「まあ、いっか。…………どうでもいいや…来いよ…激怒の緋色と拒否の緋色…」
全部…壊してやる。
握り締めた手から、血のような紅き色が溢れ武器を血紅に染める。
理性で抑える事はもう出来ない。
「してないと言っても信じない癖に…したと言えば信じる…そんなもの…単に私をした人間だと決めつけたいだけだろ!」
「烈火式・紅蓮歌!ええ、そうよ!間違いじゃなくて本当の話でしょ!!紅蓮・狼(大)!」
噛み付いてきたやつを鎌鼬で殺す。
首を狙い一直線で最速で向かう。
「紅蓮・華(大)!」
爆発の炎を斬って道を開く。武器が完全に溶けたが、もう一度生成する。
唐傘を使って火の粉を被らないようにしながら走る。
今度は矢が降ってくるが電光石火で避ける。
「…っ何で来れるのよ!」
「お前がトロい以外何がある?」
首元を狙い刺そうとするがレイピアで流される。
「火球(小)…!」
レイピアに炎を纏わせる。相当な実力が無いとできない事だ。
柊は強い。
だが、それが何だというのだ。
「はぁ!」
力でレイピアを弾く。剣が溶けたがもう一度生成し直す。
「輪廻(小)!」
「唐傘(中)!」
また間一髪の所で防がれる。
熱さのあまり皮膚が焼けてくる。もしかしたら火傷を既にしているのかもしれない。
確かに、装備は制服で耐熱装備なんてしていなかった。
まあ、耐熱装備なんてまず持ってないけど。普通ないし。
「1つ言っておくけど…私が本当に悪い事をしたのなら…!」
狼が襲ってくるが一瞬で打ち消す。
「君が私に何をしようとも……君が何もしなくとも…!」
炎の力が弱まっていく。紅蓮・華の爆発を唐傘で受け切らなくとも攻撃を止めない。
「世界はいつか私にそれ相応の罰を与えるだろう…!君が私に何をしようとも…!」
「何を言って!」
紅蓮・剣が燃え盛るが緋色は退くことはしない。
「……だからお前は!引っ込んでろ!」
柊。
お前の出る幕は無いんだ。
私がお前を蹴落としたという真実が柊にとっての全てなんだろう。
もう…それでいい。
否定しても無駄だから。
何をしても私のこの忌々しい過去の惨状を綺麗に拭き取る事はもう出来ないのだから。
だったら…もう私に関らないでくれ。
こんなにも辛かったんだ。
苦しかったんだ。
痛かったんだ。
毎日痛みで動けない時なんて日常の一部だったんだ。
毒で何度も吐いた。
親に隠れて苦痛を紛らわす為に薬をがぶ飲みした。
途中からそれも効かなくなった。
薬も効かない、毒も効かない。その他の異常状態も効かなくなって…
もう、何も効かないなんて…それは私を人間だと呼べるのだろうか?
私はなんの為に居るのか。この世界に私は要るのか。
だから、私は嫌いなんだ。
そんな証明をしてくれない人間全員が!
だから、私は嫌いなんだ…!
罪も無い私に罰を執行する世界が!
だから、私は嫌いなんだ!
嫌いなんだ…!!
それに抗えない弱い自分が…!
傷を無視して、柊に攻撃する。
こんな痛みは大したものじゃない。
考えろ。
左眼を抉られた時も、酸を浴びた時も。
今まで受けた心の痛みとどっちが痛かったか。
そう考えれば何ともない。
大したものじゃないのに痛がるのは弱いからだ。
黙って耐えろ。そして柊を殺せ。
痛みが消えていく。もう…痛みなんて感じない。
緋色は柊の腕を突き刺し、片方の腕を切り落とす。
「黙って死ね。」
それでも戦う事を止めない柊の右側の目を刺す。
「うぐああああああ…!」
奥深くに刺して、剣を抜いて首を切り裂いた。
もう終わりだ。
柊。そして…私も。
緋色は全て終わらせて帰る。
「待って…!」
柊に静止されて止まった。
「あなたは…誰なの…?」
その言葉に返事をするか迷いながら、緋色は答えることを選んだ。
「樫妻 緋色。そして…能力者を持つ人…誰にも……無能とは呼ばせない。」
それだけ言い捨てて緋色はまた歩き出した。
その日はドラゴンスレイヤーと戦ったが瞬殺だった。
まあ、坂上 笑美はやる気が無かったのだろう。
さて…明日がやっと本番だ。
全てを決める、片岡との戦いが始まるのだから。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる