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弐章・選ばれし勇者編
2-21 53 夏希視点 私のできる事を
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「う~ん…来ないなぁ…」
と、夏希は呟いた。
すると、モンスターが代わりに来た。
一人で解決出来なさそうなので、逃げて戻って来ると棚見君は2人に殺されかけている。
それでもモンスターは倒されていた。
棚見君は更に強くなっているようだ。
「2人が洗脳されているって事だよね。」
棚見君は2人に叫んでいる。
2人に攻撃できないからだろう。
「精神掌握(大)。」
取り敢えず何とかしなければ。
洗脳を解くことが出来ない。
(荒治療だけど、許して…)
時間が無い。
それに、棚見君も危ない。防御が壊れかけている。
「悪夢殺し(中)!」
鶴ちゃんに攻撃した。
やはり、洗脳されているせいで戦い方が若干暗殺者らしくなっている。
「…え……!?」
棚見君が物凄く驚いている。
居ないものだと思っていた人が急に現れたのだから、当たり前だ。
「何で…」
「話は後で…!私が洗脳を解除する…!」
「どうするんです…!?この2人同時には…!」
「だから、荒治療…!出来るだけ2人に負担にならないように洗脳を解除したいの。」
「僕はじゃあ何をすればいいですかね…!」
「一人でいいから押さえつけといて!」
「そんな無茶な!?」
「よろしく!」
「如月さん…樫妻先輩に急に似ましたね!?…良いですよ……!分かりましたよ…!やりますよ、やればいいんでしょ!」
「先に鶴ちゃんするから、香露音をお願い!」
「仕方ないですね…!分かりましたよ!」
鶴ちゃんはどうやら戦闘狂になっているようだ。
(私と違って、皆強くなってる…!油断してたら、殺される!)
死神の事を思い出す。
(死神を何とかしないと…それまでは…絶対に!)
「………武器生成(小)。…………縮地(小)…!」
刃と刃が交錯する。
(少しでいいから…!油断して!)
「鶴ちゃん!私を思い出して!」
「っ…!」
一瞬だけだが反応した気がする。
鶴ちゃんも頑張って抗っている。
「悪夢殺し(中)…!」
鶴ちゃんは少しよろける。そのチャンスは見逃さない。
「洗脳(中)…!」
夏希は精神世界へ再び入っていった。
白い世界だ。
夏希が歩く度に赤い光が導いてくれる。前はそんな事なかったが。
精神世界の鶴ちゃんを見つけた。
しかし、少し様子がおかしい。これも洗脳されているせいだ。
「……赤い血を見ると………とっても興奮する…!」
恍惚の表情を浮かべ、血に濡れた手を見ている。
「ちょっと……………黙って………」
もう一人いる。以前に見た鶴ちゃんだ。
もしかして、鶴ちゃんは緋色と同じ様に複数いたようだ。
しかし、こっちの鶴ちゃんはボロボロだ。
「鶴ちゃん…!」
「………夏希先輩…………あの私を何とかしてください……!…あの私が言ってしまえば本物です………………」
どうやら、以前暗殺者ではないと偽っていた鶴ちゃんは偽物らしい。
「あの私だけは…外に見せたら…駄目なんです………!誰かを…殺す前に……先輩が…!」
「分かった…!」
「私はただ…戦いたいだけなの………殺したいだけなの……遊びたいだけなの………!あの殺した感覚が今でも忘れられないの…」
やばいタイプの人だ。
「でも、それをやったら、皆から犯罪者扱いされちゃう……」
当たり前だ。
「だからね…それを隠さないといけなくて…私を偽ったの。」
狂ってる事が自覚しているのが救いだ。
「今は、私の方が強いの。ああ…そんなことしたら…!…だから…夏希先輩?殺し合いで私に勝って?」
「分かった。鶴ちゃん…今から洗脳するよ。」
微睡みの剣が上手く使えれば勝機はある。
それに、完全に殺す訳じゃない。あっちの鶴ちゃんは明らかな殺意はあるが。
「もう…吹っ切れたの。私の出来ること…全部やる。その為に…ブレインダイブの力を全て使ってでも勝ってみせる。」
「そう?じゃあ…やってみて…!」
すると一瞬で来た。鶴ちゃんの持つナイフが黒く染まる。
「黒の一閃(大)…!」
「微睡みの剣(大)!」
僅かながらあちらの方が火力が高く押し負ける。
「私の昇華は黒煙と同じ時間しか保たない。」
視界が真っ黒になった。
「だから…これに耐えたら負けでいいよ?これでも殺せなかったら何をしても殺されるから。」
「くっ…」
それでも、負ける訳にはいかない。
珍しく、緋色が頼ってくれたので尚更だ。
「ふぅ…大丈夫かな…?」
ブレインダイブの力を舐めてもらっては困る。
「心眼…」
先ずは心眼。魂の感情を色で見れる様になる。
これだけで、視認で場所が分かる。鶴ちゃんから、悍ましい色をしている。
「精神掌握(小)…」
次に精神掌握を使う。
ブレインダイブは魂を干渉できる存在だ。
その力は魂に近い存在さえも干渉できる。
精神掌握は単に悪夢殺しの下準備だけではない。
魂の情報の把握だ。
何故今、鶴ちゃんにその精神掌握を使うのか。
それは、魂の情報を把握する事で位置が分かると言う事だ。
本気を出せば、魂なんぞいくらでも干渉できる。
それがブレインダイブ。
鶴ちゃんの居場所は筒抜けだ。
あとは、その攻撃を全て避けるだけ。
………とやっても良いが、今回は時間が無い。
精神世界で洗脳を解くだけで、普通に洗脳を使うより遥かに身体に優しい。
だから今回は少し、無慈悲にやるしかない。
「微睡みの剣(大)…!」
「ガハッ…!?」
一気に黒煙が消えていった。
「な…!?何で…場所が…!?」
「筒抜けだよ。…どうする?殺される?…時間が無いから、どうしても嫌なら…別に…遊んであげるよ。」
「…!!!!」
遊ぶのは好きでも、遊ばれるのが楽しい人なんて居ない。
これで屈服は十分なはずだ。
「わ、分かった…!分かったから!」
そういい、鶴ちゃんは夏希に屈服した。
「よし…!上書き出来た!」
洗脳を解くには別のブレインダイブが洗脳を上書きして、洗脳解除すればいい。
「……はっ…!わ…私は………何を………………」
どうやら、精神世界の別の鶴ちゃんが表面で出ていたので、洗脳された記憶が無いようだ。
「き・さ・ら・ぎ・さん!早くこっちも頼みます…!」
棚見君は香露音を羽交い締めをして何とか耐えている。
ちょっと、面白い。
まぁ、だからといって早くしないといけない用事があるので、連続で洗脳しに行く。
「洗脳(中)…」
とても華やかな世界だ。
至る所に金脈が生えるように突き刺さっている。
更に歩けばレッドカーペットが敷かれている。
以前よりも更に自信がついたように見える。
まるで王国の姫のようだ。
「………いらっしゃい。夏希。」
香露音は堂々としている。
そこのところはあまり現実と変わっていない。
「何しに来たの?」
佇まいがどこぞの姫だ。でも、違和感を感じない。
「貴方を、洗脳しに来た。」
精神世界では嘘はつけない。それに、嘘はつかない方が良い。
「そう。」
すると、大量の兵士が現れた。
顔は見えないが、きっと香露音の知り合いだろう。
精神世界は別に一人じゃない。
確かに魂は一個だから、その魂の持ち主は一人だ。
だから、緋色や鶴ちゃんは精神世界に自分が2人以上も居ることは特異になる。
しかし、魂の持ち主以外なら誰でも作れる。
例えば、親が恐ろしく考えているなら、親の姿がモンスターになるらしい。
本人のイメージで自分以外の誰かは普通に現れる。
「……じゃあやってみて。」
全員に精神掌握をかける。
「悪夢殺し(大)!」
こんなに大量に悪夢殺しを使ったら負担が大きいが、緋色を助けるのに3人が、早く行か無いといけないので仕方ない。
幸い兵士が直ぐに潰れた。
香露音のイメージではこの兵士は駒はそれ程強くないのだろう。
強いイメージが持てないらしい。
「………ふぅん…」
やはりという顔で夏希を見つめた。
「ふん。降参よ。私が殺されたら、意味が無いものね。」
やはり、自分の命は大事なようだ。緋色と違い普通で助かった。
「戻って来たよ。棚見君。」
「………はぁ…私、洗脳されてた…」
香露音も元に戻ったようだ。
「…疲れました。……でも時間が経てば、ちょっと危ないですね。」
少し、棚見君は疲れているように見えた。
緋色に解いてもらってから、ずっと耐えているのだろう。
その精神力は凄いの一言では済まない。
すると、霧が晴れていった。ギリギリセーフだ。
少しでも遅いと危なかった。
取り敢えず、3人に経緯を説明した。
「…やっぱり…樫妻先輩は1人で行ってしまったんですね。」
「…私達も行かないと………」
「そうだね。私も行かないと。」
「…私はここに居る。………何か嫌な予感がするから、後輩達も連れて行く。」
「分かった。……何か…」
上を見上げると、明らかに時間がおかしい。
夕陽が見える。
「……大地の涙のブーストって時間もおかしくなるのね。」
「だったら更に、急がないとですね。」
3人は目の前にある外の世界の扉に入っていった。
もしかすると、外の世界に行く可能性も考慮し外に行く時の装備を着けていたらしい。
何と準備が良いのだろう。
「…さてと…私も用意してから、後輩達に事情を説明しなきゃ。」
もう、2度も悪夢は繰り返さない。そう夏希は決めている。
と、夏希は呟いた。
すると、モンスターが代わりに来た。
一人で解決出来なさそうなので、逃げて戻って来ると棚見君は2人に殺されかけている。
それでもモンスターは倒されていた。
棚見君は更に強くなっているようだ。
「2人が洗脳されているって事だよね。」
棚見君は2人に叫んでいる。
2人に攻撃できないからだろう。
「精神掌握(大)。」
取り敢えず何とかしなければ。
洗脳を解くことが出来ない。
(荒治療だけど、許して…)
時間が無い。
それに、棚見君も危ない。防御が壊れかけている。
「悪夢殺し(中)!」
鶴ちゃんに攻撃した。
やはり、洗脳されているせいで戦い方が若干暗殺者らしくなっている。
「…え……!?」
棚見君が物凄く驚いている。
居ないものだと思っていた人が急に現れたのだから、当たり前だ。
「何で…」
「話は後で…!私が洗脳を解除する…!」
「どうするんです…!?この2人同時には…!」
「だから、荒治療…!出来るだけ2人に負担にならないように洗脳を解除したいの。」
「僕はじゃあ何をすればいいですかね…!」
「一人でいいから押さえつけといて!」
「そんな無茶な!?」
「よろしく!」
「如月さん…樫妻先輩に急に似ましたね!?…良いですよ……!分かりましたよ…!やりますよ、やればいいんでしょ!」
「先に鶴ちゃんするから、香露音をお願い!」
「仕方ないですね…!分かりましたよ!」
鶴ちゃんはどうやら戦闘狂になっているようだ。
(私と違って、皆強くなってる…!油断してたら、殺される!)
死神の事を思い出す。
(死神を何とかしないと…それまでは…絶対に!)
「………武器生成(小)。…………縮地(小)…!」
刃と刃が交錯する。
(少しでいいから…!油断して!)
「鶴ちゃん!私を思い出して!」
「っ…!」
一瞬だけだが反応した気がする。
鶴ちゃんも頑張って抗っている。
「悪夢殺し(中)…!」
鶴ちゃんは少しよろける。そのチャンスは見逃さない。
「洗脳(中)…!」
夏希は精神世界へ再び入っていった。
白い世界だ。
夏希が歩く度に赤い光が導いてくれる。前はそんな事なかったが。
精神世界の鶴ちゃんを見つけた。
しかし、少し様子がおかしい。これも洗脳されているせいだ。
「……赤い血を見ると………とっても興奮する…!」
恍惚の表情を浮かべ、血に濡れた手を見ている。
「ちょっと……………黙って………」
もう一人いる。以前に見た鶴ちゃんだ。
もしかして、鶴ちゃんは緋色と同じ様に複数いたようだ。
しかし、こっちの鶴ちゃんはボロボロだ。
「鶴ちゃん…!」
「………夏希先輩…………あの私を何とかしてください……!…あの私が言ってしまえば本物です………………」
どうやら、以前暗殺者ではないと偽っていた鶴ちゃんは偽物らしい。
「あの私だけは…外に見せたら…駄目なんです………!誰かを…殺す前に……先輩が…!」
「分かった…!」
「私はただ…戦いたいだけなの………殺したいだけなの……遊びたいだけなの………!あの殺した感覚が今でも忘れられないの…」
やばいタイプの人だ。
「でも、それをやったら、皆から犯罪者扱いされちゃう……」
当たり前だ。
「だからね…それを隠さないといけなくて…私を偽ったの。」
狂ってる事が自覚しているのが救いだ。
「今は、私の方が強いの。ああ…そんなことしたら…!…だから…夏希先輩?殺し合いで私に勝って?」
「分かった。鶴ちゃん…今から洗脳するよ。」
微睡みの剣が上手く使えれば勝機はある。
それに、完全に殺す訳じゃない。あっちの鶴ちゃんは明らかな殺意はあるが。
「もう…吹っ切れたの。私の出来ること…全部やる。その為に…ブレインダイブの力を全て使ってでも勝ってみせる。」
「そう?じゃあ…やってみて…!」
すると一瞬で来た。鶴ちゃんの持つナイフが黒く染まる。
「黒の一閃(大)…!」
「微睡みの剣(大)!」
僅かながらあちらの方が火力が高く押し負ける。
「私の昇華は黒煙と同じ時間しか保たない。」
視界が真っ黒になった。
「だから…これに耐えたら負けでいいよ?これでも殺せなかったら何をしても殺されるから。」
「くっ…」
それでも、負ける訳にはいかない。
珍しく、緋色が頼ってくれたので尚更だ。
「ふぅ…大丈夫かな…?」
ブレインダイブの力を舐めてもらっては困る。
「心眼…」
先ずは心眼。魂の感情を色で見れる様になる。
これだけで、視認で場所が分かる。鶴ちゃんから、悍ましい色をしている。
「精神掌握(小)…」
次に精神掌握を使う。
ブレインダイブは魂を干渉できる存在だ。
その力は魂に近い存在さえも干渉できる。
精神掌握は単に悪夢殺しの下準備だけではない。
魂の情報の把握だ。
何故今、鶴ちゃんにその精神掌握を使うのか。
それは、魂の情報を把握する事で位置が分かると言う事だ。
本気を出せば、魂なんぞいくらでも干渉できる。
それがブレインダイブ。
鶴ちゃんの居場所は筒抜けだ。
あとは、その攻撃を全て避けるだけ。
………とやっても良いが、今回は時間が無い。
精神世界で洗脳を解くだけで、普通に洗脳を使うより遥かに身体に優しい。
だから今回は少し、無慈悲にやるしかない。
「微睡みの剣(大)…!」
「ガハッ…!?」
一気に黒煙が消えていった。
「な…!?何で…場所が…!?」
「筒抜けだよ。…どうする?殺される?…時間が無いから、どうしても嫌なら…別に…遊んであげるよ。」
「…!!!!」
遊ぶのは好きでも、遊ばれるのが楽しい人なんて居ない。
これで屈服は十分なはずだ。
「わ、分かった…!分かったから!」
そういい、鶴ちゃんは夏希に屈服した。
「よし…!上書き出来た!」
洗脳を解くには別のブレインダイブが洗脳を上書きして、洗脳解除すればいい。
「……はっ…!わ…私は………何を………………」
どうやら、精神世界の別の鶴ちゃんが表面で出ていたので、洗脳された記憶が無いようだ。
「き・さ・ら・ぎ・さん!早くこっちも頼みます…!」
棚見君は香露音を羽交い締めをして何とか耐えている。
ちょっと、面白い。
まぁ、だからといって早くしないといけない用事があるので、連続で洗脳しに行く。
「洗脳(中)…」
とても華やかな世界だ。
至る所に金脈が生えるように突き刺さっている。
更に歩けばレッドカーペットが敷かれている。
以前よりも更に自信がついたように見える。
まるで王国の姫のようだ。
「………いらっしゃい。夏希。」
香露音は堂々としている。
そこのところはあまり現実と変わっていない。
「何しに来たの?」
佇まいがどこぞの姫だ。でも、違和感を感じない。
「貴方を、洗脳しに来た。」
精神世界では嘘はつけない。それに、嘘はつかない方が良い。
「そう。」
すると、大量の兵士が現れた。
顔は見えないが、きっと香露音の知り合いだろう。
精神世界は別に一人じゃない。
確かに魂は一個だから、その魂の持ち主は一人だ。
だから、緋色や鶴ちゃんは精神世界に自分が2人以上も居ることは特異になる。
しかし、魂の持ち主以外なら誰でも作れる。
例えば、親が恐ろしく考えているなら、親の姿がモンスターになるらしい。
本人のイメージで自分以外の誰かは普通に現れる。
「……じゃあやってみて。」
全員に精神掌握をかける。
「悪夢殺し(大)!」
こんなに大量に悪夢殺しを使ったら負担が大きいが、緋色を助けるのに3人が、早く行か無いといけないので仕方ない。
幸い兵士が直ぐに潰れた。
香露音のイメージではこの兵士は駒はそれ程強くないのだろう。
強いイメージが持てないらしい。
「………ふぅん…」
やはりという顔で夏希を見つめた。
「ふん。降参よ。私が殺されたら、意味が無いものね。」
やはり、自分の命は大事なようだ。緋色と違い普通で助かった。
「戻って来たよ。棚見君。」
「………はぁ…私、洗脳されてた…」
香露音も元に戻ったようだ。
「…疲れました。……でも時間が経てば、ちょっと危ないですね。」
少し、棚見君は疲れているように見えた。
緋色に解いてもらってから、ずっと耐えているのだろう。
その精神力は凄いの一言では済まない。
すると、霧が晴れていった。ギリギリセーフだ。
少しでも遅いと危なかった。
取り敢えず、3人に経緯を説明した。
「…やっぱり…樫妻先輩は1人で行ってしまったんですね。」
「…私達も行かないと………」
「そうだね。私も行かないと。」
「…私はここに居る。………何か嫌な予感がするから、後輩達も連れて行く。」
「分かった。……何か…」
上を見上げると、明らかに時間がおかしい。
夕陽が見える。
「……大地の涙のブーストって時間もおかしくなるのね。」
「だったら更に、急がないとですね。」
3人は目の前にある外の世界の扉に入っていった。
もしかすると、外の世界に行く可能性も考慮し外に行く時の装備を着けていたらしい。
何と準備が良いのだろう。
「…さてと…私も用意してから、後輩達に事情を説明しなきゃ。」
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