54 / 104
弐章・選ばれし勇者編
2-20 52 緋色視点 目覚めた希望
しおりを挟む
「時計台に大地の涙は居る筈なんだけど…!」
これで違ってたら詰みだ。
しかし、そのルートが正解であるかのように、煙の色が濃くなっている。
勿論、効力も比例して強くなっている模様だ。
そのせいで、洗脳とは関係無い筈の幻覚が見える。
(もしかして…煙を吸いすぎておかしくなったんじゃないの!?…私は元からおかしいか。)
冗談はさておき、多分これは、精神世界に近くなっている。
憶測に過ぎないが、吸えば吸うほど自分の精神世界は少しずつ削れているのかもしれない。
以前、洗脳を無理矢理解いたとき、自身の魂を削った様に、魂の代わりに精神世界を削っている可能性は考えられる。
「あああああ…!」
「アハハ!無能が鳴いてるー!」
「腕だけでこれかよぉ!殺してないんだから、俺達優しい方だぜ?なぁ、樫妻。」
クッソ胸糞悪い。さっさと大地の涙をぶちのめしたい。
「ねーぇー!」
「…ゴフッ……」
「もう終わり?もっと、本気出してよ!」
煩い。しつこい。黙れ。
「…開眼したら…そっちの味方かよ………ねぇ、藤井さん。」
「そんなに、嫌なら、開眼したらいいじゃん!もう、私だってそっち側に行きたくないの!」
煩い。煩い煩い煩い煩い!
止めてくれ。
(お願いだから止めて…!見たくないのに!)
痛い。心が痛い。
殺意と憎悪と怒りと悲しみと…ああもうよく分からない。
(過ぎた事を…思い出させないでよ…!)
緋色の足は重くなる。
過去の事を見る度に進めなくなっていく。
「はぁ…はぁ……行かなきゃ…!ならないのに………!」
また過去の事を煙が映し出す。
「ねぇねぇ!片岡君がねー!開眼したらしいよ。」
「ああ。知ってるよ。ずっとここじゃそういう話で盛り上がってるし。」
「橋本君、つれないなぁ。」
「まぁ…仕方ないだろ?何も変わんないよ。弱い人から強い方に移動するだけだろ。また、誰かが遊ばれるって…」
「そっちはしないの?良い子ぶって…」
「……興味無いだけ。それよりも片岡ってアレだろ?黄金の王に開眼したんだろ?」
「そうそう…!でね…」
(…私が一生、努力が無駄になった最初の一歩の出来事だ…)
黄金の王は能力を無効化する能力がある。
だから、一瞬で彼は実力が一位になった。
本当に一瞬で。
どんだけ頑張っても、無駄だった。
彼の言葉に対しイエスマンにならなければ、いつ無能である緋色と同じ目に合うか分からなかった。
黄金の王の力の敵は同じ能力か、無能化できないと言われている、ブレインダイブと英雄しかいなかった。
そんな能力者はあそこには一人もいない。
そしてその片岡に誰かが私の事を告げ口した。
弱い奴だけ戦って虐めていると。
ふざけてる。
そこから片岡はゴミ共の一員となった。
そんなことしてない。
そんな言葉は無意味に等しい。なわけ無いだろと言われ更にボコボコにされる。
お前たちの方がよっぽど弱者虐めてる。
そんな事を言えば更に根も葉もない噂を告げ口されて、更に酷い仕打ちをされた。
煙から知ってる奴等が生成される。
偽物だ。アナライズをかけたら一瞬で分かった。
しかし、ステータスは同じだった。
魂の情報から作られた傀儡だろう。
人数は合計14人。
先ずは全員殺さないと先に進めない。
「死線誘導・殺戮(大)!」
相手が攻撃する前に殺していく。
「こ、この弱い者いじ…」
「この人殺しめ!この悪…」
「助けて!この無能に、いじめられてるー!たーすー…」
こいつらは煩い。弱いし、逃げる。
勿論攻撃してくるし奴もいるが大抵は罵倒の言葉を言う前に緋色に殺されている。
「ッチ…!本当に黙ってろって…!もう、過ぎた事なんだ…お願いだから、夏希を助けさせてよ…!」
殺されたと同時に煙となって消えた。
全員煙になったと思えば、また別の誰かの精神世界になった。
この記憶は、明らかに緋色じゃなかった。
「ねぇ!ご飯だって言ってるで…しょ……………裕貴…?嘘でしょ…?」
見た事ある人が首吊り自殺でぶら下がっている。
そして、母であろうあの人は…大地の涙だ。
これは…大地の涙の魂の情報の一部だろうか。
「………貴方を救ってみせる。」
こう言い、自身の息子であろう彼を銃で撃った。
(これは…やり直している時の記憶…)
何回も息子を殺した。
大地の涙は息子を殺す度にずっと、
「貴方を救うわ。」「愛しているわ…裕貴。」「絶対に諦めない。貴方を殺してでも。」
そう言っている。何と言う苦痛だろうか。
殺す度に助けたいと思い、そのせいで、息子を何回も死に追いやっている。
「もう、死なせてくれよ…!」
10人ほどの大地の涙の息子が作られた。
「きっと…笛伴 裕貴はそんな事思ってないと私は思うけどね!」
この人達は大地の涙の想像だ。
こう思っているだろうという不安から作られている。
「死線誘導・回帰(中)…」
何もしてこない彼らは一瞬にして消えていった。
もう煙で前が見えない。
しかし、煙から作られた何かを倒していくと、先に進んでいる気がした。
更に、また別の魂の情報だ。
…すると、誰かが泣いている。でも見えない。
「誰…?」
分からない。
行かなくては。使命と言えるほどに強く感じた。
すると、知っているモンスターが現れた。煙だがそれでも硬直してしまう。
(死神………!!!!)
しかし、自分には襲って来ない。
周りの煙で作られた人達を襲っている。
「はぁ…!はぁ…!何なの!?あれ!」
「このままじゃ、2人ともやられる…!」
「夏希に、会わないといけないのに…!」
「……ゴフッ…!」
「由夢ちゃん…!?いや…!」
しかし、そんな言葉など聞いてくれない。
「ごめん………」
「いや………助けて………」
2人は無様にも殺され、死神は去っていった。
しかし、夏希と言うのは、緋色でも知っている夏希だろう。
「……私を…一人にしないで…」
泣いている声が近くなり、誰が泣いているのか分かった。
「夏希…」
そう呟くが、本人はそこには居ない。
ただ、存在はしないが、確かにここに居る気がする。
「何で…私を…こうなるんだったら…誰も……大切な人なんて…作らなきゃ良かった…!」
「………」
「一人にならないと……今度は一人になっても言いように…」
「…………夏希…それは………違うよ。」
「大切な人は必要だよ。私は夏希を取り戻したい。…夏希は私にとって大切な人だから。…だって…私の事を心配してくれたしね。」
「…でも………大切な物を作ったら…!その後壊れたら…!」
「私を信じてよ。……夏希。私は…夏希が望むなら…絶対に私は…消えない。私は、夏希を信じるよ。無責任だと言われても…夏希を大切な人と言うよ。心の底から…また夏希と会いたい…香露音も、光ちゃんも、鶴ちゃんも、奏恵ちゃんも、智花ちゃんも。私達は、会いたくて、夏希ともう一度会うために…世界をやり直してから…ずっと頑張った。」
「……」
「皆、君を待ってる。私達は夏希の事を大切な人だよ。皆、その為に色々してきた。だから…お願い。」
こんな事を自分に言える資格は無いが言うしかない。その代償は後で請け負う。
「私達を信じて…私達を…想って…」
「…………うん。…分かった…信じて…良いんだよね?」
「うん。」
「………………う……ありがとう………」
姿が徐々に視認出来るようになってきた。
「…私は…皆を大切にするね。…嘘ついたら怒るからね。」
「モチのロン。」
煙が晴れて、色々見える。やっとまちの外観が認識できるようになった。
しかし、目の前の夏希は消えない。
「ホンモノ…?」
頬を指で突く。
「イテッ…」
「多分本物かぁ…」
「本物だよ…!」
「やっぱり?………………………フフ…おかえり。夏希。」
「…ただいま。」
戻ってきた感動に浸りたいが、今は無理だ。
緋色は夏希に事情を説明する。
「…えぇ…………緋色ってお馬鹿さん…」
「そんな事言われてもなぁ…」
というか、もう必要無い気がするが、結局な所大地の涙を探さないとどうにもならない。
「…で、私は何をしたらいい?」
「皆を探し出して欲しい。…春斗は集めて来いって言ったから皆は固まってる。それに、時計台に向かってるから、直ぐに見つけれる。で、味方全員で、私と合流して。」
「緋色は?」
「あの人を見つける。」
「そんなに優先?」
「多分。わざと目立つ場所に大地の涙が居るってことは、見つけて欲しいって事だろうし。」
「オッケー…!」
「だから、時計台の方へは一緒に行こう。」
「そうだね。多分そっちの方が良いよね。」
2人は走り始めた。
すると、時計台が急に消えた。全方位に無い。
「あらあら~ゴールよ~おめでとう~…夏希さんもね~?」
どうやら復活した事により、知らなかった人も思い出したようだ。
「その煙、何とかしてください。」
「じゃあ…私と更に鬼ごっこよ~」
「なっ…!?」
「最初は合格よ~でも、煙が晴れるのは数十分で終わるけど、それまでに彼らが洗脳を解けなければ、一生私の犬ね~ウフフ。まぁ、せいぜい…私を捕まえる事ね~じゃあ、外で待ってるわ~」
そう言って消えた。
「煙で作られたやつか…というか…外の世界って…」
多分だが、白いドーム状の建物だろう。
「夏希。皆を頼んだよ。」
「了解!…一人で大丈夫?」
「不安なら早く味方を私の方に送ってよ。…よろしく!」
緋色は外の世界へ走り出した。
これで違ってたら詰みだ。
しかし、そのルートが正解であるかのように、煙の色が濃くなっている。
勿論、効力も比例して強くなっている模様だ。
そのせいで、洗脳とは関係無い筈の幻覚が見える。
(もしかして…煙を吸いすぎておかしくなったんじゃないの!?…私は元からおかしいか。)
冗談はさておき、多分これは、精神世界に近くなっている。
憶測に過ぎないが、吸えば吸うほど自分の精神世界は少しずつ削れているのかもしれない。
以前、洗脳を無理矢理解いたとき、自身の魂を削った様に、魂の代わりに精神世界を削っている可能性は考えられる。
「あああああ…!」
「アハハ!無能が鳴いてるー!」
「腕だけでこれかよぉ!殺してないんだから、俺達優しい方だぜ?なぁ、樫妻。」
クッソ胸糞悪い。さっさと大地の涙をぶちのめしたい。
「ねーぇー!」
「…ゴフッ……」
「もう終わり?もっと、本気出してよ!」
煩い。しつこい。黙れ。
「…開眼したら…そっちの味方かよ………ねぇ、藤井さん。」
「そんなに、嫌なら、開眼したらいいじゃん!もう、私だってそっち側に行きたくないの!」
煩い。煩い煩い煩い煩い!
止めてくれ。
(お願いだから止めて…!見たくないのに!)
痛い。心が痛い。
殺意と憎悪と怒りと悲しみと…ああもうよく分からない。
(過ぎた事を…思い出させないでよ…!)
緋色の足は重くなる。
過去の事を見る度に進めなくなっていく。
「はぁ…はぁ……行かなきゃ…!ならないのに………!」
また過去の事を煙が映し出す。
「ねぇねぇ!片岡君がねー!開眼したらしいよ。」
「ああ。知ってるよ。ずっとここじゃそういう話で盛り上がってるし。」
「橋本君、つれないなぁ。」
「まぁ…仕方ないだろ?何も変わんないよ。弱い人から強い方に移動するだけだろ。また、誰かが遊ばれるって…」
「そっちはしないの?良い子ぶって…」
「……興味無いだけ。それよりも片岡ってアレだろ?黄金の王に開眼したんだろ?」
「そうそう…!でね…」
(…私が一生、努力が無駄になった最初の一歩の出来事だ…)
黄金の王は能力を無効化する能力がある。
だから、一瞬で彼は実力が一位になった。
本当に一瞬で。
どんだけ頑張っても、無駄だった。
彼の言葉に対しイエスマンにならなければ、いつ無能である緋色と同じ目に合うか分からなかった。
黄金の王の力の敵は同じ能力か、無能化できないと言われている、ブレインダイブと英雄しかいなかった。
そんな能力者はあそこには一人もいない。
そしてその片岡に誰かが私の事を告げ口した。
弱い奴だけ戦って虐めていると。
ふざけてる。
そこから片岡はゴミ共の一員となった。
そんなことしてない。
そんな言葉は無意味に等しい。なわけ無いだろと言われ更にボコボコにされる。
お前たちの方がよっぽど弱者虐めてる。
そんな事を言えば更に根も葉もない噂を告げ口されて、更に酷い仕打ちをされた。
煙から知ってる奴等が生成される。
偽物だ。アナライズをかけたら一瞬で分かった。
しかし、ステータスは同じだった。
魂の情報から作られた傀儡だろう。
人数は合計14人。
先ずは全員殺さないと先に進めない。
「死線誘導・殺戮(大)!」
相手が攻撃する前に殺していく。
「こ、この弱い者いじ…」
「この人殺しめ!この悪…」
「助けて!この無能に、いじめられてるー!たーすー…」
こいつらは煩い。弱いし、逃げる。
勿論攻撃してくるし奴もいるが大抵は罵倒の言葉を言う前に緋色に殺されている。
「ッチ…!本当に黙ってろって…!もう、過ぎた事なんだ…お願いだから、夏希を助けさせてよ…!」
殺されたと同時に煙となって消えた。
全員煙になったと思えば、また別の誰かの精神世界になった。
この記憶は、明らかに緋色じゃなかった。
「ねぇ!ご飯だって言ってるで…しょ……………裕貴…?嘘でしょ…?」
見た事ある人が首吊り自殺でぶら下がっている。
そして、母であろうあの人は…大地の涙だ。
これは…大地の涙の魂の情報の一部だろうか。
「………貴方を救ってみせる。」
こう言い、自身の息子であろう彼を銃で撃った。
(これは…やり直している時の記憶…)
何回も息子を殺した。
大地の涙は息子を殺す度にずっと、
「貴方を救うわ。」「愛しているわ…裕貴。」「絶対に諦めない。貴方を殺してでも。」
そう言っている。何と言う苦痛だろうか。
殺す度に助けたいと思い、そのせいで、息子を何回も死に追いやっている。
「もう、死なせてくれよ…!」
10人ほどの大地の涙の息子が作られた。
「きっと…笛伴 裕貴はそんな事思ってないと私は思うけどね!」
この人達は大地の涙の想像だ。
こう思っているだろうという不安から作られている。
「死線誘導・回帰(中)…」
何もしてこない彼らは一瞬にして消えていった。
もう煙で前が見えない。
しかし、煙から作られた何かを倒していくと、先に進んでいる気がした。
更に、また別の魂の情報だ。
…すると、誰かが泣いている。でも見えない。
「誰…?」
分からない。
行かなくては。使命と言えるほどに強く感じた。
すると、知っているモンスターが現れた。煙だがそれでも硬直してしまう。
(死神………!!!!)
しかし、自分には襲って来ない。
周りの煙で作られた人達を襲っている。
「はぁ…!はぁ…!何なの!?あれ!」
「このままじゃ、2人ともやられる…!」
「夏希に、会わないといけないのに…!」
「……ゴフッ…!」
「由夢ちゃん…!?いや…!」
しかし、そんな言葉など聞いてくれない。
「ごめん………」
「いや………助けて………」
2人は無様にも殺され、死神は去っていった。
しかし、夏希と言うのは、緋色でも知っている夏希だろう。
「……私を…一人にしないで…」
泣いている声が近くなり、誰が泣いているのか分かった。
「夏希…」
そう呟くが、本人はそこには居ない。
ただ、存在はしないが、確かにここに居る気がする。
「何で…私を…こうなるんだったら…誰も……大切な人なんて…作らなきゃ良かった…!」
「………」
「一人にならないと……今度は一人になっても言いように…」
「…………夏希…それは………違うよ。」
「大切な人は必要だよ。私は夏希を取り戻したい。…夏希は私にとって大切な人だから。…だって…私の事を心配してくれたしね。」
「…でも………大切な物を作ったら…!その後壊れたら…!」
「私を信じてよ。……夏希。私は…夏希が望むなら…絶対に私は…消えない。私は、夏希を信じるよ。無責任だと言われても…夏希を大切な人と言うよ。心の底から…また夏希と会いたい…香露音も、光ちゃんも、鶴ちゃんも、奏恵ちゃんも、智花ちゃんも。私達は、会いたくて、夏希ともう一度会うために…世界をやり直してから…ずっと頑張った。」
「……」
「皆、君を待ってる。私達は夏希の事を大切な人だよ。皆、その為に色々してきた。だから…お願い。」
こんな事を自分に言える資格は無いが言うしかない。その代償は後で請け負う。
「私達を信じて…私達を…想って…」
「…………うん。…分かった…信じて…良いんだよね?」
「うん。」
「………………う……ありがとう………」
姿が徐々に視認出来るようになってきた。
「…私は…皆を大切にするね。…嘘ついたら怒るからね。」
「モチのロン。」
煙が晴れて、色々見える。やっとまちの外観が認識できるようになった。
しかし、目の前の夏希は消えない。
「ホンモノ…?」
頬を指で突く。
「イテッ…」
「多分本物かぁ…」
「本物だよ…!」
「やっぱり?………………………フフ…おかえり。夏希。」
「…ただいま。」
戻ってきた感動に浸りたいが、今は無理だ。
緋色は夏希に事情を説明する。
「…えぇ…………緋色ってお馬鹿さん…」
「そんな事言われてもなぁ…」
というか、もう必要無い気がするが、結局な所大地の涙を探さないとどうにもならない。
「…で、私は何をしたらいい?」
「皆を探し出して欲しい。…春斗は集めて来いって言ったから皆は固まってる。それに、時計台に向かってるから、直ぐに見つけれる。で、味方全員で、私と合流して。」
「緋色は?」
「あの人を見つける。」
「そんなに優先?」
「多分。わざと目立つ場所に大地の涙が居るってことは、見つけて欲しいって事だろうし。」
「オッケー…!」
「だから、時計台の方へは一緒に行こう。」
「そうだね。多分そっちの方が良いよね。」
2人は走り始めた。
すると、時計台が急に消えた。全方位に無い。
「あらあら~ゴールよ~おめでとう~…夏希さんもね~?」
どうやら復活した事により、知らなかった人も思い出したようだ。
「その煙、何とかしてください。」
「じゃあ…私と更に鬼ごっこよ~」
「なっ…!?」
「最初は合格よ~でも、煙が晴れるのは数十分で終わるけど、それまでに彼らが洗脳を解けなければ、一生私の犬ね~ウフフ。まぁ、せいぜい…私を捕まえる事ね~じゃあ、外で待ってるわ~」
そう言って消えた。
「煙で作られたやつか…というか…外の世界って…」
多分だが、白いドーム状の建物だろう。
「夏希。皆を頼んだよ。」
「了解!…一人で大丈夫?」
「不安なら早く味方を私の方に送ってよ。…よろしく!」
緋色は外の世界へ走り出した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる