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弐章・選ばれし勇者編
2-15 47 光視点 全員で外へ
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「いけっけなーーい……遅刻、遅刻……」
光は棒読みで、朝ご飯を食べて家を出る。
集合時刻の10分前に到着した。
ただ言いたかっただけである。いっけなーい…遅刻、遅刻ー…と。
「おはよう、智花、奏恵。」
それでも、光は最後だ。この二人が早過ぎるだけだ、きっと。
「おはよう!光。」
「頑張ろうね!二人とも!」
「勿論。」
作戦は最初はベタな方法を使っていく。
ウィザードである光は少種類しか使わずにいく。
智花は出来るだけ省エネでいく。
奏恵は臨機応変でやってもらう。奏恵が一番大変だ。
ずっと、色んなものを練習していったお陰で3人とも全ての基礎能力などお手の物だ。
光、鶴、智花、奏恵の4人で本気の鬼ごっこをしていたのもあり持久力もついた。
「あっちが一番心配だけど…………」
「私達が心配するだけ意味無いよ…今に集中しよう。奏恵。」
「そうだね。」
建物の中に入っていく。
「窮屈だなぁ………」
待機室でそう言いながら光は寛いでいるように見える。
「言ってる割にはその体制リラックスし過ぎじゃない?」
そう言いながら智花は髪の毛を弄っている。
「二人のメンタルが強過ぎ……」
そう言いながら奏恵は……特に何もせず立っている。
数十分経つと自分達の番になった。
「…よし。行こっか。」
「私達の努力の成果を見せてやる。」
「負けない…!」
少なくとも、あの人達には何一つ心配させてはいけない。
ああどうせ、この人達は資格取れるから大丈夫、大丈夫。
そう思わせないと、大地の涙と立ち向かえないだろう。
ブレインコネクト………!
世界が変形した。初めて見る世界に少しワクワクするが、同時に緊張が走る。
「……真ん中は、暗殺者だよ。他の二人はウィザード。」
アナライズで一番上手くできた奏恵が言う。
暗殺者は鶴のせいで十分鍛えられている。舐められると困る。
「りょーかい。」
「幸先は悪いけど…それは一般論ね。」
すると、相手は3人が叫ぶ。
「おい!バレてるぞ!」
「何でだよ!」
「クソ!仕方無い!いくぞ!」
暗殺者の能力の一つとして、アナライズ・妨害がある。
自動発動で、鶴が暗殺者であることがバレなかったのはこれが理由だ。
奏恵がその能力さえもぶち抜いてアナライズが出来ているだけのことだ。
ついでに、奏恵が何気に一番苦労していた能力である。
緋色先輩に、
「暗殺者のアナライズ・妨害をぶち抜く位まで、上手くなったほうが良いんじゃなーい?」
という、途轍もなく軽いノリで奏恵が被害者となった。
「朧月(中)………」
「鎌鼬(中)!」
智花は鎌鼬を綺麗に避けていき、暗殺者に攻撃しに行く。
「雷球(中)…!」
「縮地(小)。」
光も最小限で避けていく。
あくまでも、省エネで戦い、最小限のダメージで次に持ち越さないといけない。
そうしなければ、外の世界では通用しない。
「拘束(中)…!」
「電光石火(小)!」
奏恵は避けながら一気に接近する。
「武器生成(小)………輪廻(小)!」
僧侶が攻撃されると思っていなかったのか対応しきれずに致命傷を浴び消えた。
「月影(中)…!」
「ぐわぁ…!」
よそ見をしてしまった暗殺者を智花は見逃さずに一撃を放ち、暗殺者は消えていった。
「こ、この!火球(大)!」
もう一人のウィザードは特に何もしていない光のもとに近付いて放った。
「縮地(小)!」
どうやら、ウィザードに近付いたら対処できないと思われたのだろう。
光はそうやって距離を保っていたからだ。
「武器生成(小)………よっと。」
簡単に避けてから、首を一刺しした。
世界が割れ、元に戻った。
「こんなもんよってねー」
光は脳天気にそう言った。言わば楽勝である。
「流石光!」
「やったね!皆!」
3人でハイタッチをする。
…こんなふうに2回戦、3回戦も同じ様に勝って来たのだが、午後を過ぎてから異変に気付いたのは光だった。
「3回戦は少し危なかった……ごめんね…」
「奏恵ー…落ち込まないで。一人のせいじゃないし、光のおかげで勝ったし、皆倒れてないし。」
「う、うん……あれ?光、如何したの…?」
「さっきまで、胡座かいてたのに。」
「…………何か…気持ち悪くない…?」
「気持ち悪い…?まさか…………」
「智花…」
「分かってる。」
この3人の中で一番気配察知が得意な智花に任せる。
「…何か………変な所がある。……空間が……無さ過ぎる………気配がそこだけ切り取った様に………」
「多分…始まったんだ。」
「…大地の涙の洗脳が。」
「正解よ~貴方達~」
「!!!」
全員緊張が走った。何故大地の涙がここにいるのか。
というか、智花の気配察知が効かない。予想はしていたがここまで怖いとは思っていなかった。
「大丈夫よ~貴方達は洗脳しないから~」
「………私達は…ですか。」
少なくともされる事は無いだろうが、だからといって安心出来ない。
「ここに来たのは元々よ~緋色さんが呼んだものだからね~」
「そうですか。」
「フフフ…貴方達怖くないの~?知っているのでしょ~?」
「はい。」
光は淡々と答える。
「私がいつ嘘偽りを言ってもおかしくないのよ~?例えば…そうね~洗脳しやすそうなこの子とか…?」
そう言い奏恵を指差した。
「………。」
奏恵は恐怖に屈する事なく睨み付けている。
「……良いわね~その目。弱々しくとも…ちゃんと覚悟が出来ているのね。それ程に消失したあの子を復活させたいのね~」
「はい。」
普段、オロオロしている様子からは想像できない程の強い返答。
奏恵は、もしかしたら遭遇する事を予想していたのかもしれない。
「…そう。良い結果を望んでおくわ~ここには用事は無い事だし…私もやる事やらないとね~それに、あの子達の事は殺しはしないわよ~」
そう言いながら、煙の様に消えていった。
「やっぱり………気配が分からない。」
大地の涙は気配隠蔽が大分上手いようだ。一筋縄ではいかない。
「でも、良かった~万が一、此処の誰かが洗脳なんてされたら…」
「まぁね。………まぁ、この気持ち悪さは相変わらず消えてないし、こっちが出来るのは先輩を信用する事だけかな。」
「そうだね……皆洗脳されなきゃ良いんだけど………」
「最悪されても、緋色先輩さえ何とかなれば何とかなるでしょ。」
「……誰がどれ位耐えれるか…分かんないよ。………あの時……………大地の涙は、ブーストを使ってた。」
「え!?そうなの!?」
智花は驚いている。
「何か……ほんのちょっぴりなんだけど…オーラ?みたいなのがあった。」
「というか、何で光は分かるの…?」
「ウィザード…だから?そういう…何だろ…非科学的なものが強く見えるようになったんだよね。」
「開眼したときから…?」
「多分。物心がついたときからウィザードだったしよく分かんないけど。」
「へぇ…」
すると、戦いが終わったようでぞろぞろと人が出てきた。
「ねぇ…今思ったんだけどさ…」
智花が話し始める。
「出る人…今回少な過ぎない?」
「…………先輩の話的には5回勝たないといけなかったよね?」
「しかも、2回戦終わったら、もうこの日終わってたらしいよ。」
「……これが…夏希先輩の居ない影響かもね……」
「……あと、何回勝たないといかないんだろうね。」
「多分……あと一回戦ったら…今日は終わりかな……」
「行こう。そろそろ私達の出番だよ。それに、先輩達と合流した時に楽勝だったって言える位にあの人達を不安にはさせちゃあ駄目だし。」
「うん!そうだね!私、頑張る!」
決闘場に行き、相手を見る。
「………?」
奏恵が、何も言わない。
「……見えない…………」
その言葉を聞いて、先輩の言葉を思い出す。
緋色先輩のどれが一番強かったという問いに対し、香露音先輩が暗殺者3人組が一番だと言っていた。
それに、団体戦を前回受けていた2人も頷いていた。
3人が、一気に理解する。
(この人達は…………暗殺者だ………)
「始め!」
世界が変わる。
(ホント馬鹿!………森林とか…!環境最悪、敵最悪、というか、私暗所恐怖症なのに!)
一時期、これのせいで不眠症になった事があった。
暗所恐怖症というものを知らず、根性で寝ていたせいだ。
しかし、パニック状態になる程ではないので、黒煙を使われても大丈夫…だと信じたい。
「縮地(小)………」
「武器生成(小)……!」
一撃が重い。それでも押しのけられる。
(持久力が無かった私は…一番大変だったんだから…!)
光は特訓のしんどさを思い出す。
「閃律(小)…!」
相手は避けて後ろに下がる。
今から、前回の団体戦1位との戦いが始まる。
光は棒読みで、朝ご飯を食べて家を出る。
集合時刻の10分前に到着した。
ただ言いたかっただけである。いっけなーい…遅刻、遅刻ー…と。
「おはよう、智花、奏恵。」
それでも、光は最後だ。この二人が早過ぎるだけだ、きっと。
「おはよう!光。」
「頑張ろうね!二人とも!」
「勿論。」
作戦は最初はベタな方法を使っていく。
ウィザードである光は少種類しか使わずにいく。
智花は出来るだけ省エネでいく。
奏恵は臨機応変でやってもらう。奏恵が一番大変だ。
ずっと、色んなものを練習していったお陰で3人とも全ての基礎能力などお手の物だ。
光、鶴、智花、奏恵の4人で本気の鬼ごっこをしていたのもあり持久力もついた。
「あっちが一番心配だけど…………」
「私達が心配するだけ意味無いよ…今に集中しよう。奏恵。」
「そうだね。」
建物の中に入っていく。
「窮屈だなぁ………」
待機室でそう言いながら光は寛いでいるように見える。
「言ってる割にはその体制リラックスし過ぎじゃない?」
そう言いながら智花は髪の毛を弄っている。
「二人のメンタルが強過ぎ……」
そう言いながら奏恵は……特に何もせず立っている。
数十分経つと自分達の番になった。
「…よし。行こっか。」
「私達の努力の成果を見せてやる。」
「負けない…!」
少なくとも、あの人達には何一つ心配させてはいけない。
ああどうせ、この人達は資格取れるから大丈夫、大丈夫。
そう思わせないと、大地の涙と立ち向かえないだろう。
ブレインコネクト………!
世界が変形した。初めて見る世界に少しワクワクするが、同時に緊張が走る。
「……真ん中は、暗殺者だよ。他の二人はウィザード。」
アナライズで一番上手くできた奏恵が言う。
暗殺者は鶴のせいで十分鍛えられている。舐められると困る。
「りょーかい。」
「幸先は悪いけど…それは一般論ね。」
すると、相手は3人が叫ぶ。
「おい!バレてるぞ!」
「何でだよ!」
「クソ!仕方無い!いくぞ!」
暗殺者の能力の一つとして、アナライズ・妨害がある。
自動発動で、鶴が暗殺者であることがバレなかったのはこれが理由だ。
奏恵がその能力さえもぶち抜いてアナライズが出来ているだけのことだ。
ついでに、奏恵が何気に一番苦労していた能力である。
緋色先輩に、
「暗殺者のアナライズ・妨害をぶち抜く位まで、上手くなったほうが良いんじゃなーい?」
という、途轍もなく軽いノリで奏恵が被害者となった。
「朧月(中)………」
「鎌鼬(中)!」
智花は鎌鼬を綺麗に避けていき、暗殺者に攻撃しに行く。
「雷球(中)…!」
「縮地(小)。」
光も最小限で避けていく。
あくまでも、省エネで戦い、最小限のダメージで次に持ち越さないといけない。
そうしなければ、外の世界では通用しない。
「拘束(中)…!」
「電光石火(小)!」
奏恵は避けながら一気に接近する。
「武器生成(小)………輪廻(小)!」
僧侶が攻撃されると思っていなかったのか対応しきれずに致命傷を浴び消えた。
「月影(中)…!」
「ぐわぁ…!」
よそ見をしてしまった暗殺者を智花は見逃さずに一撃を放ち、暗殺者は消えていった。
「こ、この!火球(大)!」
もう一人のウィザードは特に何もしていない光のもとに近付いて放った。
「縮地(小)!」
どうやら、ウィザードに近付いたら対処できないと思われたのだろう。
光はそうやって距離を保っていたからだ。
「武器生成(小)………よっと。」
簡単に避けてから、首を一刺しした。
世界が割れ、元に戻った。
「こんなもんよってねー」
光は脳天気にそう言った。言わば楽勝である。
「流石光!」
「やったね!皆!」
3人でハイタッチをする。
…こんなふうに2回戦、3回戦も同じ様に勝って来たのだが、午後を過ぎてから異変に気付いたのは光だった。
「3回戦は少し危なかった……ごめんね…」
「奏恵ー…落ち込まないで。一人のせいじゃないし、光のおかげで勝ったし、皆倒れてないし。」
「う、うん……あれ?光、如何したの…?」
「さっきまで、胡座かいてたのに。」
「…………何か…気持ち悪くない…?」
「気持ち悪い…?まさか…………」
「智花…」
「分かってる。」
この3人の中で一番気配察知が得意な智花に任せる。
「…何か………変な所がある。……空間が……無さ過ぎる………気配がそこだけ切り取った様に………」
「多分…始まったんだ。」
「…大地の涙の洗脳が。」
「正解よ~貴方達~」
「!!!」
全員緊張が走った。何故大地の涙がここにいるのか。
というか、智花の気配察知が効かない。予想はしていたがここまで怖いとは思っていなかった。
「大丈夫よ~貴方達は洗脳しないから~」
「………私達は…ですか。」
少なくともされる事は無いだろうが、だからといって安心出来ない。
「ここに来たのは元々よ~緋色さんが呼んだものだからね~」
「そうですか。」
「フフフ…貴方達怖くないの~?知っているのでしょ~?」
「はい。」
光は淡々と答える。
「私がいつ嘘偽りを言ってもおかしくないのよ~?例えば…そうね~洗脳しやすそうなこの子とか…?」
そう言い奏恵を指差した。
「………。」
奏恵は恐怖に屈する事なく睨み付けている。
「……良いわね~その目。弱々しくとも…ちゃんと覚悟が出来ているのね。それ程に消失したあの子を復活させたいのね~」
「はい。」
普段、オロオロしている様子からは想像できない程の強い返答。
奏恵は、もしかしたら遭遇する事を予想していたのかもしれない。
「…そう。良い結果を望んでおくわ~ここには用事は無い事だし…私もやる事やらないとね~それに、あの子達の事は殺しはしないわよ~」
そう言いながら、煙の様に消えていった。
「やっぱり………気配が分からない。」
大地の涙は気配隠蔽が大分上手いようだ。一筋縄ではいかない。
「でも、良かった~万が一、此処の誰かが洗脳なんてされたら…」
「まぁね。………まぁ、この気持ち悪さは相変わらず消えてないし、こっちが出来るのは先輩を信用する事だけかな。」
「そうだね……皆洗脳されなきゃ良いんだけど………」
「最悪されても、緋色先輩さえ何とかなれば何とかなるでしょ。」
「……誰がどれ位耐えれるか…分かんないよ。………あの時……………大地の涙は、ブーストを使ってた。」
「え!?そうなの!?」
智花は驚いている。
「何か……ほんのちょっぴりなんだけど…オーラ?みたいなのがあった。」
「というか、何で光は分かるの…?」
「ウィザード…だから?そういう…何だろ…非科学的なものが強く見えるようになったんだよね。」
「開眼したときから…?」
「多分。物心がついたときからウィザードだったしよく分かんないけど。」
「へぇ…」
すると、戦いが終わったようでぞろぞろと人が出てきた。
「ねぇ…今思ったんだけどさ…」
智花が話し始める。
「出る人…今回少な過ぎない?」
「…………先輩の話的には5回勝たないといけなかったよね?」
「しかも、2回戦終わったら、もうこの日終わってたらしいよ。」
「……これが…夏希先輩の居ない影響かもね……」
「……あと、何回勝たないといかないんだろうね。」
「多分……あと一回戦ったら…今日は終わりかな……」
「行こう。そろそろ私達の出番だよ。それに、先輩達と合流した時に楽勝だったって言える位にあの人達を不安にはさせちゃあ駄目だし。」
「うん!そうだね!私、頑張る!」
決闘場に行き、相手を見る。
「………?」
奏恵が、何も言わない。
「……見えない…………」
その言葉を聞いて、先輩の言葉を思い出す。
緋色先輩のどれが一番強かったという問いに対し、香露音先輩が暗殺者3人組が一番だと言っていた。
それに、団体戦を前回受けていた2人も頷いていた。
3人が、一気に理解する。
(この人達は…………暗殺者だ………)
「始め!」
世界が変わる。
(ホント馬鹿!………森林とか…!環境最悪、敵最悪、というか、私暗所恐怖症なのに!)
一時期、これのせいで不眠症になった事があった。
暗所恐怖症というものを知らず、根性で寝ていたせいだ。
しかし、パニック状態になる程ではないので、黒煙を使われても大丈夫…だと信じたい。
「縮地(小)………」
「武器生成(小)……!」
一撃が重い。それでも押しのけられる。
(持久力が無かった私は…一番大変だったんだから…!)
光は特訓のしんどさを思い出す。
「閃律(小)…!」
相手は避けて後ろに下がる。
今から、前回の団体戦1位との戦いが始まる。
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