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第3章 悲しみの表情の理由は

12話

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 尾田先生と理花子の後をつける行為と、司とのデートはギャップが激し過ぎた。
司はまさか私が、あの日で終わらずにこんなことを続けているとは思ってもいないだろう。
それに、司がこのことを知ったらどう思うのか、考えるだけで嫌になる。

 だから、尾田先生の後をつけるのはもうやめようと思った。
そして、最後だと決めれば何かが起こるのが世の常だとでも言うように、変化が起こってしまう。

 最後と決めた日には、二人の尾行を始めてもうすぐ一ヶ月半になろうとしていた。 
習慣になり始めていた、決まった行動を今日でやめる。
今はもう、毎回変わらない二人の姿を見て、緊張すら感じなくなっていた。
自分でも分からない、この行為の意味。
 二人はいつも通り理花子の家の前で別れると思いきや、尾田先生は彼女を引き止め、こう言った。
静かな住宅街で、その声は私の耳にまで届いた。

「やっぱりもうやめよう。僕が全て悪かった。もうこんなだから、教師もやめようと思ってる。誰かに見つかったら、君の将来に悪影響だ。それに」

先生はまだ何かを言おうとしたが、理花子が大きな声で遮った。

「自分がおかしいのは分かってる。こんな提案したのもおかしいと思う。教師だから助けてくれるって縋っただけなの。母親が知ったら、ショックで寝込むかもしれない。自分を責める、きっと」

話の趣旨が見えなかった。

「悪かった。悪かったとは思うが」

「先生はひどい。私に腐った性格直せって言ってるようなもんだから。沙咲を解放して、もっと人に優しくしなさいって。本当は欲しくもなかったのに奪ったものを返せって、そういうことだもんね」

私の名前が出てきて、余計に混乱してしまう。

「本当に悪かった。教師として間違ってた。特に、方法を間違えたと思う。許してほしい」

理花子は先生を睨み、何も言わずに家に入って行った。
残された先生はまた、しばらくそこに立ち尽くした。
二人の関係性や、先生が何に対して謝り、理花子が何に怒っているのか、よく分からない。

 少しして家のドアが開き、理花子が出てくる。
勢いよく開かれたドアは、大きな音をたてて閉まった。
彼女は、先生に何かのノートを手渡した。

「やっぱり先生、間違ってる」

「そうだね」

先生はノートを受け取った。
目の前の理花子ではなく、ノートを大切そうに見つめている。

「でも先生、私も間違ってた」

理花子は泣いているようだった。
強く目を擦っている。
そのことに気付いた尾田先生は、ノートではなく、目の前の彼女を見つめた。
きっと哀しい表情なんだろう。
多分、私が前に先生から向けられたのと同じもの。
 私は明確な理由なく、その場から立ち去りたいと思った。
悲しみが伝染する。
あの人の感情が自分に移る。
あの人の感情が自分のものになる・・・
 でも、私が立ち去るよりも前に、先生は

「落ち着いてから、また話そう。本当にごめん」

と言い、理花子に背を向け歩き出した。
彼女は、そんな先生を引き止めようとしたけれど、諦めたように家に戻って行った。
私は先生と一定の距離を保ちながら、後をつけた。


 この行為の意味をもう一度考えてみる。
私は尾田先生の悲しみの表情の理由を知りたかっただけなのだろうか。
それとも、理花子の弱みにつけ込みたかっただけなのだろうか。
むしろ逆に、私の知らない理花子の事情を見つけ、彼女を好きになりたかったのだろうか。
そして、そこまでして、仁井くんを諦める理由を探していたのかもしれない。

 駅まで向かう道を、先生は力なく歩き続けた。
駆け寄って、「大丈夫ですか?」と声を掛けたくなるほど、心配になる歩み。
 
 今日でやめるから。
だから先生、あの表情の理由を教えてほしい。
それから。
どうして二人が学校外で一緒にいるのかを知らないままだと、私は愚かな行為をした、愚かな人間のままになってしまう。
知りたい。


 「山村さん?」

そう呼ばれ、振り返ると仁井くんがいた。
突然過ぎたから、仁井くんだと認識するまで時間がかかった。
私はさっきまでの、尾行する用の自分が纏った空気を振り払おうとする。

「山村さん、どうしたの?」

声を掛けられて驚いたのがバレないように、澄ました表情まで作る。

「あ、仁井くん。私はバイトの帰りだけど」

「そうなんだ。でも、なんか、大丈夫?」

今回の芝居は下手なようだ。
慌てているのがバレている。

「仁井くんは、どうしたの?」

「ああ。理花子と連絡つかなくて、心配だから家行ってみようと思って」

「家にも結構遊びに行くの?」

「うん。理花子のお母さんがいない日に」

お母さんがいない日。
二人はキスを何回したんだろうか。

「あ、いや。別に変な意味はなくて」

私の想像が伝わったのか、仁井くんは弁明した。

「じゃあ、私疲れてるから行くね」

進む方を指差して、早く帰りたいアピールをする。
尾田先生が行った方を見たけれど、姿は見えなくなっていた。
車を発進させるところまでは確認しようと思っていたのに。
 仁井くんは理花子の家にこのまま行ってしまうのか。
行く、行かない、行く・・・
仁井くんのことが好き、嫌い、好き・・・

 仁井くんの目を見てみた。
泣きたくなるほどのものは、そこにはない。
心の中で“嫌い”と呟いてみてから

「じゃあ」

と言い、先生が行った道の方に進もうとする。

「送ってくよ」

仁井くんは、私を引き止めた。

「なんで?」

急に苛立ってしまう。
仁井くんは、優しい顔をしている。
仁井くんは、司のコピー。
私の一等賞は、司の感情を自分のものにして、私に近づいた。
それに、送っていくという優しさは、優しさではないと思った。
トントンと、撫でられるのは、もう・・・

「なんでって、暗いし・・・」

仁井くんは早速、私の苛立ちを感じ取り、警戒しつつ、どうにか怒りを理解しようとする。
仁井くんは今、私の気持ちになって、物事を考える。
でも、私も今、自分の感情が分からないのだから、仁井くんに分かるわけがない。
私の感情を移させない。

「早く、理花子のところ行ったら?」

「でも・・・」

「ごめん、私は大丈夫だから。もう行くね」

もう引き止められないように、私は逃げるようにその場から去った。
 仁井くんは今、どんな表情でいるだろうか。
そして、苛立ちを隠せなかった私は、決して良い気分ではなかった。
その相手が仁井くんであることも、嫌な気分を大きくさせた。
私にとって、隠そうとしない苛立ち、つまり隠す努力もせずに見せつけてしまった苛立ちは、自分を嫌いになる最大の要素だ。

 私の一等賞。
私は一等賞を剥奪しなければならない。
そして、初めは全く予想をしていなかった司という人物が、表彰台の一番高いところにやって来た。
仁井くんの場合は、私さえも知らない間に、一位の場所に立っていた。
その時とは違い、司は堂々と、力強く、私を惹きつけながら、表彰台を上る姿も私に見せた。
この瞬間をずっと待っていたというのを表すように。
仁井くんはそれでもまだ、一番高いところから降りてくれない。
一等賞が二人いる形になってしまった。

 感じていた苛立ちは、司も一等賞になってくれたイメージで、少し落ち着いてきた。
仁井くんの方を振り返ったりせず、尾田先生を探す。
少し走れば、すぐに先生を見つけることができた。
でも私はすでに、やる気を失っていた。
さっきまでの好奇心や知りたいという底なしの欲求は、仁井くんに会ったことでどこかに消えた。
モヤモヤする気持ちだけが残る。

「仁井くんのせいだ。仁井詩音」

名前を呟き、その場に立ち尽くした。
尾田先生が、遠く、見えなくなっていく。


 仁井詩音。
私は直接、あなたが気になると伝えたにも関わらず、仁井くんは、理花子の恋人であり続けると私に宣言した。
私は司と付き合い始めた。
文章にすれば、とても簡単なその関係性が、この夜に重くのしかかる。
私の何かをしようという動力は、それが先生の後をつけることでも、司と付き合うことでも、最初の動機はきっと、全て仁井くんだった。
モヤモヤは、好きと言ってくれる人の出現で消すことができる。
キスをすれば、幸福に包まれる。
そしてそのモヤモヤは、夜に蘇ることが多い。
夜はその為にあるみたいだ。
誤魔化した気持ちを再確認させる為の時間。
でも分かってる。
思い通りにいくことなんて、ないに等しいくらい少ないということを。
だからこそ、この夜でやめることが増えた。
仁井くんへの想像や、仁井くんという共感への期待。

 私は、尾田先生みたいなゆっくりとした歩みで、家まで帰った。
モヤモヤが嫌いだ。
でも、誰かとすれ違うたび、後ろから抜かされるたびに、この人たちにもモヤモヤがあり、それでも生きているのだと思うようにした。
赤の他人に、勝手に作り上げた悩みをそれぞれ与えてみる。
そうすれば、ただ歩いているように見える人にも、悲しみの表情が窺える気がした。
同情まではいかない、あくまで調子を合わせる程度の同調。
私には、同調が合っている。


 次の日になっても、モヤモヤは完全には消えていなかった。
浅い眠りを繰り返し、5時には目が覚めてしまったこともあり、私はいつもより早く登校した。
そして、ある程度予想していたが、理花子が私の教室にやって来た。
いつも早めに登校する彼女はよく、話し相手を探し求め、他の教室を覗き回っていた。
理花子は、まさか私がいると思わなかったのか、私を見つけると驚いた顔をした。
見つけてしまったからには、私のところに来ないわけにはいかない、みたいな雰囲気。
いつもなら、良い獲物を見つけた風に、勢い良く駆け寄ってくるのに。
今日の彼女には、勢いがなく、その隙に笑顔を作り、ようやく私の元に来た。
 私は、昨日盗み聞きしてしまったこと、理花子の涙が影響しているせいか、彼女にどう接すれば良いのか、迷ってしまう。 
そしてなぜか、彼女はいつもと違った。
内面的な何かが。
あの強い目が。
私だけが気まずさを感じるのは分かるが、彼女も気まずいと思っているのなら。
昨日、尾田先生と理花子の会話に私の名前が出てきたことが関係しているとしか思えない。
私は何かしらの形で、彼女に影響を与えているということになる。

「今日、早いね」

理花子は私の前の席の椅子に座った。

「うん。なんか、早くなっちゃって」

「ふーん。そうなんだ。あ、就職良いとこ見つかった?」

「まだ。何ヶ所かチェックはしたけど、分からない」

なんだろう。
やっぱりいつもの理花子と違う。

「理花子は、どう?専門学校」

「推薦入試で頑張るつもり。だから、面接練習とかいっぱいしなくちゃ」

「そっか。私も、面接が重要だから」

「だね。頑張ろうね」

 ここまでの会話で分かった。
理花子は私に気を遣っている。
彼女の一方的な会話になっていない。
そこがいつもとの大きな違いだ。
だから私は、今、彼女が不機嫌になることはないだろうと思った。
いつも、彼女が喜ぶような質問をしてあげて、話を聞いてあげていた。
でも今なら、少し踏み込んだ質問ができるかもしれない。

「そういえば、あの謎の生き物の耳のカチューシャは?」

「えっ?」

「仁井くんにもらったって言ってた、うさぎの耳みたいなの」

「ああ、あれは、つける機会ないから、部屋に置きっぱなしだけど。なんで?」

「なんとなく。面白い話だったから、覚えてただけだよ」

「そっか」

 モヤモヤを解消するべく、あるいは、モヤモヤを彼女にぶつけるべく、私は危険な領域に入ろうとしていた。
歯止めが効かないわけではない。
でも、このチャンスを逃したら、二度と訪れないチャンスだと思えた。
私が、私の思うように、自由に残りの学校生活を過ごす為。

「そういえば、バイト始めたって言ってたけど、どこでしてるの?」

私が普段より積極的に質問を続けたせいか、理花子は少し間を置いた。

「えっと、いや、内緒」

尾田先生といるのを見られると困るからだろう。

「え、なんで?」

「だって、働いてるところ見られるの恥ずかしいじゃん」

理花子らしくない答え。
教室にはまだ二人きりだから、私は遠慮ない声量で言った。
もう私は、彼女に逆らえない私じゃない。
逆らえないとしても、せめて、流されて苦しむのはやめたい。

「まさか万引き、まだしてるの?」

理花子の表情が険しくなる。
怯えているようにも見える。

「してるわけないじゃん。あんなの子供の頃の遊びだったんだよ?」

結局理花子は、不機嫌になる。
私は怖くて、でも、止められなかった。

「なんであの時、私を誘ったの?」

怯まない私に、顔を引き攣らせている。
誰か教室に来ないかを気にしているようだった。

「だって、よく一緒に遊んでたし」

「私なら断らないと思って誘ったんじゃないの?断らないというより、断れないだろうって」

 モヤモヤはそれでもまだ、消えていなかった。
今までずっと、自分でも気付かないほどの奥底に溜まってしまっていたモヤモヤ。
モヤモヤは、どこか刺々しく、私の中に居座っている。

「そんなことないよ・・・」

理花子は今にも、仁井くんのところに逃げたい、みたいな顔をする。
こういう顔が、男心をくすぐるのだろうか。
仁井くんは、彼女のこういう、普段見せない弱い姿が好きなのかもしれない。
確かに、普段は強気なのに、自分だけに弱い姿、表情を見せられたらたまらないと思う気がする。

「ごめん。なんか、進路のこと色々迷ってて。気が立ってた。ごめん」

私は席を立ち、教室を出た。
罪悪感が凄い。
今すぐ司に会いたい。
私を好きだと言ってくれる司に、会いたい。
でもその前に、この勢いのままやるべきことがある。


「おはよ」

廊下で白瀬ちゃんが声を掛けてくる。
学年一の美女らしい、甘い香りが漂う。

「おはよう、白瀬ちゃん」

それだけ言うと、私は止まることなく、廊下を進んだ。
速い。
私は速歩きが好きだ。
速歩きしている方が、気持ちも楽だ。


「失礼します」

今が朝の会議だということを分かっていても、止まる発想はなかった。
私は堂々と職員室の扉を開く。
尾田先生以外の先生がこっちを見た。
予想通りだった。
ドアが開いても、誰が入ってきたかすぐには確認しない、野次馬ではないタイプ。
ある意味危機管理能力が低いとも言えるが、私は尾田先生がそういうタイプだと思っていた。
仁井くんもそうだった。
授業中に後ろのドアが開く音がしたら、ほとんどの生徒は躊躇いなくドアの方を見る。
でも仁井くんは、少ししてからそっちを見る。
もしくは見ることさえしない。
そういうのも好きだった。
人と違うところが良いという話だ。
尾田先生もそれに該当した。
 それが、私が尾田先生を尾行した大きな理由かもしれない。
そんな大人の悲しい表情を見てしまえば、気にならないわけがない。
そんな大人が理花子と二人で会っているとなれば、その会話に私の名前が登場したのなら、聞かないわけにはいかない。

「今、会議中なんだが」

先生の一人が戸惑いながらそう言う。

「尾田先生にお話がありまして」

そこでようやく先生はこっちを見た。
私を認めた時、やっぱり悲しみの表情が溢れた。

「それは緊急なのかな?」

尾田先生ではない先生が私に聞く。

「はい。緊急です。尾田先生でないと対応できないので」

尾田先生をまた、他の先生の敵にしてしまう発言ではあったが、今の私は刺々しいモヤモヤのせいでそれ以外に思い付かなかった。
修学旅行の時、尾田先生が私をホテル待機にしたこともあり、怪しい視線を向ける先生もいる。
あの噂も知っているのかもしれない。

「お願いします」

私が頭を下げると、尾田先生がこっちに来た。

「どうした?」

「ちょっと、話を聞いてほしくて・・・」

尾田先生は、鍵を一つ取ると、

「すみません。ちょっと抜けます」

と先生達に言い残し、職員室を出た。
私は頭を下げ、先生について行く。
先生は相変わらずゆっくり歩いた。

 視聴覚室の鍵を開け、中に入る。
朝の光で眩しかった。

「やっぱり山村は、突拍子もないところが魅力だな」

先生は笑った。

「それ、修学旅行の時にも言ってましたよね。確か、もし私が修学旅行の途中で帰ったら、その理由を両親に何と言うか、と聞かれた時」

「ああ、そうだったな。山村は、好きな人ができたって伝えるって答えた」

「確かに、突拍子もないですね。というか、破茶滅茶な解答ですよね」

「そうだな」

「そこに疑問があるんです」

尾田先生は、私から視線を反らした。
自分の失言を探すかのように。

「疑問?」

「一年の時、先生は私の担任でした。担任じゃなくなっても、今も授業で週二回は会っています。でも、関わりはほとんどなかった。最低限の話しかしたことがありませんでした。修学旅行までは」

先生は何も言わない。

「それなのに私に突拍子もないところが魅力だって。まるで私に詳しいみたいに」

「そういう意味はなかったんだけどな。修学旅行の時の、その発言に対して言っただけだよ。それに、担任なら、生徒の行動が目につくし、気に掛けるものなんだよ」

「そうですか」

悲しい表情の理由。
それを知りたい。
それを知ったところで、仁井くんへの想いを本当のゼロにできるわけでも、理花子に一緒にいたくないと言えるわけでもない。
司と別れるわけでも、白瀬ちゃんに理花子が嫌いだと伝えられるわけでもないと思う。
知ったって何も変わらないかもしれない。
それでも、知りたかった。
 あの修学旅行の夜。
仁井くんと過ごした時間。
それが、楽し過ぎた。
そのせいで、私は、変わってしまった。
楽し過ぎた。
眩し過ぎた。
幸せだった。

「山村、話って何だ?」

私は、ただ知りたい。

「先生、どうして悲しい顔で私を見るんですか?どうして理花子と学校の外で会っているんですか?」

 私は自分のことが分からない代わりに、先生のことを分かろうとしているのだろうか。
先生はまた、悲しい表情をした。
でもその中には、懐かしさや愛しさや、私の知らない、尾行しても知ることのできなかった、先生の姿が隠されていた。

「先生、私は何か一つ、本当を知ってみたいんです。自分の好きな人も、嫌いな人も、一緒にいたい人も、全部あやふやにしてきたから。誰かの真実を知ってみたいです」

尾田先生は、何か考えを巡らせているような様子で口を固く閉じ、視線を泳がせた。
そして次に私の目を見た時には、心を決めたようで、

「話せる相手ができて、僕も良かったかもしれない。話してもいいかな?」

と、どこか安堵しているような表情で、穏やかな声で私に聞いた。

 私は、朝にだけ感じられる空気の中、校内だけに漂うにおいの中、尾田先生が語り始めるのを待つ。
知りたいと思い、望んだことは結局、自分のことではなく、自分以外の誰かのことだった。
いつだって、そうだった。
誰かの気持ちが知りたくて、誰かが自分に向ける本音ばかりを知りたがっていた。
今私は、先生から語られる、先生の真実、物語を聞き、それを利用しようとしている。
自分の中のモヤモヤを消し、自分の感情に向き合う為のきっかけにしようとしている。

「はい。先生の話が聞きたいです」
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