28 / 76
あの日の
しおりを挟む優の引っ越しもあり週末はちょっと忙しかった
私は今週、理人の家から出勤した
今までバスに乗って通勤していたものが、徒歩5分で会社に到着してしまう
私と一緒に生活するようになった理人は
昼間私の居ない時間に仕事を片付けてくれて、夜は一緒に過ごして一緒に寝る
「9:00~17:00で仕事すると、あっという間に片付く」
と理人は言っていた…
今までは深夜とか、気が向いた時間に作業をしていたのだろう
それが昼間に固定されて、返ってストレスにならなければいいけど、という心配もある
それから友人や仕事仲間からのお誘い等は気にせず出かけるように、と伝えてある
私も気分で百海と「今日飲むか…」ってなるし、家で一緒にいるのだから離れる時間は絶対に必要なものだと思う
仕事の帰りには理人が迎えに来て、一緒に買い物をして帰ることもある
優のご飯問題に関しては
優の分のご飯をお弁当にして優の部屋の冷蔵庫に入れておき
そこで前日の弁当箱を回収する、といったサイクルに落ち着いた
もちろんご飯を作らない日には「今日は無いよ」とメッセージを入れる
その優も、仕事をしながらの勉強に慣れてきたようで「ガチで楽しい」と言っている
父や母からも優のことで久々に連絡が来たりした
両親は優から「姉ちゃんは彼氏の部屋に行った」と聞かされたのだろう
そのうち私たちにも紹介してね、と言われてしまった
そこで改めて考える
私は理人のことをどう受け止めているのか…
今週ずっと一緒に生活をした中では、なんの違和感も無く一緒に居られた
理人が私にいいように考えてくれているのも、それを気にさせないように振る舞ってくれているのも知っている
でもそれはきっと、ずっと前からそうしてくれていたのだと思う
自分がどこか認めたくないと意地を張っていただけで
もうとっくに「好き」になっているのだと、仕事中理人と離れている時間にそう気が付いた
私は今日、理人にあるお願いをしてあった
仕事の途中で「大丈夫だったよ(ピース)」というメッセージが来た
本当に私のただの我儘なのに、こうして付き合ってくれるのが理人なのだ
仕事が終わると今日は真っ直ぐ理人の部屋に帰る
「ただいまぁ~」
と玄関をあがると、理人が洗面所から「おかえり」と顔を出す
パンツいっちょで歩く姿も今となっては可愛いもんだ
私は部屋着に着替え、ベランダでのんびり煙草を吸う
ちょっとするとコーヒーカップを持った理人がベランダに現れる
「はい、お待ち~」
と、すっかり私にラテを入れる係だ
簡単に作ったもので軽い夕飯を済ませると、2人で着るものを選ぶ
「私、これにしようかな」
「…じゃあ俺、この色ならそれに合う?」
「ん~、これは?」
20:50になると、2人で家を出た
腕を組み、理人は私をエスコートして駅の方へ歩く
理人と出かける先は、駅前にあるシティホテルだ
フロントへ寄りそのまま上の階のラウンジへと向かう
ラウンジのスタッフに通されたのは、窓際の景色を一望できる席だった
ライトアップされたタワーと周囲のビル群、という夜景を独占できる
天下を取ったような景色を眺めていると、すぐにワインのボトルが用意された
グラスにワインを注いでもらい受け取ると
「じゃあ、再びってことで乾杯ね」
私は黙ってグラスを合わせた
理人には「あの日」と同じ部屋を用意してもらったのだ
私が急に言い出したから「空いてなかったら次回」ということで確認してもらったのだが、ラッキーなことに空いていた
「…そろそろ部屋に行こうか」
ワインのボトルも空いたところで、理人に手を引かれラウンジを後にした
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
【R18】定時過ぎたら下克上!〜イケメン新入社員はバリキャリ女子を溺愛したい〜
染野
恋愛
化粧品メーカーの企画営業職として働く中里明希のもとに、ある日アシスタントとして新入社員の立岡純がやってきた。やる気と元気は充分、しかし天然で空回り気味の彼に不安を覚える明希だったが、だんだんと成長していく純を好ましく思うようになり……?
純度100パーセントだと思っていた後輩男子に、定時過ぎたら形勢逆転される話。
【R18】年下ワンコくんによる調教記録
サラダ菜
恋愛
【年下腹黒ワンコくん×年上鬼上司】
28歳という若さで副部長の肩書きを持つ小笠原環(おがさわらたまき)は、仕事はできるが鋭い目つきと容赦ない発言で周りから恐れられていた。そんな彼女に無謀にも近づいたのは、コミュ力MAXイケメン新入社員の犬飼日向(いぬかいひなた)。
環をお昼に誘い周りから英雄視される犬飼だが、彼でさえ『鬼の副部長』を好感度を上げることは難しく、逆に嫌われてしまう。
ある日、職場の飲み会でお酒を飲む環を目撃し悪知恵が働いた犬飼は―――
※R18シーンには※マークをつけています。前半エロエロ後半じれじれ。
※最終的にはハッピーエンドですが女の子が可哀想な場面も多々あるため、なんでもOKの方のみご覧ください。
※表紙は那由多ふ可思議様に描いていただきました。
【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。
千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。
風月学園女子寮。
私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…!
R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。
おすすめする人
・百合/GL/ガールズラブが好きな人
・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人
・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人
※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。
※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
【女性向けR18】性なる教師と溺れる
タチバナ
恋愛
教師が性に溺れる物語。
恋愛要素やエロに至るまでの話多めの女性向け官能小説です。
教師がやらしいことをしても罪に問われづらい世界線の話です。
オムニバス形式になると思います。
全て未発表作品です。
エロのお供になりますと幸いです。
しばらく学校に出入りしていないので学校の設定はでたらめです。
完全架空の学校と先生をどうぞ温かく見守りくださいませ。
完全に趣味&自己満小説です。←重要です。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
婚姻届の罠に落ちたら【完結保障・毎日投稿】
神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
年下の彼は有無を言わさず強引に追い詰めてきて――
中途採用で就社した『杏子(きょうこ)』の前に突如現れた海外帰りの営業職。
そのうちの一人は、高校まで杏子をいじめていた年下の幼馴染だった。
幼馴染の『晴(はる)』は過去に書いた婚姻届をちらつかせ
彼氏ができたら破棄するが、そうじゃなきゃ俺のものになれと迫ってきて……。
恋愛下手な地味女子×ぐいぐいせまってくる幼馴染
オフィスで繰り広げられる
溺愛系じれじれこじらせラブコメ。
内容が無理な人はそっと閉じてネガティヴコメントは控えてください、お願いしますm(_ _)m
◆レーティングマークは念のためです。
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆アルファポリスさん/エブリスタさん/カクヨムさん/なろうさんで掲載してます。
〇構想執筆:2020年、改稿投稿:2024年
【R18】カッコウは夜、羽ばたく 〜従姉と従弟の托卵秘事〜
船橋ひろみ
恋愛
【エロシーンには※印がついています】
お急ぎの方や濃厚なエロシーンが見たい方はタイトルに「※」がついている話をどうぞ。読者の皆様のお気に入りのお楽しみシーンを見つけてくださいね。
表紙、挿絵はAIイラストをベースに私が加工しています。著作権は私に帰属します。
【ストーリー】
見覚えのあるレインコート。鎌ヶ谷翔太の胸が高鳴る。
会社を半休で抜け出した平日午後。雨がそぼ降る駅で待ち合わせたのは、従姉の人妻、藤沢あかねだった。
手をつないで歩きだす二人には、翔太は恋人と、あかねは夫との、それぞれ愛の暮らしと違う『もう一つの愛の暮らし』がある。
親族同士の結ばれないが離れがたい、二人だけのひそやかな関係。そして、会うたびにさらけだす『むき出しの欲望』は、お互いをますます離れがたくする。
いつまで二人だけの関係を続けられるか、という不安と、従姉への抑えきれない愛情を抱えながら、翔太はあかねを抱き寄せる……
托卵人妻と従弟の青年の、抜け出すことができない愛の関係を描いた物語。
◆登場人物
・ 鎌ヶ谷翔太(26) パルサーソリューションズ勤務の営業マン
・ 藤沢あかね(29) 三和ケミカル勤務の経営企画員
・ 八幡栞 (28) パルサーソリューションズ勤務の業務管理部員。翔太の彼女
・ 藤沢茂 (34) シャインメディカル医療機器勤務の経理マン。あかねの夫。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる