純粋な下心

さいこ

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不細工

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 泉さんと会った頃だったか…
 マスターと瀧さんがお付き合いをしていると聞かされた

 べつに改めてそんなこと言われなくたって
 今までだってマスターも瀧さんも「好き好き」ってハートが飛んでたんだから分かったって…
 あの2人を見ていると素敵な時間を過ごしているんだと分かる
 
 本当に好きな人と一緒に居られるってことは、そういうことなのだろう 



 まぁあの2人は大人ですからね
 俺みたいに遊びたい盛りの小僧とは世界が違っているのかもしれない

 俺もマスターにあやかって同じマンションに引っ越しちゃおうかな
 あの人の大人の余裕とか、男の色気とか、カウンターから空間を支配するあの感じ…ほんとかっこいいよなぁ…

 俺なんか「アイドル」とかいって面白がられてさ、俺を見物に来た女子に適当に話合わせて…
 まぁそれでもマスターが喜んでくれるからいいけどねぇ~


 
 0:00をまわり、バーをあがってからコンビニに寄り自転車で部屋に帰る
 エレベーターを5階で降りる

 鍵、鍵っと…ポケットに手を突っ込み鍵を取り出す


 と、通路の途中に人が座り込んでいた
 
 え…と、あそこら辺俺の部屋あたりじゃない?ヤバ…


 足音を殺して少しづつ近寄ってみる

 
 …あれ?あのピンク髪…泉さん…?!


 俺は慌てて駆け寄った

 「泉さん?!なんでこんなとこに座ってんの…?」

 泉さんは俺を見ると、目にいっぱいの涙を湛えて

 「ごめんなさい…」

 と、消え入りそうな声で言った



 ひとまず部屋にあがってもらった
 深夜の冷える中で…いつから座ってたんだろう

 俺の部屋には酒以外ろくなもんが無い
 でも温かいもの(酒)は用意できます

 俺はアイリッシュコーヒーを用意した

 「泉さん、あったまるからこれ飲んで…」

  

 「…美味しい」

 温かいアルコールを飲んでくれれば少しは冷えた体もマシになると思った
 
 泉さんは珍しくちょっと厚手の上着を着ていた
 夜になってから俺のところへ…わざわざ出てきたのかな?

 連絡でもくれたら待たせなかったのに


 …こんなときになんだけど、めっちゃ短いショーパンから伸びた脚がキレイ!!!

 いやもう俺ほんと終わってるよ
 いかなる時もこうして下心が働いちゃう俺の脳が悪い


 だけどこうして泉さんの顔を見られて良かった
 結局…2週間くらいは会えてなかった?

 突然会えなくなったと思ったら、こうして突然会いに来るんだから…

 
 「…怒ってる?」

 少し落ち着いたのか、泉さんがそう聞いた

 「なんで俺が怒るの…怒ってないです」

 「連絡もしなくてごめん」

 「…うん」

 
 泉さんは俺が怒ってると思ってるけど、なにに?
 俺はあの時、泉さんが怒って部屋を出て行ったと思ってるよ


 「おかわり作ろうか…」

 そう声をかけると首を横に振った

 「これに入ってたお酒、なに?」

 「ウイスキーだけど…」

 「じゃあここに、ウイスキーをストレートで」

 と、アイリッシュコーヒーが空いたカップを俺に渡した


 別のグラスにウイスキーと一応チェイサーも用意した

 「ありがとう」

 泉さんはそう言って舐める程度にウイスキーに口をつけた

 

 「話があって来たけど、波多野さんの顔を見たら…どうしていいか分かんなくなっちゃった…」

 俺を見たら迷っちゃった感じね…
 じゃあ先に、俺の話をします

 「俺もね、迷ってることがあったんだけど、泉さんの顔を見たら吹っ飛んだよ…」

 俺は泉さんを怒らせちゃったという気持ちで過ごしていたけど
 今、彼女の顔を見て、俺のことを正直に話したいと思った

 俺は泉さんに負けたんだ…


 「それ…聞いてもいいの?」

 泉さんはまた、ウイスキーをひと口飲んだ
 

 「泉さんの指南役を受けたでしょ、それはじゃないよ」

 「…下心?」

 「そうだね…泉さんタイプだったし、セックス出来るかなって…馬鹿だよね、ほんと」

 

 「…じゃあなんでずっと、しなかったの?」

 「それは泉さんがすごい真剣でさ、なんか…そういう汚い気持ちで、手を出したくなくなっちゃったから」
 
 
 そんな、真っ直ぐでポヤポヤしてて抜けてる泉さんと一緒に居るのが心地よくなっちゃったんだ


 「俺ね、泉さんのことが好きになっちゃったんだと思う…」


 言った…

 俺の今の素直な気持ちは言った…
   
 あとは野となれ山となれ…


 
 彼女に伝われと、目を見て告白をした
 

 「…ふぇ~~…」

 泉さんは変な声を出して不細工な顔で泣きだした


 「ちょ!すごい顔!!www」

 俺はティッシュの箱を持って泉さんの所へ行った


 「ほら、もう…不細工になってるってぇ…」

 そう言って、雑に何枚も引っ張り出したティッシュを手渡した

 「ひどいぃ…うぅ…すぐそういうこと…う~…」


 「もう…よいしょ、っと」

 俺は泉さんを抱えてソファーに座った


 「抱っこしててあげるから、泣かないでよ」

 しばらく触れていなかった泉さんの体温に、また触れられたことに少し安心した
 そうしてしばらく抱きしめていると泉さんは落ち着いた



 「波多野さん、私も話がある…」

 はい、もう飛び降りる準備は出来てます、いつでもどうぞ…



 「ちゃんとセックスしたい…」


 …え?

 ごめんなさい、じゃなくて??


 「…慣れてる人にするみたいに、ちゃんと波多野さんのセックス…して欲しい」

 
 俺は頭がクラクラした

 せっかくのチャンスだということは分かってるけど、今俺は急激に緊張に襲われています…

 
 「嫌だったらちゃんと断ってほしい…」

 泉さんはそう言ってグラスに残ったウイスキーをひと口で飲んだ


 「…俺の話聞いてた?誰が…嫌だって?」
  
 
 俺は彼女をソファーに押し倒して
   熱に任せてキスをした

 「…ん…」

 泉さんにキスを教えたのは俺だ
 なのに、なんでこんなにこっちが緊張しなきゃいけないんだ…

 泉さんが気持ち良い胸の先に触れる

 「…んんっ!…あっ…」

 今日は声、我慢しないんだ…えろ…


 そのうち泉さんが履いているショーパンの隙間から指を忍ばせた
   
 ビッショビショじゃん…くっそ!
   泉さんのえっち!!

 もう俺は優しく出来ないかもしれない…と正気を失いかけた


 泉さんの着ていたものを全部床に投げた
 そして、俺も全部脱いだ…

 泉さんを抱っこして確認する

 「…怖くない?」

 泉さんは真っ赤な顔で

 「怖くない」

 と言った



 心臓が飛び出そうになりながら
 俺に跨った泉さんのソコへ…俺のソレを…ねじ込んだ…

 「…………!」


 泉さん…気持ち良い…


 俺はゆっくりと腰を動かす


 「はぁっ…ぁっ…ん…」


 下から突き上げられて泉さんは俺に体重を預けた
 俺はその体を抱きしめてキスをする

 あんまり乱暴にして怖がらせたくはない…
 でも…

 徐々に動きが強めになっちゃうのは…許して!怖くないから…!!
 
 
 「ん…気持ちいい…泉さん…!」

 俺は意識がぶっ飛びそうになる
 会えなくてずっとお預けをさせられてたんだから…

 「…あぁっ!波多野さん、いやぁっっ…!」

 泉さんの体が大きく仰け反って痙攣する
 俺もそこで一緒に、頭が真っ白になった…



 泉さん…

 俺、こうして泉さんと一緒に居たいよ…
 
 

 
 







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