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Love
しおりを挟むそれから瀧は仕事が終わると俺の部屋に帰るようになった
少しづつ瀧の物が俺の部屋に増える
俺はその物たちが自然に収まるようにこっそりと自分の物を片付けている…
ただ、仕事終わりに店に来て俺が終わるのを待つのはやめて欲しい
そんな時間があったら風呂でも入って先に寝てろって…
俺はお前の睡眠時間が心配だよ…
~♪~~♪♪♪~♪~…
…なんだ?
瀧の電話か?
「…あ、俺の、アラー…ム…」
ちゃんとアラームをかけてたのはえらい
しかし時間を見れば10:00だ、なんでこんな半端な時間に?まさか間違えてんじゃねぇよな
「おい、こんな時間で大丈夫なのかよ?」
今にも二度寝しそうな瀧に確認した
「…ごめん、起こしちゃったね」
俺に早起きをさせたと申し訳なさそうにする瀧
「今日は夜、金持ちのパーティーで仕事があってさ…」
どこぞの御曹司のお支度係で湾岸エリアの会場に呼ばれているそうだ
・午後イチで事務所に行き内容の最終確認を済ませる
・衣装や道具のチェックをして車に積み込み
・リスク回避のため早い時間に現地に到着する
・夕方には現場に入って指定された控え室で待機
・御曹司が到着次第お支度をする
・パーティー開始以降はお色直し等のため会場内にて過ごす
…という流れのようだ
「ケツの時間決まってるの?」
「会自体は0:00に終わる予定、でもラッキーなら早く帰れるかもしれない!」
そうか…
こう言ってはなんだが、労働時間ヤバない?
午後イチ~深夜0:00って…12時間労働…
まぁ間に休憩の時間が多いんだろうけどさ
「今日はここに…帰ってくんのかよ?」
「…どうしたの?帰るに決まってるでしょ」
瀧は俺を優しく抱きしめた
こうしてお前の心音が聞こえる距離にずっと居たいなぁ…
「なぁ、瀧…」
「ん~?」
「ここに越してこいよ」
「…………!!!!!」
ドッドッドッドッドッ……
おい、心音めちゃくちゃ速くなってんじゃねぇか!倒れんなよ、まったく
「そ、そんな、ほほ、ホントに?言ってる?」
「俺の手の届くとこに居てよ…」
「…っ!仕事行きたくねぇなぁー!!」
そうしてしばらくチュッチュして朝の幸せタイムが過ぎた
瀧は支度をすると「行ってきま~す!」と元気に出て行った
スーツケースのゴロゴロという地面を転がる音が、遠く離れて聞こえなくなるまで耳をすました…
さて、俺も二度寝という気分でも無くなってしまった
夕方になり俺は買い出しに出た
食材を見ていると…出た、藤原だ…
「あ、一条さんも買い出しです?」
…だからそれ以外に何の用があるっていうんだ
「お前、そういえばこないだの女どうした?」
「あ!それが~、すっかり連絡来なくなったんですよ~!助かったぁ~」
「…もうちょっとマシな遊び方しろよ」
「うぃす!お疲れ様でぇーす!」
俺は自分の買い物を済ませ店を後にした
まったく、藤原のせいで一悶着あったんだよこっちは…
店に到着すると仕事のスイッチが入る
バックバーを美しくキープするのが趣味と言ってもいいような域に達してるな俺は
そしていつも通りに店を開けた
…店内に人が多い時間は手が空いた一瞬で裏へ回りトイレを済ませる
「裏行ってくる」
波多野に声をかけて裏へ回った
スマホを見ると滝からのメッセージがあった
なにやらトラブルがあって早めに仕事を切り上げるとのことだった、送信された時間は10:30…
予定より早くて良かったじゃねぇか
俺もホクホクしてカウンターに戻った
バタバタと動いて11:00を過ぎた頃
カランコロン…
「いらっしゃいませ」
あ、瀧が帰って…
いや瀧と一緒に女性が入ってきた
「こちらへどうぞ…」
まぁ瀧は女は食わねぇだろうから、という謎の安心感があった
「一条さん、こいつ職場の後輩の泉です」
「泉です~、はじめまして」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
瀧が同じ物というので、いつものを2つ出した
2人は今日の現場の話をしていた
「…なんか、前の撮影会の時もちょっと気になったんですよねぇ~」
「そんときから彼女さん体調悪かったの?」
「いや悪いっていうか…何も一口も食べてなくって、あの長時間ですよ?」
「それは確かになぁ…」
トラブルとは誰かの体調不良のことだったのか
「理人さんも青い顔してましたもんねぇ…」
「まぁ心配だろうな、厄介な病気とかじゃないといいけど」
聞いた名前だなぁ…
どこぞの御曹司で名前は「理人」かよ
え、つまり彼女…慶ちゃんが体調不良、ってこと?
おい理人は大丈夫か…
今頃泣いてるんじゃないか?
そんな店内の会話を小耳に挟みつつチラホラと帰って行く客が出始めた
0:00だ、やっぱりこの時間だな…
「…じゃあ明日、車と荷物は俺が」
「はい、お願いしゃーす!」
瀧の後輩の女性も帰って行った
俺はキリのいい所で波多野もあがらせた
「…お前も上行って寝てろよ、眠いんだろ?」
俺は小声で瀧にそう言った
「おかわりください」
と瀧は言った
そうして最後の客が帰るまで店で粘った瀧
…どうしてだ
部屋に帰ると俺はキスのお強請りをした
「…んっ、はぁっ…ぁ…」
瀧の気持ちも自分の気持ちも確認できるような、そんな熱のあるキスが気持ちいい
「俺もう今日マジで仕事行きたくなかった!」
瀧が俺をぎゅっと抱きしめる
「俺も言いたいんだけどさ、もう仕事終わりに店に寄るのやめろよ…」
「えっ…なんで…?」
自分の仕事が終わってるのに、そこから俺の仕事が終わるまで付き合うのはおかしいだろ
そこは早く帰って寝てろ、っていうのと
「お前が居ると仕事に集中出来ない…から」
「…どゆこと?目障りって、こと?」
本当にこいつポンコツなんだなぁ~
俺は瀧の上に跨って、瀧のソレを刺激するようにゆっくり腰を動かした
「お前の顔見ちゃうと…こうして、気持ちいいことしたいってさ…考えちゃうからだよ」
「え、ちょっ…お店でそんな事…えっち!」
うるせぇ…
元々お前が先に手を出したんだろーが
俺の店でな
「一条さん…それヤバいぃ…!」
瀧はほんとに可愛い
俺は幸せだ…
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