41 / 61
第41話「久しぶりの恋」
しおりを挟む
6月の大学創立50周年イベントに向けての準備は少しずつ始まり、俺は徐々に一緒に出しものをするメンバーと打ち解けていった。
そして、俺はその中でも渡部さんとよく話すようになった。
渡部さんと話しているとやっぱり、美香と一緒にいた時のような雰囲気を感じて、俺は何だかとても居心地が良かった。
「本田、もしかして、お前、渡部のこと好きになった?」
瀬戸が大学の授業が終わって、一緒に駅まで帰っている時に言った。
「え?」
俺は瀬戸のその言葉に驚く。
「何だ。もしかして自覚ない?」
瀬戸の方も驚いたような顔をして言った。
「いや、だって」
「だって何? お前さ渡部と話してる時、楽しいだろ?」
「え? ああ、うん。何か居心地がいい」
「だろ? それってさ渡部のこと好きってことじゃないの?」
瀬戸の言葉に俺はまた黙ってしまった。
だけど、そうか。そうなのかもしれないともすぐに思った。
だって、美香と一緒にいた時のような雰囲気を感じるということは俺にとってそれは好きという対象になり得るから。
俺は美香と別れてからもう当分は恋はしたくないと思ったし、美香のことをきっと忘れられないだろうとも思った。
でも。確かに今、瀬戸が俺に言ったように渡部と話してると楽しいし、最近は渡部が少し離れたところにいると目で追ってしまっている自分がいるような気もしていた。
「瀬戸、そっか。うん、俺、渡部が好きなのかも」
俺がそう言うと瀬戸は、ははっと笑って、
「好きなのかもじゃなくて、好きなんだろ。でも、良かったよ。だったら、お前、もう美香ちゃんのことふっきれるよな。まあ、渡部とこれから先どうなるかは解らないけど、でも、お前が新しい恋に踏み出せたのは凄くいいことだから」
俺は瀬戸のその言葉に瀬戸の暖かさを感じて、
「うん、ありがとう。そうだな。美香以外の誰かを好きになれるなんて俺も思ってなかったから、俺にとっては渡部に恋したことは凄い進歩なのかも」
そう言った。
すると瀬戸は真剣な顔をして、
「ああ。もうお前が2度と美香ちゃんと交わることはないって思ってるなら、新しい恋に踏み出した方が絶対に幸せになれるしな。俺、渡部に関しては協力するよ。渡部、確か今、フリーだし、俺から見ても渡部は凄くいい子だからな。ただし、もし、彼氏と彼女の関係になったら今度は絶対に泣かせるなよ」
そう言った。
だから、俺は大きくコクンと頷いた。
そして、俺はどうなるか解らないけど、せっかく沢山、話せるチャンスがある今、渡部に告白しようとこの時、決めた。
どんな結果になるかは解らないけど、そうすることで美香への想いに完全にサヨナラできるだろうという想いもあったから。
そして、俺はその中でも渡部さんとよく話すようになった。
渡部さんと話しているとやっぱり、美香と一緒にいた時のような雰囲気を感じて、俺は何だかとても居心地が良かった。
「本田、もしかして、お前、渡部のこと好きになった?」
瀬戸が大学の授業が終わって、一緒に駅まで帰っている時に言った。
「え?」
俺は瀬戸のその言葉に驚く。
「何だ。もしかして自覚ない?」
瀬戸の方も驚いたような顔をして言った。
「いや、だって」
「だって何? お前さ渡部と話してる時、楽しいだろ?」
「え? ああ、うん。何か居心地がいい」
「だろ? それってさ渡部のこと好きってことじゃないの?」
瀬戸の言葉に俺はまた黙ってしまった。
だけど、そうか。そうなのかもしれないともすぐに思った。
だって、美香と一緒にいた時のような雰囲気を感じるということは俺にとってそれは好きという対象になり得るから。
俺は美香と別れてからもう当分は恋はしたくないと思ったし、美香のことをきっと忘れられないだろうとも思った。
でも。確かに今、瀬戸が俺に言ったように渡部と話してると楽しいし、最近は渡部が少し離れたところにいると目で追ってしまっている自分がいるような気もしていた。
「瀬戸、そっか。うん、俺、渡部が好きなのかも」
俺がそう言うと瀬戸は、ははっと笑って、
「好きなのかもじゃなくて、好きなんだろ。でも、良かったよ。だったら、お前、もう美香ちゃんのことふっきれるよな。まあ、渡部とこれから先どうなるかは解らないけど、でも、お前が新しい恋に踏み出せたのは凄くいいことだから」
俺は瀬戸のその言葉に瀬戸の暖かさを感じて、
「うん、ありがとう。そうだな。美香以外の誰かを好きになれるなんて俺も思ってなかったから、俺にとっては渡部に恋したことは凄い進歩なのかも」
そう言った。
すると瀬戸は真剣な顔をして、
「ああ。もうお前が2度と美香ちゃんと交わることはないって思ってるなら、新しい恋に踏み出した方が絶対に幸せになれるしな。俺、渡部に関しては協力するよ。渡部、確か今、フリーだし、俺から見ても渡部は凄くいい子だからな。ただし、もし、彼氏と彼女の関係になったら今度は絶対に泣かせるなよ」
そう言った。
だから、俺は大きくコクンと頷いた。
そして、俺はどうなるか解らないけど、せっかく沢山、話せるチャンスがある今、渡部に告白しようとこの時、決めた。
どんな結果になるかは解らないけど、そうすることで美香への想いに完全にサヨナラできるだろうという想いもあったから。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
殿下!婚姻を無かった事にして下さい
ねむ太朗
恋愛
ミレリアが第一王子クロヴィスと結婚をして半年が経った。
最後に会ったのは二月前。今だに白い結婚のまま。
とうとうミレリアは婚姻の無効が成立するように奮闘することにした。
しかし、婚姻の無効が成立してから真実が明らかになり、ミレリアは後悔するのだった。
口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く
ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。
逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。
「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」
誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。
「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」
だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。
妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。
ご都合主義満載です!
夫の幼馴染が毎晩のように遊びにくる
ヘロディア
恋愛
数年前、主人公は結婚した。夫とは大学時代から知り合いで、五年ほど付き合った後に結婚を決めた。
正直結構ラブラブな方だと思っている。喧嘩の一つや二つはあるけれど、仲直りも早いし、お互いの嫌なところも受け入れられるくらいには愛しているつもりだ。
そう、あの女が私の前に立ちはだかるまでは…
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
結局夫を元カノに奪われるんだったら、結婚なんてしなければよかった
ヘロディア
恋愛
夫には元カノがいる…
更に彼女はまだ夫のことを諦めていないため、ストーカー行為をやめない。
そんな悩みを抱えて不安になっていた主人公だったが、ある日、元カノから電話がかかってきた…
【完結】その約束は果たされる事はなく
かずき りり
恋愛
貴方を愛していました。
森の中で倒れていた青年を献身的に看病をした。
私は貴方を愛してしまいました。
貴方は迎えに来ると言っていたのに…叶わないだろうと思いながらも期待してしまって…
貴方を諦めることは出来そうもありません。
…さようなら…
-------
※ハッピーエンドではありません
※3話完結となります
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる