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第34話「疑問」
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浅川と再び恋人同士になって3ヶ月目に入った頃、浅川が俺に抱いてほしいと言い出した。
だけど、俺は浅川のことを思うとそんなことはまだしない方がいいんじゃないかと思った。
だからそう言うと浅川は、だからこそ抱いてほしいのだと言った。
俺に抱かれることで悪夢が忘れられるからと。
そう言われればもう何も言えなくて、じゃあ、次の土曜日に何処かに泊まろうかと言って、俺達は都内にあるまあまあ有名なホテルを予約することができたので、そこに2人で泊まることにした。
俺と浅川は土曜日、昼過ぎに会って、ランチをして、服屋を見たりして、早目の夕食を取った後にホテルに行った。
そして、部屋に入った俺達は荷物を整理した後、少し会話をして、それからお互いにシャワーを浴びて、すぐに抱きあった。
俺は浅川のことを思い、なるべく優しく嫌なことを思い出させないようにしようと思っていた。
だけど、意外と浅川はそんなに苦しむ様子もなく、俺に抱かれた。
1つになる時には少し緊張している感じはしたけど、でも、わりとすんなりと浅川は俺を受け入れた。
俺は正直、美香を忘れたわけではなかったけど、でも、今は浅川に優しくしてあげたいという想いから、浅川を抱くことができた。
抱きあった後、幸せとだけ言って浅川は疲れたのかすぐに眠りについた。
だけど、俺はそんな浅川に対して疑問が起きた。
勿論、全員が全員そうじゃないだろうけど、性的暴力を受けた女性はその後、その時のことを思い出したり、そういうこと自体、もう嫌だと拒否反応を示すと聞いた気がする。
そして、俺はそりゃそうだろうなと思う。
例えば俺がもし女性でそんな目にあったら、絶対にそうなると思う。
少なくともそんなすぐにはそういった行為はできないと思う。
だけど、浅川は少しは緊張していたけど、あまり怖がらずに俺に抱かれていた。
そんな浅川に対して俺はまさかと思う疑問を持ってしまう。
いや、俺と美香に対してあんなことをした浅川だから余計にそう思ってしまう。
もしかして、浅川は本当は性的暴力は受けていなかったんじゃないかと。
俺はそんなことを思った後、首を左右に振った。
いや、考えすぎだよな。浅川は俺にそばにいてくれなくてもいいよって言ってたし。
もしも、前のように俺を繋ぎとめるためにまた嘘をついているなら、きっとそばにいてくれなくていいよとは言わないだろうし。
俺はそう思いながら余計なことを考えるのはよそう。
そう思って自分も浅川の隣で眠りについた。
だけど、俺はやっぱり、そのことに対して疑問だったので、月曜日に瀬戸に食堂で一緒に昼飯を食べている時に土曜日に浅川とあったことを話してみた。
瀬戸は俺の話を聞き終わった後、一瞬、驚いた顔をしたけど、その後、何故か口に運ぼうとしていた唐揚げを箸で持ったまま溜息を吐いて、
「お前さ、やっぱり、また浅川に騙されたんじゃないの」
そう言った。
だけど、俺は浅川のことを思うとそんなことはまだしない方がいいんじゃないかと思った。
だからそう言うと浅川は、だからこそ抱いてほしいのだと言った。
俺に抱かれることで悪夢が忘れられるからと。
そう言われればもう何も言えなくて、じゃあ、次の土曜日に何処かに泊まろうかと言って、俺達は都内にあるまあまあ有名なホテルを予約することができたので、そこに2人で泊まることにした。
俺と浅川は土曜日、昼過ぎに会って、ランチをして、服屋を見たりして、早目の夕食を取った後にホテルに行った。
そして、部屋に入った俺達は荷物を整理した後、少し会話をして、それからお互いにシャワーを浴びて、すぐに抱きあった。
俺は浅川のことを思い、なるべく優しく嫌なことを思い出させないようにしようと思っていた。
だけど、意外と浅川はそんなに苦しむ様子もなく、俺に抱かれた。
1つになる時には少し緊張している感じはしたけど、でも、わりとすんなりと浅川は俺を受け入れた。
俺は正直、美香を忘れたわけではなかったけど、でも、今は浅川に優しくしてあげたいという想いから、浅川を抱くことができた。
抱きあった後、幸せとだけ言って浅川は疲れたのかすぐに眠りについた。
だけど、俺はそんな浅川に対して疑問が起きた。
勿論、全員が全員そうじゃないだろうけど、性的暴力を受けた女性はその後、その時のことを思い出したり、そういうこと自体、もう嫌だと拒否反応を示すと聞いた気がする。
そして、俺はそりゃそうだろうなと思う。
例えば俺がもし女性でそんな目にあったら、絶対にそうなると思う。
少なくともそんなすぐにはそういった行為はできないと思う。
だけど、浅川は少しは緊張していたけど、あまり怖がらずに俺に抱かれていた。
そんな浅川に対して俺はまさかと思う疑問を持ってしまう。
いや、俺と美香に対してあんなことをした浅川だから余計にそう思ってしまう。
もしかして、浅川は本当は性的暴力は受けていなかったんじゃないかと。
俺はそんなことを思った後、首を左右に振った。
いや、考えすぎだよな。浅川は俺にそばにいてくれなくてもいいよって言ってたし。
もしも、前のように俺を繋ぎとめるためにまた嘘をついているなら、きっとそばにいてくれなくていいよとは言わないだろうし。
俺はそう思いながら余計なことを考えるのはよそう。
そう思って自分も浅川の隣で眠りについた。
だけど、俺はやっぱり、そのことに対して疑問だったので、月曜日に瀬戸に食堂で一緒に昼飯を食べている時に土曜日に浅川とあったことを話してみた。
瀬戸は俺の話を聞き終わった後、一瞬、驚いた顔をしたけど、その後、何故か口に運ぼうとしていた唐揚げを箸で持ったまま溜息を吐いて、
「お前さ、やっぱり、また浅川に騙されたんじゃないの」
そう言った。
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