「伝説を超える時」

愛理

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番外編「辿り着きたい場所を探しに」(クラウス篇)

第2話「新しい自分を探す旅へ」

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  クラウスが両親に自分探しの旅に出たいと言ってから、3日後になった。
  クラウスは今、両親とスカイ国の長老に見送られて、暫くの間、このスカイ国から旅立つところだった。
「クラウス、焦らなくていいから、お前が本当にしたいことを見つけるまで旅を満喫しておいで」
  クラウスの父親が言った。
「うん、ありがとう。そうするよ」
「クラウス、でも、あまり無茶はしないでね」
  クラウスの母親はそう言いクラウスを抱きしめた。
  だから、クラウスも母親を抱きしめ返す。
「ああ、母さん、大丈夫だよ。ありがとう」
「クラウス、お前は心身ともに強い子だから、大丈夫だろうが念のため、これを持っていきなさい」
  長老はそう言いクラウスに綺麗な青色をした小さな石を渡した。
「これは?」
「この石は自分ではどうしようもないことが起こった時に力を貸してくれる、そんな石じゃ」
  長老は優しい顔でそう言った。
「凄い石なんだな……」
  クラウスがそう言うと長老はふっと笑って、
「じゃが、さすがに世界を救うとまではいかんがな。だから、クラウスやファル、ラウル、リンナ、お前達、勇者に救ってもらったんじゃ」
  長老がそう言った後、クラウスは4人同じ目的を持ちながら旅をしていたことを鮮明に思い出した。
  この間、結婚式で会って、3人の目的を聞いて、自分もそんな目的を持ちたいと思ったわけだけど……。
  クラウスは何だかまた3人に会いたくなった。
  そして、できればもう少しゆっくりと1人1人と話してみたいと思った。
  リンナは定期的にスカイ国に来るけれど、両親とやはり多くの時間を過ごしてしまうし、後の2人に至っては、やはり、中々、スカイ国に定期的に帰ってくるというのは難しいみたいで、自分がスカイ国にいる限り、皆とゆっくり話す時間がないから。
  だから、クラウスは、
「俺、とりあえず最初はファル、ラウル、リンナの順に会いに行ってきます。そして、1人1人とできたらゆっくり話してきます」
  そう言った。
  するとクラウスの両親と長老は優しく微笑んだ後、コクンと大きく頷き、その後、クラウスを暖かく見送ってくれた。
  そして、クラウスはまず一番最初にファルが暮らしているリンドン村に向かうことにした。
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