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第3章「闇の街」

第1話「次の目的」

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 虹の街に戻った4人は、宿を取った後、荷物を置いて、とりあえず腹ごしらえをすることにした。
 そして、今、4人はレストランにいた。
 4人とも、闘った後でもの凄くお腹が空いていたので、ステーキセットを頼み、心を除く3人は凄い勢いで食べていた。
「でもさ勇気は凄かったよな。それに男の俺から見ても凄いカッコ良かった」
 功がもう残り少ないステーキを口に入れかけながら言った。
「……うん、でも、俺、本当に何であんなことできたんだろうって今でも凄い不思議なんだよな」
 勇気がステーキセットについていたサラダをフォークでつつきながら言った。
「それは黒い山でも言いましたが、これから目的を果たしていくうちに解っていくことだと思います」
 守が言う。
「あ、そういえばさ俺、思ったんだけど、前は守も心も皆のことさんづけで呼んでたのに闘ってる時は呼び捨てにしてたよな」
 功がそう言ったので、守と心は思わず顔を見合わせた。
「そうだったんでしょうか。私、闘いに夢中になっていて何も覚えていないのですが……すいません」
 心が言った。
「いや、謝ることじゃないから。むしろ俺は呼び捨ての方が嬉しいし。何か本当に仲間って気がするし。だから、これからも、お前ら2人は皆のこと名前を呼ぶ時は下の名前で呼び捨てにしろよな」
 功が言う。
 功のその言葉に守と心は何処か遠慮がちに頷いた。
「ところで守、お前は次の試練は休んだ後でって言ったけど、俺、今、次の試練が知りたくて仕方ないんだけど」
 功が言った。
「あ、それは俺も。それに早く聞いておいた方が心の準備もできるしさ」
 勇気が言った。
 守はそんな2人にコクンと頷いて、
「解りました。では、もう次の試練のことをお伝えします。次の試練は闇の街と呼ばれる街を綺麗な街にすることです」
 そう言った。
「闇の街?」
 勇気が何だそれといったような口調で言う。
「はい。闇の街はこの虹の街から、黒い山とは全く正反対の方向にあります。その闇の街は名前の通り、真っ暗な街で住んでいる人の心も荒みまくっています。そして、その街を綺麗にすることにより、街に住んでいる人の心も綺麗にできて、また、そうすることにより黒い心の力も弱まります」
「そうなんだ。でもさ、ずっと不思議だったんだけど、俺達は地球のことを救わなきゃいけないのに黒い山もそうだけど、何で地球の外にある場所を綺麗にしたりしなきゃいけないわけ?」
 功が本当に疑問をもっているといった感じで言った。
「はい。それは黒い山が異空間にあると言いましたが、黒い街もその同じ空間にあります。そして、その空間は地球の人の闇の心の部分でできたものなので、地球を元に戻すにはその異空間にある場所を全て綺麗にしなければならないのです」
 守が功の方を見ながら言った。
「だったら、いっそのこと全部、破壊するってわけにはいかないのかよ?」
 功が言った。
「はい。破壊してしまえば地球も破壊することになります。今は黒い山などがある異空間と地球は同じものなので。だから、異空間が全て綺麗になれば地球は元に戻り、その異空間はもうそこに存在する必要はないので、自然消滅をする流れとなるはずです」
「そうなんだ……じゃあ、早速、明日、その闇の街へ向かおう。でも、その街を綺麗にする方法は解ってるの?」
 勇気が言った。
「いえ……それが黒い山のようにボスを倒せばいいというようなことではないのです。ただ、必ず街を綺麗にする方法はあるはずです。例えその街の人の心が荒みまくっていたとしても、話を聞いて、根気良く情報を集めるしかないんだと思います」
「大変そうだけど、まあ、何とかなるだろ。頑張ろう」
 功が言い、他の3人は笑顔で頷いた。
 そして、4人は明日の早朝に闇の街へと向かうことにした。
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