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第18話「衝撃の事実」
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「え? 今、何て言ったの」
私は少しの間、お母さんの言ったことが理解できなかったけど、その後、今、お母さんが言ったことは聞き間違いかもしれないと思い、私はお母さんにそう聞いた。
「だから、あの子……陸人くんは雅人を殺したって言ったのよ」
雅人は私の3歳違いの弟だった。
明るくて、素直で純粋で優しい子で、大好きな弟だった。
だけど、雅人は数年前に車に轢かれて、意識不明の重体になり、そのまま目を1度も覚ますことなく帰らぬ人になってしまった。
「嘘」
ただ、私は雅人を車で轢いた人のことは全く知らなかった。
雅人の事故は色々と不運が重なって起きたものらしく、相手の人は罪に問われることがなかったし、お母さんがその当時、私に雅人のことを車で轢いた人のことは知らない方がいい。知ったら、余計に許せない気持ちを抱いて、亜美が苦しくなるからと言ったから。
そんなお母さんが今、雅人を車で轢いたのは陸人だと私に言った。
私はお母さんをじっと見つめる。
お母さんはそんな私を見て、
「嘘じゃないわ。ただ、私は亜美にこのことは一生言うつもりはなかった。だって、亜美は本当に陸人くんのことが好きだったから。このことを知ったら、亜美が凄く苦しむと思ったから。ただ、この前、亜美が陸人くんと仕事のことで再会したって聞いて、不安になったけど、その時はもう亜美が陸人くんとは会うことはないって言ってたから、お母さんはそれならまあ、いいわと思って安心してた」
「お母さん……」
「でも、昨日、テレビで陸人くんの写真集のイベントのことを映してて、その画面に亜美もいて……しかも関係者がいるようなところにいて。だから、お母さん、慌てて亜美を連れ戻しにいったのよ。だって、やっぱり、不運な事故が重なってああなったとはいえ、陸人くんが雅人を車で轢いたことには代わりはないんだから。だから、もう亜美には絶対に陸人くんには関わってほしくなくて」
お母さんの言葉に私は何も言うことができなかった。
頭の中が混乱しすぎて。
「とにかくもう2度と陸人くんには会わないでちょうだい。お母さんはあの子のことはどうしたって許せないから」
お母さんはそう言って、少しだけ涙を見せた後、ちょっと疲れたから寝るわねと言って、自分の部屋へ行ってしまった。
その後、私は力が抜けて、その場に座り込んでしまった。
嘘……。
陸人が雅人を車で轢いたなんて。
じゃあ、陸人が私から離れたのはそのことがあったからなの?
そして、今日、本当なら一緒に回るはずだった京都巡りをしていれば陸人はその時にその事実を私に伝えようとしたの?
私はもう何が何だか解らなくて、座り込んだまま、その場から暫く動くことができなかった。
私は少しの間、お母さんの言ったことが理解できなかったけど、その後、今、お母さんが言ったことは聞き間違いかもしれないと思い、私はお母さんにそう聞いた。
「だから、あの子……陸人くんは雅人を殺したって言ったのよ」
雅人は私の3歳違いの弟だった。
明るくて、素直で純粋で優しい子で、大好きな弟だった。
だけど、雅人は数年前に車に轢かれて、意識不明の重体になり、そのまま目を1度も覚ますことなく帰らぬ人になってしまった。
「嘘」
ただ、私は雅人を車で轢いた人のことは全く知らなかった。
雅人の事故は色々と不運が重なって起きたものらしく、相手の人は罪に問われることがなかったし、お母さんがその当時、私に雅人のことを車で轢いた人のことは知らない方がいい。知ったら、余計に許せない気持ちを抱いて、亜美が苦しくなるからと言ったから。
そんなお母さんが今、雅人を車で轢いたのは陸人だと私に言った。
私はお母さんをじっと見つめる。
お母さんはそんな私を見て、
「嘘じゃないわ。ただ、私は亜美にこのことは一生言うつもりはなかった。だって、亜美は本当に陸人くんのことが好きだったから。このことを知ったら、亜美が凄く苦しむと思ったから。ただ、この前、亜美が陸人くんと仕事のことで再会したって聞いて、不安になったけど、その時はもう亜美が陸人くんとは会うことはないって言ってたから、お母さんはそれならまあ、いいわと思って安心してた」
「お母さん……」
「でも、昨日、テレビで陸人くんの写真集のイベントのことを映してて、その画面に亜美もいて……しかも関係者がいるようなところにいて。だから、お母さん、慌てて亜美を連れ戻しにいったのよ。だって、やっぱり、不運な事故が重なってああなったとはいえ、陸人くんが雅人を車で轢いたことには代わりはないんだから。だから、もう亜美には絶対に陸人くんには関わってほしくなくて」
お母さんの言葉に私は何も言うことができなかった。
頭の中が混乱しすぎて。
「とにかくもう2度と陸人くんには会わないでちょうだい。お母さんはあの子のことはどうしたって許せないから」
お母さんはそう言って、少しだけ涙を見せた後、ちょっと疲れたから寝るわねと言って、自分の部屋へ行ってしまった。
その後、私は力が抜けて、その場に座り込んでしまった。
嘘……。
陸人が雅人を車で轢いたなんて。
じゃあ、陸人が私から離れたのはそのことがあったからなの?
そして、今日、本当なら一緒に回るはずだった京都巡りをしていれば陸人はその時にその事実を私に伝えようとしたの?
私はもう何が何だか解らなくて、座り込んだまま、その場から暫く動くことができなかった。
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