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番外編(読切り)
「ずっとあなたがいてくれるから」ーside 綾香ー
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涼一と彼氏と彼女の関係になってから、お互いに会える日は絶対に会うようになった。
また、彼氏と彼女の関係になる前より、涼一は私をぎゅっとしてくれるようになった。
勿論、彼氏と彼女の関係になったんだから、当然、そうなるのかもしれないけど。
でも、私は凄く嬉しい。
そして、日曜日のお昼過ぎの現在(いま)も、私と涼一は涼一の部屋で一緒にいた。
涼一は私のことを後ろからぎゅっと抱きしめてくれていて、私達はDVDで映画を見ていた。
今日は2人でミステリータッチな映画を見ている。
涼一は私に合わせて恋愛ものも見てはくれるけど、やっぱり、男子だからか、あんまり恋愛ものは好きじゃないみたいだし……。
だから、私も涼一もわりとミステリーものは好きだから、一昨日、学校帰りに私達の家の最寄りの駅の近くになるCDとDVDのレンタル屋さんに寄って、借りてきた。
レンタル期間は旧作だから、1週間だから、日曜日、ゆっくり一緒に見れるねって言いながら。
でも、やっぱり、ミステリーだから、幸せな結末になるわけじゃなくて……。
特に今回、見た映画の結末はミステリーの中でもかなり切なくて悲しいもので……。
私は映画を見終わってから、自然に涼一の方に身体を向けて、今度は私が涼一に抱きついた。
「綾香? どうした?」
涼一はそう言いながらも私のことをすぐに抱きしめ返してくれた。
「うん、この映画、ラスト、かなり悲しかったから、私まで悲しくなっちゃった」
そう言うと涼一が私を抱きしめる力が少し強くなった。
そして、その後、涼一は私に優しいキスをした。
それから、その後、私の頭も優しく撫でてくれた。
「そっか。だったら、今度からは一緒に見る時は幸せな結末になりそうなものにしようか。俺は綾香が笑ってくれているのが好きだから」
「涼一……」
「後さ、今はもうだいぶ減ったと思うけど、綾香への嫌がらせとかない?」
涼一の言葉に私はすぐにコクンと頷いた。
「うん、大丈夫だよ。涼一が盛大に体育館でプロポーズしてくれてからは、殆どなくなったし、今は本当にないよ」
私がそう言うと涼一は、ほっとしたような顔を見せた。
そして、その後、ますます私を強く抱きしめた。
「良かった。でも、もし、何かあったら、すぐに言えよ」
「うん」
「でも、中学生の頃から、かなり俺のせいで嫌な思いしてきただろ? 本当にごめんな」
涼一の言葉に私は今度は首を左右に振った。
「何で涼一が謝るの? 涼一、カッコいいから、モテるの解るし、皆が涼一と仲良くしたいって気持ちも解ってたし。勿論、色々、嫌がらせされたのは辛くなかったと言えば嘘になるけど、でも、いつも涼一私の傍にいてくれたし、いつも守ってくれてたから、落ちこむことはあっても、そんなに時間がかからずに元気になれたんだよ。それは勿論、今もだけど」
「綾香……」
「ただ、彼氏と彼女の関係になれるまでは、涼一に好きな人いるのかなとか、彼女できちゃうかなとか、そっちのことでは凄く切なくなっちゃってたけど」
「そっか……でも、それは俺も同じだよ。でも、何回も言ってるけど、俺、綾香以外のこと幼い頃から、1度も好きになったことないから」
「それは私も同じだよ」
私がそう言った後、私達は見つめ合って、少しだけ笑いあった後、今度は長いキスをした。
「でも、綾香、これからも俺、綾香以外のことは好きにはならないから、もうずっと俺と一生、一緒にいる覚悟、本当にしておいてくれよな」
「うん、それは私からも涼一に言いたいことだよ」
私がそう言うと涼一はまた私をぎゅううっと強く抱きしめて、
「今の俺達からしたら、何年後かのことになっちゃうけど、それに綾香は前、俺達2人だけで挙げた結婚式も本物だよって言ってくれたけど、でも、本当に今度は絶対に本物の結婚式挙げような。そして、一生、一緒にいて、誰からも羨ましがられるような夫婦になろう」
そう言ってくれた。
END
また、彼氏と彼女の関係になる前より、涼一は私をぎゅっとしてくれるようになった。
勿論、彼氏と彼女の関係になったんだから、当然、そうなるのかもしれないけど。
でも、私は凄く嬉しい。
そして、日曜日のお昼過ぎの現在(いま)も、私と涼一は涼一の部屋で一緒にいた。
涼一は私のことを後ろからぎゅっと抱きしめてくれていて、私達はDVDで映画を見ていた。
今日は2人でミステリータッチな映画を見ている。
涼一は私に合わせて恋愛ものも見てはくれるけど、やっぱり、男子だからか、あんまり恋愛ものは好きじゃないみたいだし……。
だから、私も涼一もわりとミステリーものは好きだから、一昨日、学校帰りに私達の家の最寄りの駅の近くになるCDとDVDのレンタル屋さんに寄って、借りてきた。
レンタル期間は旧作だから、1週間だから、日曜日、ゆっくり一緒に見れるねって言いながら。
でも、やっぱり、ミステリーだから、幸せな結末になるわけじゃなくて……。
特に今回、見た映画の結末はミステリーの中でもかなり切なくて悲しいもので……。
私は映画を見終わってから、自然に涼一の方に身体を向けて、今度は私が涼一に抱きついた。
「綾香? どうした?」
涼一はそう言いながらも私のことをすぐに抱きしめ返してくれた。
「うん、この映画、ラスト、かなり悲しかったから、私まで悲しくなっちゃった」
そう言うと涼一が私を抱きしめる力が少し強くなった。
そして、その後、涼一は私に優しいキスをした。
それから、その後、私の頭も優しく撫でてくれた。
「そっか。だったら、今度からは一緒に見る時は幸せな結末になりそうなものにしようか。俺は綾香が笑ってくれているのが好きだから」
「涼一……」
「後さ、今はもうだいぶ減ったと思うけど、綾香への嫌がらせとかない?」
涼一の言葉に私はすぐにコクンと頷いた。
「うん、大丈夫だよ。涼一が盛大に体育館でプロポーズしてくれてからは、殆どなくなったし、今は本当にないよ」
私がそう言うと涼一は、ほっとしたような顔を見せた。
そして、その後、ますます私を強く抱きしめた。
「良かった。でも、もし、何かあったら、すぐに言えよ」
「うん」
「でも、中学生の頃から、かなり俺のせいで嫌な思いしてきただろ? 本当にごめんな」
涼一の言葉に私は今度は首を左右に振った。
「何で涼一が謝るの? 涼一、カッコいいから、モテるの解るし、皆が涼一と仲良くしたいって気持ちも解ってたし。勿論、色々、嫌がらせされたのは辛くなかったと言えば嘘になるけど、でも、いつも涼一私の傍にいてくれたし、いつも守ってくれてたから、落ちこむことはあっても、そんなに時間がかからずに元気になれたんだよ。それは勿論、今もだけど」
「綾香……」
「ただ、彼氏と彼女の関係になれるまでは、涼一に好きな人いるのかなとか、彼女できちゃうかなとか、そっちのことでは凄く切なくなっちゃってたけど」
「そっか……でも、それは俺も同じだよ。でも、何回も言ってるけど、俺、綾香以外のこと幼い頃から、1度も好きになったことないから」
「それは私も同じだよ」
私がそう言った後、私達は見つめ合って、少しだけ笑いあった後、今度は長いキスをした。
「でも、綾香、これからも俺、綾香以外のことは好きにはならないから、もうずっと俺と一生、一緒にいる覚悟、本当にしておいてくれよな」
「うん、それは私からも涼一に言いたいことだよ」
私がそう言うと涼一はまた私をぎゅううっと強く抱きしめて、
「今の俺達からしたら、何年後かのことになっちゃうけど、それに綾香は前、俺達2人だけで挙げた結婚式も本物だよって言ってくれたけど、でも、本当に今度は絶対に本物の結婚式挙げような。そして、一生、一緒にいて、誰からも羨ましがられるような夫婦になろう」
そう言ってくれた。
END
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