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第44話「いよいよ実行に移します」
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俺はこれ以上、綾香を傷つけないためにどうすればいいか、綾香と見に行った映画で、これだと思う答えを見つけ、その見つけた答えを実行に移す日を待ちかまえていた。
だって、それは学校であることがなければできないことだから。
でも、映画を見てから近いうちに実行したかったのに学校でのそのあることは中々、行われず、映画を見てから1ヶ月も経ってしまった。
その間にも小さなことなら綾香に対する嫌がらせはあった。
勿論、俺はどんなに小さな嫌がらせでも目を光らせて、誰がやったか解った場合はそれとなく言葉で釘を刺したけど。
そして、俺が映画で見て、ぜひ、自分も綾香のためにやろうと思っていることを実行する日がいよいよやってきた。
今は10月で、四季高校では10月の終わりごろに文化祭があり、今日はそのことについて、全校生徒で体育館で集会があった。
そう。俺はこの全校生徒で集会がある日を待っていたのだった。
その日、俺はいつも以上に登校の時に綾香の手を強く握っていた。
そんな俺を綾香は少しだけ不思議そうに見ていたけど、綾香は何も言わなかった。
でも……。
もしかしたら、俺がしようとしていることは綾香にとっては大迷惑なことかもしれないとも思い、俺は四季高校の正門をくぐる前に立ち止まり、
「綾香、俺、今日、あることをするつもりなんだけど、それでもし、綾香が嫌な思いしたらごめん」
そう言った。
「え? 一体、何するの?」
「……それはごめん、言えない」
俺がそう言うと綾香は笑って、
「大丈夫。私はいつだって涼一の味方だし、涼一のすることで大迷惑だなんて絶対に思わないよ」
そう言ってくれた。
そんな綾香に俺は嬉しくなって、綾香を抱きしめたくなったけど、さすがに正門の前なので、ぐっと堪えて、綾香に手を差し出し、また、手を繋いで四季高校の正門をくぐり抜け教室へと向かった。
俺はその間、綾香といつものように他愛もない話をしながら、でも、心の中では、どうか今日、俺がやることがいい方向に向かいますように。
そう強く願っていた。
だって、それは学校であることがなければできないことだから。
でも、映画を見てから近いうちに実行したかったのに学校でのそのあることは中々、行われず、映画を見てから1ヶ月も経ってしまった。
その間にも小さなことなら綾香に対する嫌がらせはあった。
勿論、俺はどんなに小さな嫌がらせでも目を光らせて、誰がやったか解った場合はそれとなく言葉で釘を刺したけど。
そして、俺が映画で見て、ぜひ、自分も綾香のためにやろうと思っていることを実行する日がいよいよやってきた。
今は10月で、四季高校では10月の終わりごろに文化祭があり、今日はそのことについて、全校生徒で体育館で集会があった。
そう。俺はこの全校生徒で集会がある日を待っていたのだった。
その日、俺はいつも以上に登校の時に綾香の手を強く握っていた。
そんな俺を綾香は少しだけ不思議そうに見ていたけど、綾香は何も言わなかった。
でも……。
もしかしたら、俺がしようとしていることは綾香にとっては大迷惑なことかもしれないとも思い、俺は四季高校の正門をくぐる前に立ち止まり、
「綾香、俺、今日、あることをするつもりなんだけど、それでもし、綾香が嫌な思いしたらごめん」
そう言った。
「え? 一体、何するの?」
「……それはごめん、言えない」
俺がそう言うと綾香は笑って、
「大丈夫。私はいつだって涼一の味方だし、涼一のすることで大迷惑だなんて絶対に思わないよ」
そう言ってくれた。
そんな綾香に俺は嬉しくなって、綾香を抱きしめたくなったけど、さすがに正門の前なので、ぐっと堪えて、綾香に手を差し出し、また、手を繋いで四季高校の正門をくぐり抜け教室へと向かった。
俺はその間、綾香といつものように他愛もない話をしながら、でも、心の中では、どうか今日、俺がやることがいい方向に向かいますように。
そう強く願っていた。
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