36 / 78
第36話「観覧車の中で」
しおりを挟む
観覧車はわりと空いていて、俺と綾香はすぐに乗ることができた。
そして、俺達は並んで座った。
彼氏と彼女になる前も俺達の距離はもの凄く近かったけど、それは幼馴染という関係の時のもので……俺は今、さっき、実から耳打ちされた言葉のこともあって綾香とのこの距離に緊張していた。
気のせいかもしれないけど綾香もいつもより少しだけ大人しい気がする。
もし気のせいじゃなかったら、綾香も俺と同じように緊張してるってことなんだろうか?
俺は少しの間、そう思っていたけど、でも、観覧車が回る時間は限られているよなと思い、俺は綾香の手を取った。
綾香はそんな俺の顔をじっと見る。
「綾香、俺が何で観覧車に乗ろうって言ったか解る?」
綾香は俺のその質問に少しだけ目を潤ませた。
そんな綾香を見て、観覧車に恋人同士で乗るイメージはきっと俺と同じなんだと思った。
だから、
「観覧車って、恋人同士で乗るとてっぺんに来た時にキスしたら、そのカップルはずっと幸せでいられるとか、そういうのがあったりするじゃん。だから、俺、綾香と観覧車に乗りたかったんだ」
俺がそう言うと綾香はますます目を潤ませた。
俺はそんな綾香が愛しくて思わず綾香の頭をぐいっと自分の方に抱き寄せた。
少しの間、綾香は俺の肩に頭を寄せたまま何も言わなかった。
だから、俺も何も言わなかった。
でも……。
後、少しで観覧車の一番上に来そうなところで綾香が、
「もうすぐてっぺんだね」
そう言った。
そして、その後、
「私達もずっと幸せでいられるようにさっき涼一が言ったことしたいな」
そう言ったから、俺は今度は綾香と向かい合わせになるようにした。
綾香の目は相変わらず潤んでいて、俺はまた綾香が愛しくて堪らなくなった。
だから、俺は綾香をぎゅっと抱きしめた後、
「好きだよ、綾香」
そう言い観覧車がてっぺんに丁度、来た時に綾香にキスをした。
キスをした後、さっき綾香が自分でしたいと言ってくれたけど、正直、どんな感じになるか少し不安だった。
だけど、キスをした後に見た綾香は凄く嬉しそうだった。
そして、今までで一番可愛い笑顔を俺に向けてもくれた。
俺はそんな綾香を見て、もう絶対に綾香以外を好きになれないだろうし、好きになるつもりもないし、絶対に離さないとも思って、また綾香をぎゅっと抱きしめた。
そして、俺はこの日から観覧車はテーマパークの乗り物の中で一番好きな乗り物になった。
そして、俺達は並んで座った。
彼氏と彼女になる前も俺達の距離はもの凄く近かったけど、それは幼馴染という関係の時のもので……俺は今、さっき、実から耳打ちされた言葉のこともあって綾香とのこの距離に緊張していた。
気のせいかもしれないけど綾香もいつもより少しだけ大人しい気がする。
もし気のせいじゃなかったら、綾香も俺と同じように緊張してるってことなんだろうか?
俺は少しの間、そう思っていたけど、でも、観覧車が回る時間は限られているよなと思い、俺は綾香の手を取った。
綾香はそんな俺の顔をじっと見る。
「綾香、俺が何で観覧車に乗ろうって言ったか解る?」
綾香は俺のその質問に少しだけ目を潤ませた。
そんな綾香を見て、観覧車に恋人同士で乗るイメージはきっと俺と同じなんだと思った。
だから、
「観覧車って、恋人同士で乗るとてっぺんに来た時にキスしたら、そのカップルはずっと幸せでいられるとか、そういうのがあったりするじゃん。だから、俺、綾香と観覧車に乗りたかったんだ」
俺がそう言うと綾香はますます目を潤ませた。
俺はそんな綾香が愛しくて思わず綾香の頭をぐいっと自分の方に抱き寄せた。
少しの間、綾香は俺の肩に頭を寄せたまま何も言わなかった。
だから、俺も何も言わなかった。
でも……。
後、少しで観覧車の一番上に来そうなところで綾香が、
「もうすぐてっぺんだね」
そう言った。
そして、その後、
「私達もずっと幸せでいられるようにさっき涼一が言ったことしたいな」
そう言ったから、俺は今度は綾香と向かい合わせになるようにした。
綾香の目は相変わらず潤んでいて、俺はまた綾香が愛しくて堪らなくなった。
だから、俺は綾香をぎゅっと抱きしめた後、
「好きだよ、綾香」
そう言い観覧車がてっぺんに丁度、来た時に綾香にキスをした。
キスをした後、さっき綾香が自分でしたいと言ってくれたけど、正直、どんな感じになるか少し不安だった。
だけど、キスをした後に見た綾香は凄く嬉しそうだった。
そして、今までで一番可愛い笑顔を俺に向けてもくれた。
俺はそんな綾香を見て、もう絶対に綾香以外を好きになれないだろうし、好きになるつもりもないし、絶対に離さないとも思って、また綾香をぎゅっと抱きしめた。
そして、俺はこの日から観覧車はテーマパークの乗り物の中で一番好きな乗り物になった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く
ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。
逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。
「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」
誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。
「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」
だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。
妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。
ご都合主義満載です!
殿下!婚姻を無かった事にして下さい
ねむ太朗
恋愛
ミレリアが第一王子クロヴィスと結婚をして半年が経った。
最後に会ったのは二月前。今だに白い結婚のまま。
とうとうミレリアは婚姻の無効が成立するように奮闘することにした。
しかし、婚姻の無効が成立してから真実が明らかになり、ミレリアは後悔するのだった。
「忘れられない人」
愛理
恋愛
主人公の亜美は過去の恋人、陸人のことがどうしても忘れられなかった。だけど、あることをきっかけに陸人がモデルになっていたことを知る。そして、再会を果たすけれど……。モデル×OLの切ない大人のラブストーリーです。
嘘だったなんてそんな嘘は信じません
ミカン♬
恋愛
婚約者のキリアン様が大好きなディアナ。ある日偶然キリアン様の本音を聞いてしまう。流れは一気に婚約解消に向かっていくのだけど・・・迷うディアナはどうする?
ありふれた婚約解消の数日間を切り取った可愛い恋のお話です。
小説家になろう様にも投稿しています。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
結局夫を元カノに奪われるんだったら、結婚なんてしなければよかった
ヘロディア
恋愛
夫には元カノがいる…
更に彼女はまだ夫のことを諦めていないため、ストーカー行為をやめない。
そんな悩みを抱えて不安になっていた主人公だったが、ある日、元カノから電話がかかってきた…
お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる