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第35話「彼氏と彼女になったその先は」
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夏休みも残り2週間丁度になった日に、俺は夏休み前に綾香と実と白野と4人で出かけるという約束を実行した。
白野は綾香から俺の彼女になったと事前に聞いたらしく俺に会った途端に、
「良かったね。大好きな綾香とカレカノの関係になれて。でも、彼氏になったんなら、余計に綾香のこと泣かせたりしたら許さないからね」
そう言った。
綾香は白野がそう言ったことに対して真っ赤な顔をして慌てていたけど。
そして、俺達は今、誰もが知っているテーマパークに来ていた。
「な、今度あれに乗ろうぜ」
そう言って実が指を刺したのはこのテーマーパークの中で一番怖いと評判のジェットコースターだった。
正直言って、俺はそんなにも絶叫マシンが得意じゃない。
お化け屋敷とかなら平気なんだけど。
「わあ、楽しそう。乗ろう、乗ろう」
白野はボーイッシュな見た目とサバサバした男勝りの性格のとおり、絶叫マシンが好きらしく嬉しそうに言った。
「私はちょっと怖いからパスしようかな」
白野が乗ろう乗ろうと、はしゃいだ後で綾香がそう言った。
え? 俺は綾香のその発言に驚いて綾香を見る。
本当は綾香は俺よりも遥かに絶叫マシンが得意だからだ。
「あ、じゃあ、里川は相田と一緒に違うところに行ってやれよ。暫く別行動しようぜ」
実がそう言った後、下手くそなウィンクを俺にした。
多分、実は俺と綾香を2人きりにさせてくれようとしているんだろう。
本当、何処までもいい奴だよな実は。
俺がそう思っていると、
「じゃあ、そうしようよ。1時間後位にこの場所で待ち合わせよう」
白野も実の思惑を汲み取ってくれたらしく笑顔でそう言った。
そして、俺達はそれぞれ2対2で暫く行動することになった。
分かれる時に俺は実から、
「どーせ彼氏と彼女になってからデートもまだなんだろ。まあ、お前はサッカー部の練習が忙しかったしな。だから、この機会に少し前に進めよ」
そう耳打ちされた。
それってつまり幼馴染の関係だけじゃできないことを綾香としろってことだよな?
全く変なこと言うなよな。意識してしまうだろ。
そして、俺達は分かれてそれぞれに行きたい場所に向かった。
と言っても、俺と綾香は今は特に行きたい場所や乗りたいものがなく何となく歩いているだけなんだけど。
でも、どうして綾香は絶叫マシンが得意で大好きなはずなのに怖いなんて言ったんだろう?
今までなら絶対に乗ると言っていたはずなのに。
俺が歩きながらそう思っていると、
「涼一、絶叫マシン嫌いでしょ?」
綾香が急にそう言った。
「うん。でも、綾香は好きだろ? 乗らなくて良かったの?」
「うん、いいの。だって、せっかくの楽しい夏休みのお出かけのはずなのに涼一に怖い思い出にしてほしくはないから」
俺は綾香がそう言ったので、もう堪らなくなって、ここがまだテーマパークの通路だということを忘れて綾香を思いっきり抱きしめた。
ああ、可愛い。これってやっぱり俺の彼女になってくれたからの発言なんだよな?
でも、それならやっぱりもう彼氏と彼女だっていうはっきりした証拠を残したい!
そう思い俺は、
「じゃあ、綾香、観覧車に乗ろう。俺は観覧車なら大丈夫だから」
そう言った。
ベタだとは思うけど、やっぱり彼氏と彼女といったら観覧車の中で……と今、ふと思ったから。
でも、綾香は俺のそんな安易な提案にすぐにコクンと頷いてくれた。
だから、俺は綾香の手を取り、綾香と手を繋いで観覧車がある場所に向かって歩き出した。
白野は綾香から俺の彼女になったと事前に聞いたらしく俺に会った途端に、
「良かったね。大好きな綾香とカレカノの関係になれて。でも、彼氏になったんなら、余計に綾香のこと泣かせたりしたら許さないからね」
そう言った。
綾香は白野がそう言ったことに対して真っ赤な顔をして慌てていたけど。
そして、俺達は今、誰もが知っているテーマパークに来ていた。
「な、今度あれに乗ろうぜ」
そう言って実が指を刺したのはこのテーマーパークの中で一番怖いと評判のジェットコースターだった。
正直言って、俺はそんなにも絶叫マシンが得意じゃない。
お化け屋敷とかなら平気なんだけど。
「わあ、楽しそう。乗ろう、乗ろう」
白野はボーイッシュな見た目とサバサバした男勝りの性格のとおり、絶叫マシンが好きらしく嬉しそうに言った。
「私はちょっと怖いからパスしようかな」
白野が乗ろう乗ろうと、はしゃいだ後で綾香がそう言った。
え? 俺は綾香のその発言に驚いて綾香を見る。
本当は綾香は俺よりも遥かに絶叫マシンが得意だからだ。
「あ、じゃあ、里川は相田と一緒に違うところに行ってやれよ。暫く別行動しようぜ」
実がそう言った後、下手くそなウィンクを俺にした。
多分、実は俺と綾香を2人きりにさせてくれようとしているんだろう。
本当、何処までもいい奴だよな実は。
俺がそう思っていると、
「じゃあ、そうしようよ。1時間後位にこの場所で待ち合わせよう」
白野も実の思惑を汲み取ってくれたらしく笑顔でそう言った。
そして、俺達はそれぞれ2対2で暫く行動することになった。
分かれる時に俺は実から、
「どーせ彼氏と彼女になってからデートもまだなんだろ。まあ、お前はサッカー部の練習が忙しかったしな。だから、この機会に少し前に進めよ」
そう耳打ちされた。
それってつまり幼馴染の関係だけじゃできないことを綾香としろってことだよな?
全く変なこと言うなよな。意識してしまうだろ。
そして、俺達は分かれてそれぞれに行きたい場所に向かった。
と言っても、俺と綾香は今は特に行きたい場所や乗りたいものがなく何となく歩いているだけなんだけど。
でも、どうして綾香は絶叫マシンが得意で大好きなはずなのに怖いなんて言ったんだろう?
今までなら絶対に乗ると言っていたはずなのに。
俺が歩きながらそう思っていると、
「涼一、絶叫マシン嫌いでしょ?」
綾香が急にそう言った。
「うん。でも、綾香は好きだろ? 乗らなくて良かったの?」
「うん、いいの。だって、せっかくの楽しい夏休みのお出かけのはずなのに涼一に怖い思い出にしてほしくはないから」
俺は綾香がそう言ったので、もう堪らなくなって、ここがまだテーマパークの通路だということを忘れて綾香を思いっきり抱きしめた。
ああ、可愛い。これってやっぱり俺の彼女になってくれたからの発言なんだよな?
でも、それならやっぱりもう彼氏と彼女だっていうはっきりした証拠を残したい!
そう思い俺は、
「じゃあ、綾香、観覧車に乗ろう。俺は観覧車なら大丈夫だから」
そう言った。
ベタだとは思うけど、やっぱり彼氏と彼女といったら観覧車の中で……と今、ふと思ったから。
でも、綾香は俺のそんな安易な提案にすぐにコクンと頷いてくれた。
だから、俺は綾香の手を取り、綾香と手を繋いで観覧車がある場所に向かって歩き出した。
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