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第34話「やっぱり親友」
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次の日、サッカー部の練習を終えた俺は昨日、実とLINEでやり取りしたとおり、実と一緒に帰っていた。
今は丁度、正門をくぐり抜けたところだった。
「実、この後、ハンバーガーでも食べて行かない?」
俺がそう言うと、
「ああ、いいよ」
実がそう言ってくれたので、俺達は四季高校の最寄りの駅の近くにあるファーストフードの店に行った。
そして、俺達はテーブルを挟んで向かい合わせで椅子に座った。
「で? 話って何?」
実はチーズバーガーにかぶりつく格好をしながら言った。
「うん。実、俺さ……」
「やっと相田とうまくいったか?」
俺は実のその言葉に驚いた。
「え?」
「お前が俺に話があるっていったら、相田のことくらいだろ?」
「実……」
「で、告白したの?」
「う、うん。この間、サッカーの試合があった日の夜に」
「それで相田は何て?」
実はそう言った後、チーズバーガーに豪快にかぶりついた。
「綾香も俺のことがずっと好きだったって」
「ほら、俺の言ってたとおりだったろ」
「実……」
俺は実に何も言わずに綾香に告白したから、てっきり実は怒ると思っていたので、いつもと同じ感じで話してくる実に戸惑う。
「で、俺に言わずに相田に告白して、うまくいったから、悪いなって思って俺に話があるって言ってきたわけだ?」
「うん……」
俺がそう返事をすると実は盛大な溜息を吐いた。
だけど、その後、
「ばーか。罪悪感なんて持たなくていいよ。俺がかまかけたんだから」
そう言った。
「え?」
「お前があんまりにもうだうだしてるから、苛々して、あんなこと言ったんだよ」
「実」
俺は驚いて実を見た。
「それに俺が相田にアプローチしたところで絶対にうまくいくはずないだろ」
「そんなの……でも、かまかけたってことは実は綾香のことは本当は恋愛対象じゃないってこと?」
「ううん。相田のことを小学生の頃からずーっと好きだったのは本当」
「実……」
「でも、俺はお前達に本当にくっついてほしかったんだよ。そうじゃないと俺も先に進めないなって思ってたし」
「実、ごめん」
「何謝ってんだよ? 俺はお前らがやっと、くっついてくれて嬉しいんだから。はあ、でも、本当に世話焼けるわ。お前の何処が王子様なんだよ」
「うん、俺もそう思う」
俺がそう言うと実はにこっと笑ったから、俺も笑った。
そして、
「ということでこれからまた親友ということでよろしく」
実がそう言ってくれたから俺は不意に泣きそうにもなった。
実、お前はやっぱり俺にとって本当に親友だよ。
本当にありがとう。
俺が心の中でそう思った後、
「でも、里川、今度はちゃんと彼氏として相田のことを守るんだぞ。もう今までみたいに絶対に不意打ちで抱きつかれたりするなよ。それに俺はお前と相田がくっつけばお前のこと諦める奴も出てくるって言ったけど、そうじゃない奴も中にはいるだろうから、特にそういう奴は注意しろよ。もし相田に何かあったらその時は俺はお前から相田のこと奪うから」
そう言ったので、俺は、
「絶対に守るよ。それに綾香のことは悪いけど実にだって何があっても渡さないよ」
そう真剣に言った。
すると実はとても嬉しそうに笑ってくれた。
今は丁度、正門をくぐり抜けたところだった。
「実、この後、ハンバーガーでも食べて行かない?」
俺がそう言うと、
「ああ、いいよ」
実がそう言ってくれたので、俺達は四季高校の最寄りの駅の近くにあるファーストフードの店に行った。
そして、俺達はテーブルを挟んで向かい合わせで椅子に座った。
「で? 話って何?」
実はチーズバーガーにかぶりつく格好をしながら言った。
「うん。実、俺さ……」
「やっと相田とうまくいったか?」
俺は実のその言葉に驚いた。
「え?」
「お前が俺に話があるっていったら、相田のことくらいだろ?」
「実……」
「で、告白したの?」
「う、うん。この間、サッカーの試合があった日の夜に」
「それで相田は何て?」
実はそう言った後、チーズバーガーに豪快にかぶりついた。
「綾香も俺のことがずっと好きだったって」
「ほら、俺の言ってたとおりだったろ」
「実……」
俺は実に何も言わずに綾香に告白したから、てっきり実は怒ると思っていたので、いつもと同じ感じで話してくる実に戸惑う。
「で、俺に言わずに相田に告白して、うまくいったから、悪いなって思って俺に話があるって言ってきたわけだ?」
「うん……」
俺がそう返事をすると実は盛大な溜息を吐いた。
だけど、その後、
「ばーか。罪悪感なんて持たなくていいよ。俺がかまかけたんだから」
そう言った。
「え?」
「お前があんまりにもうだうだしてるから、苛々して、あんなこと言ったんだよ」
「実」
俺は驚いて実を見た。
「それに俺が相田にアプローチしたところで絶対にうまくいくはずないだろ」
「そんなの……でも、かまかけたってことは実は綾香のことは本当は恋愛対象じゃないってこと?」
「ううん。相田のことを小学生の頃からずーっと好きだったのは本当」
「実……」
「でも、俺はお前達に本当にくっついてほしかったんだよ。そうじゃないと俺も先に進めないなって思ってたし」
「実、ごめん」
「何謝ってんだよ? 俺はお前らがやっと、くっついてくれて嬉しいんだから。はあ、でも、本当に世話焼けるわ。お前の何処が王子様なんだよ」
「うん、俺もそう思う」
俺がそう言うと実はにこっと笑ったから、俺も笑った。
そして、
「ということでこれからまた親友ということでよろしく」
実がそう言ってくれたから俺は不意に泣きそうにもなった。
実、お前はやっぱり俺にとって本当に親友だよ。
本当にありがとう。
俺が心の中でそう思った後、
「でも、里川、今度はちゃんと彼氏として相田のことを守るんだぞ。もう今までみたいに絶対に不意打ちで抱きつかれたりするなよ。それに俺はお前と相田がくっつけばお前のこと諦める奴も出てくるって言ったけど、そうじゃない奴も中にはいるだろうから、特にそういう奴は注意しろよ。もし相田に何かあったらその時は俺はお前から相田のこと奪うから」
そう言ったので、俺は、
「絶対に守るよ。それに綾香のことは悪いけど実にだって何があっても渡さないよ」
そう真剣に言った。
すると実はとても嬉しそうに笑ってくれた。
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