短い恋のお話

愛理

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「全てを僕に預けて」

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 君は俺にとって唯一の人。
 だから、これからもずっとそばにいて。
 そうしてくれたら、俺は全身全霊で君を必ず守るから。

 土曜日の夜、俺が1人暮らしをしている都内にあるマンションに今日、朝からずっと一緒にデートに出かけていた彼女のゆうみと一緒に帰ってきた。
 俺とゆうみは26歳で同じ年齢。
 そして、同時期に同じ会社に入り、その会社の同僚として知り合い、仕事で絡んでいるうちに俺がゆうみを好きになり、思い切って告白するとゆうみも私も海人(かいと)のことがずっと好きだったと言ってくれて、そこから俺達は晴れて恋人同士になり、今は恋人同士になって、丁度、1年が経った。
 そして、今日、ゆうみは俺のマンションに泊まっていく。
 まあ、ここにゆうみが泊まるのはもう何回目か解からないんだけど。
「あー、今日は楽しかったね」
 部屋に入り、2人ともが落ち着いて、その後、ゆうみが2人分のコーヒーを淹れて、テーブルにそのコーヒーカップを置いてくれた後、ゆうみが言った。
「ああ、久しぶりに童心に帰ったよ」
 今日、俺とゆうみは都内にあるテーマパークで1日中デートした。
 テーマパークは嫌いじゃないけど、社会人になってからは友達に誘われることも、自ら行くこともなくなり、また、それはゆうみと恋人同士になってからもそうだったので、本当に久しぶりのテーマパークだった。
 それはゆうみもそうだったようで、この間、ゆうみが久しぶりにテーマパークで遊びたいと言ったので、今日のテーマパークのデートに至った。
 そして、2人ともが久しぶりのテーマパークだったからか、妙にはしゃいでしまい、アトラクションもできる限り乗り、イベントのショーも時間が合えば見て、テーマパーク内で出ている外にあるお店(お祭りで例えると屋台みたいなお店)でキャラクターの容器がついているポップコーンなども買い、自分や友達などのお土産も近場に行っただけだというのに結構、買ってしまった。
 そう、さっきも言ったように童心に帰ってしまったようで、もの凄く楽しかったのだ。
 ただ、それは今回はゆうみが一緒だったというのも大きいけど。
 そう思って、俺はゆうみが淹れてくれたコーヒーを少し飲んでから、コーヒーカップをテーブルに置いて、ゆうみも今はコーヒーカップを手にしていなかったので、正面からゆうみを抱きしめた。
 俺達は今、絨毯の敷いてある床に座ってコーヒーを飲んでいたから。
「海人?」
 突然抱きしめられたからか、驚いたような表情で俺を見て、ゆうみは俺の名前を呼んだ。
「ゆうみ、今日、確かにテーマパークで遊んで童心に帰れたし、凄く楽しかったけど、それはゆうみが一緒だったのが大きいよ」
「海人」
「ゆうみ、俺、ゆうみと恋人同士になってから、恋人同士になる前よりも、もっと、どんどん、ゆうみを好きになってるよ。きっと、明日も今日よりゆうみを好きになってるよ。きっと、ゆうみは俺の人生にとって唯一の人だよ」
「海人」
「だから、ゆうみがいいなら、これからのゆうみの人生を俺にずっと預けてほしい。必ずゆうみを幸せにするから」
 俺がそう言うとゆうみは俺のことをじっと見て、薄っすらと目に涙を浮かべた後、くしゃっと俺の大好きな笑顔になって、
「うん、私も海人のこと日を重ねるごとに好きになってるよ。だから、海人にそう言ってもらえて嬉しい。だから、喜んで私の人生、海人に預けるよ」
 そう言ってくれた。
 そして、俺達は暫く見つめ合い、コツンとおでこをくっつけあい、お互いに笑い合った後、これからも本当にずっと一緒に人生を歩んでいこうという誓いのキスをした。

                                      END
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