32 / 34
Contrail(日本語版)
6.おにごっこ
しおりを挟む「えっと......その子は......?」
ニーナは泣きそうになりながらジェーンの胸元を指さした。下を見るまでもなく、彼女は自分が抱いているのは娘ではないことに気づいた。
「ニー......ナ?」
ジェーンは震え声で呟く。そして恐る恐る自分の手元に目を向ける。その顔は少女のようだったが、その透き通った白い肌は赤黒い液体で汚れていた。
彼女は嗤っていた。
ジェーンは叫ぶことができなかった。息が詰まり、そして切れ切れに呼吸しながらも、その少女を床に放り投げ、彼女はおぼつかない足取りで階段脇のニーナの元に戻った。
「ニーナ!!あなた今までどこにいたの......?!」
「わたし......わたし、クローゼットに隠れてただけなのに......それなのにいきなりママが消えて、それで、すぐニーナ!って叫ぶのが聞こえて......。足音がどんどん向こうに行っちゃったから......だから......」
ニーナは必死になって声は震えながらも、説明した。
真っ白な肌の少女は自力で起き上がり、ゆっくりとジェーン達に近づいてくる。不思議そうな表情で。
ジェーンは裏口を見つけたので、本物のニーナと手を繋ぎそのドアまで走る。
なんとかしてたどり着き、ドアノブをガチャガチャ回した。すると、良い感触を得る。
ドアノブが外れた感触だった。
「最悪っ......!」
ジェーンはドアに体当たりもしてみたが、ビクともしない。背後からは哀しそうな声が聞こえてくる。
「なんでにげるの......?」
少女は無感情にそう言った。ジェーンは、体を震わせるニーナを掴む。そして気が狂いそうになりながら、逃げ道を探して一階を駆け回った。
彼女達は、すでに開いているドアを見つけたので、中に入り鍵をかけた。長い沈黙の間、そこには暗闇と、その中の重い呼吸が二つ。
だが電気をつけるとすぐに、彼女達の顔は青くなった。
そこは地下室へ続く階段の前だった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる