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21話「魔女の思いつき」
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「ああ……」
「そうだろうそうだろうぴょん。ここがお師匠様の住む家の、真の姿なんだぴょん! どうだ……」
「ああ、こらこらミーナ!」
「ええ? ああー、やってしまったぴょん。申しわけないぴょんお師匠様」
「まったくもう。迂闊過ぎるんだよな、我が弟子は」
魔女が困った様子でぽりぽりと頭を掻いた。
「え……? あの……外には秘密で、こんな所に住んでたって事ですか?」
ミーナの言ったこと、そして魔女の驚きようから、なんとなく今起きていることを理解したアークスは、唖然として、目をパチクリとさせた。
「んん? んー……」
魔女が答えに窮してそわそわとしている。
「そうだ! もうここまできたら嘘をついても仕方がない!」
魔女がいきなり胸を張って言った。
「ええ!? え……どういう……あのほら穴は……?」
アークスの周りには、依然としていつもの陰鬱なほら穴の外観とは打って変わって、様々な装飾品で彩られたきらびやかな部屋が広がってる。とても同じ空間だとは思えない。
「ほら穴とは、言ってくれるな」
「えっ!? いえ、すいません、そんなつもりじゃ……」
「いいさ。わざとそう見せてるんだから」
「えっ、わざと?」
「ああ。こんなことでもしないと、他の奴らが色々とうるさいのさ。富のある所に一番に集まるのは、更なる富でも穏やかな暮らしでもなく、その富に食いついてくる輩達だからな」
魔女は、やれやれといった様子で、肩を少し上げた。
「ということで、ここは内密に頼む。ここがバレたら、また他の場所に移らないといけないんだが、ミーナが居るのでな。できることなら動きたくないんだ」
「え、ミーナちゃんが居るからぴょんか!?」
「そうだろ? 近所じゃなかったら困るだろ、色々と。まあ、ここはフレアグリットのお膝元だからな。優秀な魔法修練所は沢山あるが、元はといえば、私の気まぐれだからな。できることなら最後まで面倒は見たいんだが……」
「えええ!? 師匠! ミーナちゃんは師匠に魔法を教わるって決めたぴょんよ! ここから離れることになっても付いていくぴょん!」
「いやいや、それはさすがに面倒見きれん。それに、ミーナは私みたいに孤独で居るのには向いてないよ」
「そんなことないぴょんよ~!」
「私にそんなに食いついておいてか?」
「ええ? それはその……一人でも大丈夫になるために、お師匠様に色々教えてもらっているわけで……」
「だから、それがもう向いてないって言ってるんだがなぁ。まあいい。というわけでアークス。出来れば内緒にしといてくれ。お前一人の時には、ここに入れてやるから」
魔女が口に人差し指を当てて、ウインクをした。
「ええ、別に、構わないですけど……」
アークスが魔女の全身を見る。ズボラな感じの衣装の方は、前とそれほど変わっていないようだ。よれよれでくたびれたバトルドレスをそのまま着ている。部屋が綺麗になっただけで、性格はそれほど変わっていないとみえる。
「ん……? 構わないですけど何だ? ……どうした、そんなにまじまじ見て。私に気があるのならやめておいた方がいいぞ。ミーナを弟子にしたのだって、私としては珍しい方なんだからな」
「ええ!? そ、そんなんじゃないですよ! ここの事も、誰にも言わないって、約束します!」
「ん……そうか。そんなにきっぱりと否定されると、ちょっと傷付くがなあ……それはそうとアークス、ここの外も薄気味悪く感じただろう?」
「え、いや、そんなことは……」
「ふむふむ……顔に出てるということは、いつも『気味悪いなー』って思っているな? それが普通なんだよ。思ってもらわなくちゃ、こっちが困る」
「……え? 困る?」
「そうだぞ。それはたまたま雰囲気がおどろおどろしいというわけではなくてな……」
魔女はフフンと自慢げに笑みを浮かべると、身を翻して後ろの方へと歩いていった。その先には、これまた豪華な装飾が施された、仕上がりも見事な棚があり、そこの二番目の引き出しから、なにやら小袋を取り出した。
「じゃじゃーん!」
「じゃじゃーんって……」
「お師匠様、ちょっと壊れてるぴょん?」
「いや、私は正気だぞ。実はこの小袋の中にはな……」
魔女が小袋を開けながら、アークスに近寄って屈んだ。
「え? なんです……っ!」
アークスの方も起き上がって袋の中を覗き込もうとしたが、脇腹に痛みが走った。
「おお……無理するなよ。そのまま横になってていいぞ。いくら私の魔法とはいえ、まだ暫く安静にしてないと完治はしないからな。傷が開きでもしたら二度手間になってしまう」
「ん……すみません……」
魔女に背を支えられながら、アークスは再び、ゆっくりとベッドに仰向けになった。
魔女は袋から手の平の上に何やら振り出すと、アークスの顔に近づけて見せた。
「ほら、これだよ」
「なんだろ……色々混じってますね」
薬草だろうか。……いや、人避けに使うものだから、薬草ではないかもしれない。
「あんまりいい匂いはしないですね……いや……香りのいいのも混じってるのか……」
先入観も手伝ってか、最初はあまりいい香りは感じなかったが、後から甘い香りや柑橘系の爽やかな香りも匂ってきた。
「ああ、ハチミツや柚子が入ってるから、それなりにいい香りもするだろうな。あと、シナモンも入ってるしな。あー……ただ、蛇の抜け殻だとか、カラスの肝だとか、水牛の糞だとかも入っているが……これは話さない方がよかったな」
「……そうですね」
様々な香りが混じった複雑さが珍しいのでクンクンと匂いを嗅いでいたアークスだったが、それを聞いた途端、なんだか気分が悪くなってきた気がした。思わず息を止めて、顔を背ける。
とはいえ、怖いもの見たさもある。アークスは顔を背けたまま、魔女の手の上に乗っている、小袋の中身へと視線だけを戻した。
「これ自体にはまだ魔力を込めていないから、まだ作用してはいないが、そも、匂いというのは鼻にそのものが付かないと感じないそうだしな」
「え゛っ!? ど、どういう意味ですかぴょん、お師匠様」
ミーナが慌てて両手で鼻を押さえた。
「うん? 例えば今のケースで言うとだな、この我が自信作は、目には見えないほど少量が空中に舞っているんだよ。それが鼻の、匂いを感じる箇所へ触れた時、人は初めて匂いを感じるんだ。逆に言えば、匂いを感じるってことは、少ないとはいえ、匂いの元の物質が空中に舞っているって証拠だな」
「えー、それって、その良く分からない物体が、ミーナちゃんの鼻にくっ付いてるってことぴょんかー、聞きたくなかったぴょんよー」
「うん、私も説明していて、気になってしかたがなくなってきた。この話はやめようか」
魔女は手の平の上のものを小袋に戻しながら、そう言った。
「それにしても、なんか今日、解説しまくるぴょんねー、お師匠様。なんか、こんなお師匠様は初めて見たかもしれないぴょん」
「そうかな……別にいいだろ? 私だって、たまには人と話したくなる時があるんだよ。ここを知る者は少ないからな」
アークスはその時、魔女の表情が柔らかく、目は輝いている様子に気付いた。心底嬉しそうだ。
「この仕掛けは試行錯誤を重ねに重ねて出来たんだ。こいつの配合一つにだって拘ってる。我ながら名作だぞ。そんじょそこらの城門や門番よりも人を寄せ付けない自信があるぜ」
魔女が自慢そうに胸を張っている。
「しかしなんだな、自分でも少し喋り過ぎたと思ってるよ。私にここまで心を開かせるとは、実に興味深いなぁ……そうだ、ミーナ!」
「は、はい! なんですかお師匠様ぴょん」
いきなり勢いよく名指しされたミーナが慌てて返事をした。
「今、いいことを思いついた。こいつは中々面白そうだぞ! ミーナ、お前はアークスに付いてけ」
「……ぴょん?」
「アークスは騎士だからな。そのアークスと居れば、魔法の使いどころには困らないだろ。騎士は色々な依頼を引き受けているし、環境も傭兵よりいい。これも何かの縁だし、ひとつ面倒見てもらえよ。なにごとも実践が一番だからな」
「むー……騎士の仕事ぴょんか。今度はいつものお師匠様らしくいきなり言い出したぴょんね……」
ミーナが腕組みをして考え始めた。アークスはその様子を見て、魔女は騎士団への依頼だけではなく、弟子や、恐らく他の身近な人にも思い付きで色々なことをいうのだなと、少し呆れた。
「言われてみると、確かにそろそろ腕試しをしてみたいと思うぴょん。それが傭兵ギルドじゃなくて騎士の仕事だったら、確かに言うこと無いぴょんね……」
「よし! じゃあ決定だな!」
「えっ、ちょっと待ってくださいよ」
アークスが慌てて話に割って入った。
「騎士団にも、お受けできない仕事だってありますよ。騎士団外部の人を、騎士団の仕事に関わらせるとなると、依頼が受理されるかどうか……」
「ああ、そこら辺は私がなんとかするよ。なに、受理されなかったら、その時はその時さ。ダメもとで頼んでみるからアークスは何も心配しなくていい」
「ん……そうですか……」
アークスの見立てからすると、こういった依頼が受理されることは稀だ。なのに魔女は依頼が通るに決まっているとでもいうような勢いで喋っている。その事に、アークスは釈然としない気持ちを感じた。
「いや、なんにしても楽しみじゃないか。アークスとミーナ。これはなかなか面白いコンビになりそうだぞ」
「そうだろうそうだろうぴょん。ここがお師匠様の住む家の、真の姿なんだぴょん! どうだ……」
「ああ、こらこらミーナ!」
「ええ? ああー、やってしまったぴょん。申しわけないぴょんお師匠様」
「まったくもう。迂闊過ぎるんだよな、我が弟子は」
魔女が困った様子でぽりぽりと頭を掻いた。
「え……? あの……外には秘密で、こんな所に住んでたって事ですか?」
ミーナの言ったこと、そして魔女の驚きようから、なんとなく今起きていることを理解したアークスは、唖然として、目をパチクリとさせた。
「んん? んー……」
魔女が答えに窮してそわそわとしている。
「そうだ! もうここまできたら嘘をついても仕方がない!」
魔女がいきなり胸を張って言った。
「ええ!? え……どういう……あのほら穴は……?」
アークスの周りには、依然としていつもの陰鬱なほら穴の外観とは打って変わって、様々な装飾品で彩られたきらびやかな部屋が広がってる。とても同じ空間だとは思えない。
「ほら穴とは、言ってくれるな」
「えっ!? いえ、すいません、そんなつもりじゃ……」
「いいさ。わざとそう見せてるんだから」
「えっ、わざと?」
「ああ。こんなことでもしないと、他の奴らが色々とうるさいのさ。富のある所に一番に集まるのは、更なる富でも穏やかな暮らしでもなく、その富に食いついてくる輩達だからな」
魔女は、やれやれといった様子で、肩を少し上げた。
「ということで、ここは内密に頼む。ここがバレたら、また他の場所に移らないといけないんだが、ミーナが居るのでな。できることなら動きたくないんだ」
「え、ミーナちゃんが居るからぴょんか!?」
「そうだろ? 近所じゃなかったら困るだろ、色々と。まあ、ここはフレアグリットのお膝元だからな。優秀な魔法修練所は沢山あるが、元はといえば、私の気まぐれだからな。できることなら最後まで面倒は見たいんだが……」
「えええ!? 師匠! ミーナちゃんは師匠に魔法を教わるって決めたぴょんよ! ここから離れることになっても付いていくぴょん!」
「いやいや、それはさすがに面倒見きれん。それに、ミーナは私みたいに孤独で居るのには向いてないよ」
「そんなことないぴょんよ~!」
「私にそんなに食いついておいてか?」
「ええ? それはその……一人でも大丈夫になるために、お師匠様に色々教えてもらっているわけで……」
「だから、それがもう向いてないって言ってるんだがなぁ。まあいい。というわけでアークス。出来れば内緒にしといてくれ。お前一人の時には、ここに入れてやるから」
魔女が口に人差し指を当てて、ウインクをした。
「ええ、別に、構わないですけど……」
アークスが魔女の全身を見る。ズボラな感じの衣装の方は、前とそれほど変わっていないようだ。よれよれでくたびれたバトルドレスをそのまま着ている。部屋が綺麗になっただけで、性格はそれほど変わっていないとみえる。
「ん……? 構わないですけど何だ? ……どうした、そんなにまじまじ見て。私に気があるのならやめておいた方がいいぞ。ミーナを弟子にしたのだって、私としては珍しい方なんだからな」
「ええ!? そ、そんなんじゃないですよ! ここの事も、誰にも言わないって、約束します!」
「ん……そうか。そんなにきっぱりと否定されると、ちょっと傷付くがなあ……それはそうとアークス、ここの外も薄気味悪く感じただろう?」
「え、いや、そんなことは……」
「ふむふむ……顔に出てるということは、いつも『気味悪いなー』って思っているな? それが普通なんだよ。思ってもらわなくちゃ、こっちが困る」
「……え? 困る?」
「そうだぞ。それはたまたま雰囲気がおどろおどろしいというわけではなくてな……」
魔女はフフンと自慢げに笑みを浮かべると、身を翻して後ろの方へと歩いていった。その先には、これまた豪華な装飾が施された、仕上がりも見事な棚があり、そこの二番目の引き出しから、なにやら小袋を取り出した。
「じゃじゃーん!」
「じゃじゃーんって……」
「お師匠様、ちょっと壊れてるぴょん?」
「いや、私は正気だぞ。実はこの小袋の中にはな……」
魔女が小袋を開けながら、アークスに近寄って屈んだ。
「え? なんです……っ!」
アークスの方も起き上がって袋の中を覗き込もうとしたが、脇腹に痛みが走った。
「おお……無理するなよ。そのまま横になってていいぞ。いくら私の魔法とはいえ、まだ暫く安静にしてないと完治はしないからな。傷が開きでもしたら二度手間になってしまう」
「ん……すみません……」
魔女に背を支えられながら、アークスは再び、ゆっくりとベッドに仰向けになった。
魔女は袋から手の平の上に何やら振り出すと、アークスの顔に近づけて見せた。
「ほら、これだよ」
「なんだろ……色々混じってますね」
薬草だろうか。……いや、人避けに使うものだから、薬草ではないかもしれない。
「あんまりいい匂いはしないですね……いや……香りのいいのも混じってるのか……」
先入観も手伝ってか、最初はあまりいい香りは感じなかったが、後から甘い香りや柑橘系の爽やかな香りも匂ってきた。
「ああ、ハチミツや柚子が入ってるから、それなりにいい香りもするだろうな。あと、シナモンも入ってるしな。あー……ただ、蛇の抜け殻だとか、カラスの肝だとか、水牛の糞だとかも入っているが……これは話さない方がよかったな」
「……そうですね」
様々な香りが混じった複雑さが珍しいのでクンクンと匂いを嗅いでいたアークスだったが、それを聞いた途端、なんだか気分が悪くなってきた気がした。思わず息を止めて、顔を背ける。
とはいえ、怖いもの見たさもある。アークスは顔を背けたまま、魔女の手の上に乗っている、小袋の中身へと視線だけを戻した。
「これ自体にはまだ魔力を込めていないから、まだ作用してはいないが、そも、匂いというのは鼻にそのものが付かないと感じないそうだしな」
「え゛っ!? ど、どういう意味ですかぴょん、お師匠様」
ミーナが慌てて両手で鼻を押さえた。
「うん? 例えば今のケースで言うとだな、この我が自信作は、目には見えないほど少量が空中に舞っているんだよ。それが鼻の、匂いを感じる箇所へ触れた時、人は初めて匂いを感じるんだ。逆に言えば、匂いを感じるってことは、少ないとはいえ、匂いの元の物質が空中に舞っているって証拠だな」
「えー、それって、その良く分からない物体が、ミーナちゃんの鼻にくっ付いてるってことぴょんかー、聞きたくなかったぴょんよー」
「うん、私も説明していて、気になってしかたがなくなってきた。この話はやめようか」
魔女は手の平の上のものを小袋に戻しながら、そう言った。
「それにしても、なんか今日、解説しまくるぴょんねー、お師匠様。なんか、こんなお師匠様は初めて見たかもしれないぴょん」
「そうかな……別にいいだろ? 私だって、たまには人と話したくなる時があるんだよ。ここを知る者は少ないからな」
アークスはその時、魔女の表情が柔らかく、目は輝いている様子に気付いた。心底嬉しそうだ。
「この仕掛けは試行錯誤を重ねに重ねて出来たんだ。こいつの配合一つにだって拘ってる。我ながら名作だぞ。そんじょそこらの城門や門番よりも人を寄せ付けない自信があるぜ」
魔女が自慢そうに胸を張っている。
「しかしなんだな、自分でも少し喋り過ぎたと思ってるよ。私にここまで心を開かせるとは、実に興味深いなぁ……そうだ、ミーナ!」
「は、はい! なんですかお師匠様ぴょん」
いきなり勢いよく名指しされたミーナが慌てて返事をした。
「今、いいことを思いついた。こいつは中々面白そうだぞ! ミーナ、お前はアークスに付いてけ」
「……ぴょん?」
「アークスは騎士だからな。そのアークスと居れば、魔法の使いどころには困らないだろ。騎士は色々な依頼を引き受けているし、環境も傭兵よりいい。これも何かの縁だし、ひとつ面倒見てもらえよ。なにごとも実践が一番だからな」
「むー……騎士の仕事ぴょんか。今度はいつものお師匠様らしくいきなり言い出したぴょんね……」
ミーナが腕組みをして考え始めた。アークスはその様子を見て、魔女は騎士団への依頼だけではなく、弟子や、恐らく他の身近な人にも思い付きで色々なことをいうのだなと、少し呆れた。
「言われてみると、確かにそろそろ腕試しをしてみたいと思うぴょん。それが傭兵ギルドじゃなくて騎士の仕事だったら、確かに言うこと無いぴょんね……」
「よし! じゃあ決定だな!」
「えっ、ちょっと待ってくださいよ」
アークスが慌てて話に割って入った。
「騎士団にも、お受けできない仕事だってありますよ。騎士団外部の人を、騎士団の仕事に関わらせるとなると、依頼が受理されるかどうか……」
「ああ、そこら辺は私がなんとかするよ。なに、受理されなかったら、その時はその時さ。ダメもとで頼んでみるからアークスは何も心配しなくていい」
「ん……そうですか……」
アークスの見立てからすると、こういった依頼が受理されることは稀だ。なのに魔女は依頼が通るに決まっているとでもいうような勢いで喋っている。その事に、アークスは釈然としない気持ちを感じた。
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