上 下
73 / 84
5章 美少女な式神

4話 可愛い式神と恋する式神

しおりを挟む
コックピット内に設置してあるモニターが着き、
管制官らしい少女が映った。
地上の感覚で言うと中学生ぐらいだろう。

「姫さまの防衛線が突破されて、敵が侵入したときは、
お願いします。」

「えっ!」

つい声が出てしまった。
そんな心の準備など出来ていなかった。

もう一つのモニターには、
結界の外の様子が映し出されていた。

小さな妖精の工兵隊の少年たちが、
陣地を急いで構築していた。

直接戦闘する事は無いにせよ、
生身の身体を最前線で晒している姿は、
かなり心許なかった。

「あっでも・・・まず姫様の防衛線が、
突破されることはないので、ご安心下さい」

管制官の少女は言った。

でも・・敵は、この地下世界に侵入する前に、
地上の街に侵入するはずだ。

「私の街に・・・。」

ニッキ―は、コックピット内で姫様の健闘を祈った。

だって、私はまだ歩くことすらままならないのだ。


式神・貴人型の甲冑の装着が完了した。

ただ着ているだけではなく、ボトルで止められてるせいで、
束縛感は、半端ない。

しかし、甲冑を付けた時の安心感は、これも半端ない!
通常兵器では破壊できない装甲だけの事はある。
実質、最強の装甲と言っていい!


「かっか~、あちらの武器庫まで歩けます?」

戦闘準備中にも関わらず、
緩やかな口調のはなもりの声が響いた。
逆に冷静さを取り戻させてくれる、ちょうど良い口調だ。

ニッキ―は、色々な雑念を取り除いて、
「武器庫に行く」と念じ、操縦桿を握った。

意思を通じ合わせる事のない自転車なら、
もっと簡単に行けるのだが・・・

なんなのかも解らない式神と、意思を通じ合わせるのは、
かなりややこしい・・・

「式神と意思が通じる」

呟いてみた。

自分の意思と式神・貴人型の意思が、
繋がる感触が、したようなしていないような・・・でも、

「動かない・・・」

まだスプーン曲げの方が、
上手く行くんじゃないかと思うほど動かない。

「本当に動くの?」


格納庫の奥のドアが開き、翡翠の仮面を付けた鬼・・・、
たぶん式神が、こちらの様子を伺っていた。

「碧依(あおい)さま?現在戦闘配備中ですが?」

鬼・・・多分式神は、はなもりを一瞥すると

「俺・・今、体を休める事が仕事の非番中だぜ」

「ですが・・・。」

「ここに可愛い式神がいると、聞いたのだが・・・。」

翡翠の仮面を付けた鬼は、
ニッキ―の乗る式神・貴人型を凝視した。

完全に恋する少年の目だ。(。→∀←。)キャハ♡

気の性かも知れないが、
ニッキ―の乗る式神が動揺していた。


つづく



いつも読んで頂き、ありがとうございまする\(^▽^)/
更新は、月曜日の予定ですが・・・

ストックが、もうないので、
更新出来ないこともあります。m(_ _"m)ペコリ

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...