上 下
167 / 185
18 楽しい思い出の章

専任仙人の少女とバッファローの群れ

しおりを挟む
少女には三分以内にやらなければならないことがあった。


なぜなら彼女は、専任の仙人だからだ!

この世界には、専任の仙人がたった千人しかいないので、やることがたくさんあるのだ。


遙彼方に、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが見えた。

鋼鉄の装甲で覆われたバッファローは、現代文明が持つあらゆる兵器を跳ねのけた。


専任の仙人の少女の飛翔時間は、たったの三分。

その間に勝負を決めなくてはならない。


このまま地上に立ち尽くしていては、専任の仙人と言えども危険だ。


バッファローの顔が見える距離に迫った時、少女は飛翔した。

直ぐ足元にバッファローの息吹を感じる高さだ。

すぐ足元では、何者も蹴散らすバッファローが、疾走していた。


少女は最大戦速で飛翔した。

「もつかな?」

バッファローの群れがどれだけの規模なのかも予想は着かない。

もしかすると力尽きて、バッファローの群れに蹴散らされてしまうかも知れない。


飛翔して一分が経過した。

まだ群れの最後尾は見えない。

「やばいな」

最後尾などないのかも知れないと、思ってしまう程のバッファローの群れだ。


飛翔して二分が経過し、最後尾が見えた。

「助かったかも知れない」


最後尾のバッファローが、少女を見上げたが、構わず群れと伴に走り続ける事を選んだらしい。


ギリギリのところで、瓦礫と化した廃墟の街に舞い降りることが出来た。

少女は、誰もいなくなった街で調査を始めた。


街の外れにあった牧草地で、バッファーローの群れが、穏やかに草を食べていた。

危険はない様だ。


『何があった?』


少女は、バッファロー語で話しかけた。

バッファロー語にバッファロー達は驚いたようだったが、より賢そうなバッファローが少女に近づいて来た。


『わたしたちは止めたんだよ、でもね狂気に走った奴を止める事なんて出来やしなかった。そう言うものだろ?狂気ってのは?』


『狂気って、そう言うものだね』

少女は、そう言うと地面に座り込んだ。



おしまい


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おしっこ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショートの詰め合わせ♡

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜下着編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショートつめ合わせ♡

処理中です...