RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十六篇第五章 天下分け目の大戦・肆

爆ぜる大地の進撃者

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ウォッカはモーニングスターを頭上で力強く
振り回すと迫るルミナの攻撃を避ける様にし
軽く空中へと跳び上がると鉄球を先程迄居た
自身の足場に向けて思い切り叩き付けた。

すると、其の叩き付けられた位置を起点にし
大地に大爆発が巻き起こるのだった。

直撃では無いが其の爆風に当てられてルミナ
は腕で視界を防ぎながら背後に向かい大きく
吹き飛ばされて行く。



「俺っちによォ……嬢ちゃんを倒して未来に向かおうって意志は無ェ…んなモン…ロックじゃねェからな…だけどよ、軍は今、新たな未来に向かってロックに駆け出してる…だから……許せ。少しオネンネして貰うだけよ」



ウォッカの視線がキッと強くなり、其の瞳の
強さがサングラスの下から伺える。

爆風から跳び出たルミナは何か不服そうな顔
をしてウォッカに向かって跳び掛かる。



「はぁ!?そんな簡単にウマく行くワケないしッ!!てかさせないしッ!!うち今…激おこプンプン丸だって言ったっしょ!!」



ルミナは空中で身体を逆上がりの様に何度も
大回転させると勢いを付けてウォッカに向け
踵落としを繰り出して行く。

頭上を見上げたウォッカはモーニングスター
を振り上げてルミナに向けて放つ。

しかし、其の攻撃はルミナの直前の所で鎖を
引き戻した事に依り、動きを止めた。



「娘っ子ォ……俺っちもそんな簡単に越えられる壁だと思うなよォ……?」


「んなッ!?ちょ、ちょっとタンマ……」



またしても鉄球が大爆発を起こすとルミナは
踵落としの動きを止めて防御に入る。

そして、爆風に依り今度は地上へと勢い良く
吹き飛ばされて行く。

此処でウォッカは波動を練り上げる。

背中の炎が勢い良く濃い桑実色に燃え盛ると
モーニングスターの鉄球側を肩へと乗せた。

そして、鎖をルミナに向けて投げ付ける事で
相手の左足を縛り付けて見せる。

肩に乗せた鉄球、そして額と肩の角を前面に
押し出すと地を勢い良く駆け突進を仕掛ける
ウォッカは足場を何度も爆ぜさせ速度を段々
と加速させて行くのだった。



「絶技…“ 業火滅却・犀応角ごうかめっきゃく・さいおうかく”ッッ!!!!」



加速し切ったウォッカは角で勢い良く鉄球を
前に押し込みながらルミナ目掛けて圧倒的な
勢いで突進して行く。

しかし、直前でほんの少し速度を加減し足元
に敢えて絶技を直撃させた。

大爆発を起こす地上。

其の爆風でルミナは勢い良く飛ばされる。

そして、足を止めたウォッカは荒れた息すら
其のままに鉄球を手元に戻し吹き飛んで行く
ルミナの方向に視線を向けて口を開く。



「直撃は命に関わる……此れで勘弁してくれや。オネンネ…してくれるだけで…ホントに良いからよ…ッ」



敢えて攻撃は外した。

しかし爆風に依りルミナを吹き飛ばした其の
一撃は確かにダメージは与えている。

ウォッカは戦いの終焉を心から願った。

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