RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十六篇第三章 天下分け目の大戦・弐

麗游リズvs蝶艶ライア

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帝国軍本部、右翼の戦い。

既に帝国軍本部周囲は大勢の人間達の血にて
由緒正しき正義の城は紅く染まっていた。

左翼、右翼共に苛烈に加速する戦争。

其の中で舞台を洗い流すかの様に青い髪色の
女性が麗しく游ぐ様に戦っていた。



「流水覚醒…… 流麗人魚ストリームマーメイドッッ!!」



煌びやかな青い鱗と尾ビレを持った姿。

そして、胸元に青い貝がらのビキニ。

更には腰元な綺麗なパレオが巻かれた人魚の
姿へと変化したのは同盟軍リズ。



「ほう、もったいないでありんすな。せめても妾ぐらいに胸があれば……さぞ美しい姿だったのじゃが」



そう言って笑ったのは政府軍ライア。

所属は政府直下裏帝軍ライア・ガガルディン
という幹部の着物姿の女性だった。



「ぇと……だからそっちは胸元パックリあけてるんだっ?それがさぞ“美しい姿”なんだねぇ。なんかズレてる~」


「やかましいでありんすッ!!小娘」



裏帝軍幹部ライアがチカラを解放する。

梅重色のオーラを身に纏ったライアの背中に
艶やかな蝶の翅がヒラリと開かれて行く。



「疾風覚醒……“ 舞踊艶蝶ダンシングバタフライ”ッッ!!」



赤と桃色の蝶の翅に、頭にも其れと似通った
翅が開くと髪のアクセサリーの様に変化。

更には着物の裾が伸び模様がヒラヒラと舞う
蝶の柄に変貌し、額からは触覚が伸びた。



「妾の此のチカラで其の減らず口…おしゃかにしてやるでありんすよ……ッ」



怒りに満ちた声を発したライア。

しかし、優雅に空中を游ぐ様に尾ビレを振り
身体をくるりと回転させたリズは既に違った
事で頭の中が一杯だった。



「ちょうちょ……花魁…芸者?アダルト……んー……困っちゃったな」


「………?何でありんす?」


「肩出し…谷間丸出し……露出狂?ダメだ…リズとした事が……いいのが思い付かない…」



頭を悩ませながら思案を巡らすリズの姿から
ライアは足を止めてしまっていた。



「………まあいいかっ。貴女の名前はスケベっち!!いろいろまとめた結果だからもう変更はしないからっ!!もうリズの頭疲れちゃったっ!!」



何故かプンスカ苛立ちを見せ始めたリズへと
ライアは遣る瀬無いイライラを見せ始めた。



「何で小娘がイライラしてるでありんすっ!!というかスケベっちって何でありんすかッ!?普通に変更希望じゃけども!?」


「あー…もう。変更しないって言ってるじゃん。スケベっちはスケベっちなのっ」


「全然話が通じぬでありんすなッ!!此の小娘はッ!!もう何でもいい……刈り切ってやるんでありんすッ!!」



ライアは痺れを切らして鉄扇を振るう。

梅重色の突風程の威力を持つ鎌鼬の嵐の牙が
リズに向かって飛んで行く。

其れに対しリズは小太刀を抜刀し紺青色の渦
を纏うと濃縮された其のチカラを放つ。

両者のチカラが衝突し大爆発を起こす。
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