RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十四篇第三章 最悪の顛末

大驚失色の想い

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政府から政府所属の戦力達へと招集が掛かり
政府軍内の面々は其の総てを知った。

そして、戦力調整と合流目処、更には情報の
規制、続き其の後の動き等を踏まえて政府が
通達した情報は世間へも順次、公開される。

其の情報の内容とはーーー


『国王ストラーダを十日後に処刑』


というモノであった。



各地で動き始めた政府の戦力達は其の日付に
巻き起こる事に対し、其々の想いを各々の胸
に抱えて王都リオプレジアを目指す。

こうして、驚天動地の進展はプレジア国家を
越えて隣国バルモア、更には大陸に聳え立つ
他の強国の中にも広まって行った。

だからこそ、彼等の耳に入るのも何一つ、変
な状況で無い事は明らかだった。



「ロード…様っ………」



祈りの街メイデンセイスに在る鳳凰殿の内部
で立ち尽くしたまま、新聞の文字に心を吸い
込まれたかの様に黙り込み固まったロードに
背後から心配そうにシェリーが声を掛ける。

だが、ロードからの返答は無い。

そして、段々と新聞を持つロードの両手の力
が強くなって行き、圧迫された新聞の紙面が
波を打ちクシャクシャに変貌して行く。



「………父さんが…捕まった……それに…母さんまで政府に………ちょっと待てよ…二人は殺されちまうのか…?ダメだろ、そんなのよ」



唇を震わせ眉間に皺を寄せながらロードは
新聞から得た情報に脳内を混乱させる。



「落ち着け、ロード……」


「コレが落ち着いてなんかいられっか……俺は…俺はよ……まだ…まだ何にも二人と話せてねーんだぞッ!!ずっと…ずっと探してたんだ…なのに…何だよコレッ………もう何にも聞けず終いだってのか………?」



目に涙を溜めながらロードはシャーレの襟を
掴んで心のままに叫び散らかす。

其の言葉に心を痛めたシャーレは返す言葉を
持たず目を背けてしまった。



「………ロード…辛いだろうけどっ……シャーレに当たってもしょうがないでしょ…?」


「……あッ……」



間に入ったポアラからの言葉でほんの少しの
正気を取り戻したロードがシャーレの襟から
慌てて手を離すとバツが悪そうに俯く。



「……悪ィ……シャーレ…お前は何にも悪くねーのによ…」


「いや、いいんだ。ロード……家族の事で冷静さを失う気持ちは…解っているつもりだ」



シャーレにも其の時があった。

ロード、シャーレ、ポアラ、三人が俯き次の
言葉を失っている中でシェリーの背後に立つ
シグマが頭をガシガシと掻き始める。



「(なんや…なんやコレッ……なんて声掛けんのが正解なんや…ライバルやッ!なんて強気にでたんはええが…アイツの背負ってるモンの重さは異常やで…ホンマ……)」



誰もが言葉を失っていた。

そんな時だった。

突然に部屋の扉が音を立てて開くと外側から
レザノフを連れ立ってランスがロードの面前
に現れたのだった。


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