RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十三篇第四章 暁光の聖天使

灼熱の蒼炎

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「ハッ……迫るモン全部よォ……焼き尽くしてやるよォォ!!」



まるで、真似事の仕返しかの様にグレイの手
で振り払われた薙刀の先端から紺碧の烈火の
斬撃が放たれ、ロードの斬撃と中央で激しく
ぶつかり合うと大爆発を起こした。

其の勢いから熱風を防ぐ様にシャーレ達は皆
腕を顔の前にして其の激しさを物語る。

そして、蒼と紅の爆炎が振り払われた中心で
佇むロードとグレイは一つとして表情を変化
させずに互いを睨み合う。

しかし、其の表情には歴とした差が出る。

不敵な笑みを浮かべたままのグレイと。

厳しい表情を崩さないロード。

其の視線を混じり合わせながらグレイは突如
として高笑いを浮かべて叫ぶ。



「ハーハッハッハ……良いじゃねェか。テメェ…ホントによォ……なあ?ロード。前に言ったコト…覚えてっか?」


「前に言ったコト……?」


「あァ……どっちの覚醒が強ェか……試してやりてェって言ったろ?」


「………ああ」


「やっと…やっとだ。疼いてたんだぜェ!?俺の身体が…俺の骨髄が…俺の…魂がよォォォォ!!!!」



グレイの身体から異様な程の熱量のオーラが
解き放たれると全身を巻き込む様に紺碧の焔
が男の身体を包み込んで行く。



「……最高だ。此の高揚感……やっぱり戦いってのはァ……こうでなくちゃよォォ!!」



グレイの身体を包んだ紺碧の焔が段々と其の
形状を変えて姿を変貌させて行く。

燃え盛る紺碧の焔がグレイの身体に纏われて
蒼き焔の防具へと変化、肩当ては天を衝くか
と言わんばかりに尖り上がって行く。

更に、揺らめく様に腰から背中へと纏われた
蒼き焔の羽衣と、日輪を模した羅針盤の様な
形状のモノが二つ、宙へと浮遊する。

そして、蒼き烈火の狛犬の如く、全身を獣化
させたグレイは薙刀を旋回させた後に、地面
に向けて振り下ろし構えを取った。



「業火覚醒……“ 天現灼尽インペリアルラヴァ”………ッ!!」



紺碧の火柱を地面から複数本、立ち昇らせた
グレイは笑みを浮かべてロードを睨む。



「……なんつう殺気だよ……ニャロウが…!」


「オイオイ、ビビってんじゃねーよ?笑うトコだぜ……テメェのチカラはプレジアの守護神だっつう鳳凰……俺のはよォ……狛犬だ…傑作だろうがァ!?なあ……結局弱者ってのは……政府強ェモンに尻尾振るしか能がねェって言われてるみてェだろッ!?」



とんでもない皮肉な自虐を口にしたグレイの
言葉に対して、笑える筈も無いロードは其の
狂気じみた殺気と威圧感に唇を噛む。



「そんだけのチカラがあって……テメェはなにを諦めてやがんだッ!!変えて見せろよッ!!テメェの運命ぐらいよッ!!」


「ハーハッハッハ……寝言は寝て言えよ…夢想家のバカ野郎がァ!!」



ロードの決死の言葉すら高笑いで躱し切った
グレイにロードは舌打ちを飛ばした。
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