RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
596 / 729
第十三篇第四章 暁光の聖天使

鳳凰ロードvs天照グレイ

しおりを挟む






遂に、因縁の戦いが幕を開ける。

シェリー覚醒を機に裏帝軍幹部達を撃破した
ロード側からすれば此の危機を脱却するには
眼前のグレイ打倒が求められる。

其の中で、一対一での決闘を買ったロードと
迎え撃つグレイが同時に大地を蹴り上げる。

すると、ロードの刀には真紅の炎が。

グレイの薙刀には紺碧の焔が纏われる。

紅と蒼、対を成す業火のギフトが両者の武器
が交わると同時に熱量を上げて膨れ上がる。



「ハッ……ちょっと見ねェ間に……腕上げやがったかッ!?テメェ…!!」


「まだまだ成長期なんでね…ッ!!」



鍔迫り合いの状態でニヤリと笑みを浮かべた
グレイの表情とは対照的に鬼気迫る様な表情
を浮かべたロードが刀を振り切る。

刀が振り切られるとグレイの薙刀をロードの
爆炎纏う刀が押し切り、グレイを武器もろ共
背後へと吹き飛ばした。

だが、グレイは後方宙返りの要領で空中にて
態勢を建て直すと、片手を伸ばしてギフトの
チカラを練り上げて放つ。

すると、ロードの足元から紺碧の火柱が熱を
持って天を目指して巻き上がる。



「……あっぶねッ……!」



ロードは真横に身体を敢えて転がして受け身
を取りつつ回避するが、其処にグレイの追撃
が待ち構えていた。



「ハッ……しっかり此れも躱せよッ!?」



薙刀を振り下ろしたグレイの攻撃をロードは
膝を着いた状態で身を捻って避ける。

だが、ロードは其れだけでは終わらない。

此の体勢からカウンターを仕掛けようと直ぐ
様に刀の鋒をグレイに向け膝を伸ばす。

其の動作と同時に刀の鋒がグレイの顔面付近
に向けて一気に突き付けられた。



「もらったァァ!!」



ロードは確信を持って攻めたがギリギリの所
でグレイは首を動かして避ける。

だが、避けきれずに頬を掠めた刀の鋒の影響
でポタポタと鮮血が滴り落ちた。

一瞬、静寂に包まれる両者間の空気。

其処で傷を自覚したグレイが頬から滴り流れ
首元から地面に落ちゆく血を舌を伸ばし舐め
取って見せるとニヤリと笑みを浮かべる。

其の狂気じみた表情にロードは一握の恐怖を
垣間見た様に背後に慌てて跳んでグレイとの
距離を取った。



「ハッ……ハハハ……あん時は取るに足んねェ…雑魚だと思った……だが、やっぱりな…鳳凰のチカラを目覚めさせたのは…伊達じゃねぇなッ……!」


「ニャロウ……頭イカれてんのかよッ…軽くでも斬られて…そんな笑いやがって……」


「生言ってんじゃねェよ……此の愉悦を差し置いて……生を実感出来るモンが他にあんのかァァ!?」


「…………マジでどんな生き方してたらそうなんだよッ……戦い以外に…生を実感するモノ?………数え切れねぇほど、あるに決まってんだろうがァ!!!?」



ロードは唇を噛み締めながら刀にまた真紅の
炎を纏い其の炎が唸りを上げる勢いで大地を
蹴り上げグレイに向かって行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

夫から国外追放を言い渡されました

杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。 どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。 抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。 そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……

【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜

よどら文鳥
恋愛
 フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。  フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。  だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。  侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。  金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。  父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。  だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。  いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。  さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。  お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...