RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十三篇第一章 創痕癒す光の泉

癒しの水と光の薬草

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ロード達は地図を受け取ると其の地図を頼り
に光の泉へ向かって東部を目指す。

辺りは既に月光に照らされた闇世の中。



「つーかさ……光ってる薬草なんかホントにあんのか?」


「はいっ、なんだかおとぎ話の中みたいなお話ですよねっ」



ロードとシェリーが話していると道中を先導
するシャーレが地図を眺めながら話す。



「リアさんが言うにはだが其の光の薬草とやらは月下の夜にしか拝めないらしい」


「へぇ……なんで夜だけっ?」



興味を示したポアラの言葉を聞いた後で緩り
とシャーレは聞いた話を続けて行く。



「どうやら其の薬草と泉は特殊な成分を持っているらしい。月の光を受けると輝いて見える其の泉と…其の泉の成分から栄養を摂る事でしか成長をしないそうだ、其の薬草は。だから月の下でしか輝かないのだろうな」


「……………なに言ってんだ?シャーレ、お前」


「ロード、君に理解してもらおうとは思っていないよ」



呆れた様に声を漏らしたシャーレの反応に
ロードはちんぷんかんぷんという様にハテナ
を頭上に幾つも浮かべて首を傾げる。



「まるでファンタジーの世界ですね。世の中には不思議な物が溢れかえっている」


「なんだ、不思議か。わかんなくて当然だな」



何故か胸を張って堂々とし始めたロードの顔
を見てシグマがシャーレに小さな声で耳打ち
をし始めた。



「……あんのアホ相手やったら…そない言葉えらばんでも“フシギな草”やでぇとか“フシギな水”なんやでぇって…言っといたらあんさんの疲れも軽減出来そうやぞ……」


「次からそうさせてもらうよ……」



肩を落としたシャーレに対して慰めるかの様
にシグマが「どうどう」と肩を摩った。



「ねぇねえっ……シェリーちゃんっ…!」


「なんですかっ?ポアラ様っ」


「もしかしてだけど……キラキラしてる泉の周りってさあ……めっちゃくちゃロマンチックなんじゃないっ??」



目をキラキラさせ話すポアラの女の子らしさ
爆発の表情を見てシェリーもぱあっと表情に
キラキラした笑顔が映し込まれる。



「ぜっっったいにステキな気がしますっ!」



表情をお互いに赤らめさせて鼻息を荒くした
女性陣を見ながらニコニコと笑顔を浮かべる
レザノフの表情からは余りにも平和な情景が
映し出されていた。

心を躍らせながら向かう事、小一時間。

一行は遂に光の泉へと辿り着いた。

そしてーー。



「わぁぁぁぁっ…めっっっちゃくちゃ綺麗なんだけどっ、ココっ!!」


「キラキラとピカピカがとどまる事を知りませんっ!!」



祈りの街メイデンセイスの東部、光の泉。

キラキラと月光に輝きながらたゆたう水面の
美しさと生い茂った草木の数々。

そして、泉付近に目を向けると想像していた
よりも数倍の輝く薬草で其の景色は圧倒的に
埋め尽くされていたのだった。



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