RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十二篇第三章 激震の大監獄

地獄への進撃

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護国師団反乱軍参謀アドリー・エイテッドの
救出を目指した反乱軍とロード達。

其の一次侵攻の口火を切ったロードを始めと
したバルモアのシェリーとレザノフの活躍に
因り一時的に大監獄の守備へと駆り出された
帝国軍中将バレットと少将アレスは大監獄の
入り口である外庭エリアに敗れ去った。

此処でロード達がアドリー救出後の退路の道
を作り上げる事に成功したのだ。

外庭エリア制圧の要因はロード達の奮闘と別
にもう一つの理由があった。

其れは、内部へと進撃を始め地下一階エリア
となる1stフェーズの看守達を薙ぎ払い地下
三階、3rdフェーズを目指す黒衣の軍団。

内部の戦力は此の救出作戦の一番の肝となる
陽動と退路の確保をやってのけたロード達へ
戦力を割く事を断念。

今や其の矛先は内部を駆ける反乱軍の方向へ
向いていたのだった。

そして、反乱軍は地下一階1stフェーズ中央
で東西に存在する地下二階2ndフェーズへの
階段を目指して二手に別れる。

反乱軍総長エルヴィスは幹部リズと共に西の
階段へと向かい、幹部ギルドは同じく幹部の
ヒューズと共に東の階段を目指す。

少数精鋭の戦力を二手に分けた事には理由が
存在するのだが其れは大監獄プリズングァザ
内の戦力への混乱を招く為である。

反乱軍が縦横無尽に目的の地である大監獄の
最深部、3rdフェーズを目指す程に相手方は
カバーしなければならない場所が増える。

更には、敵戦力を最低限減らしながら先へと
進む事もアドリー救出後に待つ撤退の刻には
ジワジワと効いて来る筈なのだ。

身を隠す事が不可能な突破作戦だからこその
せめてもの勝率アップに賭ける作戦。

答えが出た時に其れが笑って話せる物語と
なる様に反乱軍は信じ先へとひた走る。

しかし、政府の戦力達にとっては此の進撃は
非常に受けて立ちやすい事もまた事実。

何故なら追う側ではなく座して待つ側。

戦闘経験の高い者達は特に何の焦りも見せず
反乱軍が通らなければならない道を炙り出し
其処にて手ぐすねを引いている。

実際に二手に別れた反乱軍の戦力達は地下の
二階、2ndフェーズの入り口を前にして一度
其の足を止めざるを得なくなる。

何故なら其処には大監獄プリズングァザに
於いての防衛戦力である人間達が待ち受けて
いたからに他ならない。



「チョリーッスっ!めちゃ待ってたしっ…バイブス上げてこっ?」



エルヴィス達の前に立ち塞がったのは黒い兎
の耳をピクピクと動かしながら笑顔で逆手の
ピースを決めた大監獄の看守長のルミナ。



「ちょ、ちょり…?オイ、リズ…あの女何て言ったんだ…?」


「さあ?わっかんない。地球生まれじゃないんじゃないかなあ?」


「そ、そうか……」



ルミナの言葉に恐らく必要の無い動揺を見せ
引いた表情をエルヴィスが見せる。

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