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第十一篇第二章 標的包囲戦
四方への離散
しおりを挟む「誰とやるか等興味が湧かんな。眼前の敵を素早く仕留めるのみ」
ポアラとエルムが散開した山中で次に動いた
のは少将ノエル・スティングだった。
ノエルは前方のシグマに向けて一気に地面を
蹴り上げると鉤爪を構えて襲い掛かる。
「ノエル少将の仰る通りだ…拙者も行かせて頂こう…!」
其れに合わせて動いた少将ドーマンは長刀を
構えて同じく眼前のシャーレに攻め入る。
真っ直ぐに突っ込んで来たノエルとドーマン
の一撃に押されてシグマとシャーレは後方へ
勢い良く吹き飛ばされて行く。
そして、山中の中で綺麗に円形に刈られた草
の上に残ったのは少将オーズとレザノフ。
少将オーズはニヤリと笑みを浮かべると手に
握っていた瓢箪にガブ付く様に口を付け酒を
一気に飲み干して行くと勢い余って酒の液体
が喉仏付近を滴る。
腕で口元を拭ったオーズは瓢箪を真横に投げ
捨てると背に掛けていた棘付きメイスに手を
伸ばしレザノフを見遣る。
「ヒック…ああ…もう良い加減に此の国から出てったらどうだい?英雄レザノフさんよ…うぃ~…!」
「私の事をご存知で…光栄ですよ」
「ヒック…随分と余裕かましてるねぇ。そいつァ…歴戦の猛者たる威厳かい?それとも得た戴冠への驕りかい?…うぃ~…」
「何方でもありませんよ。私は新たな時代に賭けたのです…其の為に前時代の人間として道を平す工程に着手して来ただけなのだから…!」
「バルモア王女シェリー・ノスタルジア。そして…渦中の被疑者…ロード・ヘヴンリー…此の二人を中心としてかい?英雄レザノフ…ヒック…うぃ~…」
「……ッ!」
オーズの言葉にレザノフが顔を引き攣らせて
表情を曇らせ多少の動揺を見せた。
「ヒック…噂はあくまでも噂…答えなんぞ本人に訊いてみりゃあ解るモンだしねぇ…そういう事だから退いて貰おうかいッ!?」
お喋りは此処迄、とでも言いたげにオーズは
棘付きメイスを振り上げてレザノフに向けて
地面を蹴ると勢い良く振り下ろす。
「あっしはプレジア帝国軍…アンタはバルモア護衛軍…変わらず此れからも敵同士さ…!うぃ~…!」
枯葉色の大地のギフトを発動させたオーズの
振り下ろしたメイスをレザノフは躱して背後
へと跳ぶがオーズのメイスが触れた地面辺り
を中心に強い振動が起こる。
「解っていませんね…私達の生きた時代こそ戦争は止まなかった…しかし当たり前の様に戦争の無い時代も在るのです。また手と手を取り合って進める時代を私は信じて行く!」
振動に因ってよろけた身体を抑える様に自ら
敢えて膝を付いたレザノフは言葉と共に前方
へと突き出した二丁拳銃の射出口から鈍色の
弾丸を放って見せた。
其の弾丸を一発だけだが躱し切れずに肩付近
を掠めたオーズは心の中で静かに呟いた。
「(そんな未来…あっしはもう信じられなくなったんだよォ…英雄レザノフ…)」
オーズは肩を抑えながら緩りと体制を立て
直してレザノフの方向へと一歩踏み出した。
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