RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十篇第三章 反乱と革命のストリンジェンド

戦場を駆ける影

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鋼の街レアメタリクスのレアドキルナで巻き
起こった戦いの最中、灰色の髪の青年が低い
姿勢で戦場を駆け抜ける。

ひたすら真っ直ぐに戦場を駆けていた青年は
正面から緩りと迫る一人の男性の姿を確認し
足を真横に滑らせて急停止を見せる。



「随分と急いでいる様だが、何か目当てでもあるのか?革命軍幹部シルヴァ・ホーリーセンス…」


「護国師団反乱軍副長ウィルフィン・フィンドール…」



革命軍幹部シルヴァ・ホーリーセンスの眼前
に現れたのは護国師団反乱軍副長を務め軍を
支えるウィルフィン・フィンドールだった。



「……問い掛けには答えないか。だが一つどうしても聞きたい事がある…革命軍の中には俺達にも情報を流していた人間が居るな…其の当人は情報提供者を介して居る為…其の内通者が誰なのかは俺達に、知られてはいない…」


「問い掛けの先が見えぬな…」



ウィルフィンの言葉に短く答えたシルヴァに
対してウィルフィンは沈黙の末に言葉を変え
自身の見解を言い放った。



「其の情報提供者の裏に居る人間を俺達が調べ上げて居ないとでも思ったか?貴様がそうなのだろう…?シルヴァ・ホーリーセンス」



ウィルフィンの言葉にシルヴァは腰元に真横
に差していた小刀型の業物を抜刀する。

そして、月白色の疾風のギフトのオーラを
纏うと特性“静寂”に因って足音を消し眼前の
ウィルフィンに向かって斬り掛かった。



「時に行動は言葉よりも時に雄弁に語るか…そうだ、いう返答と捉えて良さそうだ」


「我は影…無意味な問答は不要だ…」



ウィルフィンは腰元から抜刀した自身の刀で
シルヴァの一撃を受け止め鍔迫り合いの状態
に持ち込むと言葉を言い放った。

だが、シルヴァは其の事実を濁す。

そして、刀を弾きウィルフィンの肩を蹴った
勢いで宙返りを決めたシルヴァは膝を折って
着地すると忍びの印を思わせるポーズで一言
小さく声を発した。



「疾風覚醒…“ 影踏風忍シャドウバニッシュ”………」



シルヴァが覚醒を披露する。

口元から首元に掛けて長い布がマフラーの様
に風にたなびく様に伸びている。

瞳が鋭く黄金に変わりジャッカルをモチーフ
とした長い耳が頭から生えた。

更には卍型の手裏剣が左右の肩の上に緩りと
旋回しながら浮遊している。



「ジャッカル…狼と犬の狭間に居る動物か…因果とはやはり存在するのだろう…貴様は銀狼ぎんろうノアの部下か?其れとも政府に尻尾を振る犬か?」



ウィルフィンは更に覚醒したシルヴァの姿を
其の目で眺めながら内通者疑惑のシルヴァに
問い掛けを続けて行く。

反乱軍にとっても今回はシルヴァであろうと
なかろうと内通者の存在は危惧するのが普通
の感覚なのだ、何故なら此処には反乱軍から
見ても全勢力が集っている。

一つの勘違いや憶測が軍を危険に晒すという
パンドラの匣が鍵の空いた状態で置かれる様
と言っても過言では無いのだから。

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