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第十篇第三章 反乱と革命のストリンジェンド
放つ護国の投擲
しおりを挟む「ほう…其れが覚醒か…ケンタウロス…言葉とは裏腹に強者の出立ちだな…」
「ああ…本当にそうゆうのいいから…こんなチカラのせいで僕の異名…馬猟だよ?猟なんてしないって…そんなアウトドアな趣味なんかないよ…」
「そうか…だが一気に決めに来るのだろう?さあ…来い…受けて立つ流れだ…!」
「んん…熱血漢…本来なら一番苦手なタイプの筈なのに…エルヴィスのせいで…少し手慣れて来てるのがショックだよッ!!」
ヒューズは四足の馬の蹄で地面を強く抉って
踏み出すと振り被ったジャベリンをフロウに
向けて力強く投擲した。
其のジャベリンの一撃をフロウは大槌の先に
込めた紫色の大地のギフトの特性“粘土”の渦
を作り出し投擲にぶつけ勢いを減速させる。
だが、投擲された槍は柄に繋がった草木に
引っ張られてまるでブーメランの様に戻り
ヒューズの手に握られる。
更に其の攻撃に注意を持って行かれていた
フロウはヒューズの二股に別れていた蔓の様
な尾が左右に別れて襲い掛かって来ていた事
を見落としてしまっていた。
大槌を真横に振り払い、右は伸ばした掌から
粘土の土を生み出し左右から迫る尾を弾いた
事には成功するも其処から更に二股に別れて
増殖した蔓がまたしてもフロウを襲った。
肩口から鮮血を舞わせたフロウの体内に更に
猛毒が打ち込まれより一層の眩暈が革命軍の
参謀フロウへと注がれてしまう。
足元がおぼつく中でヒューズは正に苛烈な
追い込みを掛けるかの様に握ったジャベリン
を再度フロウ目掛けて投擲する。
「僕は…早くこんな戦い終わりにして…薄暗い部屋でみんなの為に開発に勤しみたいんだよ!!倒れて…お願いだからッ!」
「そうか…だが俺は…ノアの背中を押してやらねばならん…悪いが其の期待には応えてはやれん流れだ…!」
フロウは体内から多量の紫色の波動のオーラ
を噴出させ一時的にヒューズが体内に潜り
込ませていた猛毒を封じ込める。
そして、一気に足を踏み出すと眼前から迫る
ジャベリンを大槌で弾き飛ばし其の勢いの儘
にヒューズの頭上へ片腕で大槌を振り上げる
と鬼気迫る表情で振り下ろす。
ヒューズは慌てて引き戻したジャベリンを横
に倒して大槌を防いだ様に見えたが其の勢い
に押されたのか地面に伏してしまう。
そして、覚醒が緩りと解けて行った。
「……?倒れ込む程の直撃だったか?」
フロウは大槌を肩に乗せて首を傾げヒューズ
へと問い掛けるが返答は返って来ない。
「……まあ、いい。戦意が無いのなら俺は先へと進む流れという事だろう」
フロウは倒れ込むヒューズを一瞥すると何か
を察しながらも其の場を後にする。
「(ムリムリ…このまま戦ってたらインドア派の僕はボッコボコだよ…ちょっと死んだ振り…って何で僕が…こんな目に…トホホ…)」
革命軍参謀フロウvs反乱軍幹部ヒューズ。
革命軍参謀フロウの勝利。
反乱軍幹部ヒューズ、戦闘不能?
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