RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第十篇第二章 反乱と革命のグラツィオーソ

猛牛アドラスvs犀角ウォッカ

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「グハハハ…愉しくなって来やがったぞ…三下との戦いじゃ此の高揚感だけは得られねぇよなァ!!」


「わははは…そいつァ違ェねぇ…!なら俺っちから全力見せ付けてやるよォ!」



斧を鎖で受け止めていたウォッカは片足を
不意に振り上げると其の爪先を起点に再度
業火のギフトの特性“爆破”が起こりアドラス
を背後へと吹き飛ばす。



「業火覚醒…“ 犀劫爆進リノエクスプロード”ォォ!!」



先に仕掛けたのは革命軍幹部ウォッカ。

額から犀の角が生え上がり、輪郭から顎に
掛けて鋼鉄の防具を身に付ける。

更に両肩にも犀の角の様な装飾が現れ背中に
桑実色の炎が絶えず燃え盛っている。



「良いじゃねぇかァ…滾ってくるぜェ…なあ!?オイ…ウォッカァ!!」


「久し振りに俺っちにもオメェの覚醒…見せてみろよォ!アドラスッ!!」


「言われんでも其のつもりだ…行くぜ!?」



ウォッカの声に応えアドラスも覚醒を解放し
其の姿を雄々しく変貌させて行く。



「大地覚醒…“ 獰猛牛鬼フィアースバイソン”ッッ!!」



アドラスの頭部に黒く雄々しい角が顕現。

更には身体が牛の衣を纏い獣化して行くと足
は牛の様に強く強靭化した姿に変わる。

携えていた斧が二本へと増加し其れを更に
隆盛した腕で構えウォッカを見据えた。



「テメェをぶっ倒すのに…やはりアレ無しじゃァ…締まらんだろうなァ!!」


「おうおう、何処迄も気が合うじゃねぇのよ…タイマン、カチコミに関してはよォ!」



互いの叫びと共に崩れぬ笑みは此の両者が心
の底から此の戦いの愉悦を感じているからに
他ならずアドラスはウォッカを、ウォッカは
アドラスを認め合っている事を感じ取れる。

反乱軍、革命軍と敵対する更に以前から此の
プレジアの裏社会の二代巨頭として張り合い
そして、高め合い鎬を削って来た両者。



「「絶技ィ!!」」



互いに譲れぬ奥義の激突が始まる。



 猛牛靱義・牛衝車もうぎゅうじんぎ・ぎゅうしょうしゃァァァァ!!!!」


 業火滅却・犀応角ごうかめっきゃく・さいおうかくッッッッ!!!!」



アドラスは巨体で宙に飛び出すと身体と斧を
まるで車輪の様に回転させながらウォッカに
特性“重力”を掛けて突っ込む。

ウォッカは背中の炎がまたしても一気に火力
を上げ燃え盛ると鎖鉄球ごと飛ばしアドラス
に鎖を巻き付けると突進を始める。

アドラスの掛けた重力はウォッカが加熱させ
燃え盛らせた炎の突進力が凌駕する。

しかし、ウォッカが縛り上げた鎖をアドラス
は関係無しとばかりに其のまま、回転速度を
上げて行った。

手元へと戻って来た鉄球をウォッカの頭と肩
の角が捉え其れを起点に押し込んで行く。

車輪の様に回転したアドラスの身体が前方へ
一気に加速して行くとウォッカに狙いを定め
斧と角の先端が迫り来る。

そして、互いの絶技がぶつかり合い、其の場
一体に強烈な轟音と大爆発が巻き起こった。
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