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第十篇第二章 反乱と革命のグラツィオーソ
凛雨アドリーvs月華ルナ
しおりを挟む一つの戦いが終わり次の戦いが描かれる。
止まらぬ戦いの連鎖、此れが覚悟の前面戦争
を物語る流れなのだろう。
エゼルと代わり、革命軍幹部ルナの前に立つ
反乱軍参謀アドリーは緩やかに美しく氷雪の
ギフトの特性“造形”に因り空色に輝く馴染み
の弓を造り上げルナに目線を向ける。
「貴女と戦うのは初めてだけど…はぁ…やはり思い出してしまうわね…貴女の兄を…」
アドリーの言葉にルナの眉がピクリと動くと
一層、表情に厳しさが溢れて行った。
「反乱軍参謀アドリー…同様の活動期間を持ち、初期を知る貴女は…兄を知っている。何もおかしな話では無いな…」
「はぁ…そうね。貴女の兄…ソーマ・オウスムーン…間違いなく革命軍発足の立役者の一人よ…」
ルナの脳裏に兄ソーマの顔が浮かぶ。
彼女が口にした“兄の本懐を遂げる”という
言葉から彼女が革命軍に在籍し何を思い描く
かの答えが其処にあるのだろう。
非情にも前面戦争を迎えたがルナは此の窮地
を乗り切り更に前へと進む覚悟を見せる。
「氷雪覚醒…“零月撃華”…!」
ルナの姿が覚醒に因り変貌を遂げる。
ダイビングスーツの様なピタったとした衣服
を全身に纏い、臀部からイルカの尾鰭が尾の
様に伸びて行き腕にも背鰭モチーフのフィン
が生み出された。
肩や膝、腰回りには美しい紫苑色の氷の防具
を身に纏うと彼女のウェスタンハットも氷の
華が取り付けられライフルを構える。
『時代の流れは止まらない…だったら此の時代を変えようとしてる俺達は止まれないんだ…其の先頭に居なけりゃいけねぇのはお前だろ?ノア…!』
ふとルナの脳裏に過ぎった兄ソーマの言葉。
此の言葉がルナには忘れられない。
唇を噛み言い表せない悔恨の想いを胸に彼女
はライフルの照準をアドリーに合わせ戦いの
始まりを自身の一撃でスタートさせる。
撃ち放たれた弾丸は優雅に泳ぐイルカの様な
姿へと変わりアドリーに向け変幻自在な動き
を見せて迫って行った。
アドリーは其れを跳躍し一度躱すと弓を持つ
事の無い右腕で宙を撫でると其処に氷の檻を
造り上げ背中から迫るイルカの弾丸を其の檻
に閉じ込め爆散させた。
「兄妹揃って…革命軍の中心なんてね…はぁ…貴女が進んで来た道は…緩やかじゃなかったでしょうね…其の強さ…良く見えるわ…!」
「私にとって…兄とノアさんは命の恩人…其の兄が自らの命を賭してでも生かしたのがノアさん…私は其のノアさんに貢献し革命軍に未来を引き寄せる役目が在る…!」
ルナの銃撃は加速する。
紫苑色の弾丸が銃口を通って撃ち出されると
共に何匹ものイルカがアドリーに向かう。
今度のアドリーは自身のギフトで造形した
空色の矢を射り、正確にルナの弾丸を一匹
ずつ撃ち落として行くのだった。
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