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第十篇第一章 反乱と革命のリゾルート
双方に射した希望の光
しおりを挟む反乱軍リズと革命軍ルナを前にして理由は
違えど反撃のカードを持っていなかった二人
眼前で疲弊して行く革命軍ウォッカと反乱軍
エゼルに忍び寄る命のカウントダウン。
其れは回避出来ない末路である。
何故ならリズとルナ、此の二人の女性幹部が
其の気になった瞬間がリミットだからだ。
其の事をウォッカもエゼルも言葉にはしない
ものの重々と肌で感じ取っていた。
だが、生きている限りは挽回のチャンスは
訪れる、更に其れは自身以外が背負って来る
パターンだって存在するのだ。
「あらあら…ウォッカ。こんな時に家族写真を眺めて…どうしたんですか?」
「…ティア…!」
そして此方でも溜息混じりの声が聞こえる。
「はぁ…考え得る最悪のパターンを引いたのね…エゼル…」
「おおっ?アドリーちゃ~んっ!」
死を覚悟すらもしていたエゼルとウォッカの
元に反乱軍参謀であるアドリー・エイテッド
と革命軍副長のティア・ミルキートライヴが
駆け付けた事にエゼルとウォッカは天からの
恵みとばかりに感謝の表情を浮かべた。
「奥さんと娘さんとの約束を叶える為に…まだまだやるべき事があるでしょう?此処は私が変わります…どうぞ先へ!」
「助かったぜェ…ティア…悪いが娘を思い出すからあの嬢ちゃんとはやり合えねぇわ…だが、他でロックに暴れて来るぜェ!」
「戻ったら…ご家族とのお話…また聞かせて貰いますよ?ウォッカ…!」
「そんなモン、幾らでもバッチ来いだっつーの…!」
そして、視点はアドリーが参入した地点へと
再び切り替わるとアドリーはエゼルを眺めて
深い溜息を漏らしていた。
「はぁ…あのね…エゼル…。自分の命よりも大事?其の約束って…」
「当然っしょ!!」
間髪入れずに即答されたがアドリー自身も
何故改めて此の問い掛けをしたのか解らずに
いた事だろう、何故ならエゼルにとっては
当たり前中の当たり前だという事など彼女も
知っていたからに他ならない。
「そうね…でもこのままじゃ…貴方は死ぬわ…だから…今回は私が変わる…!」
「ホントに感謝の極みっしょ~!」
「それと…知ってたけど…改めて見せつけられて…見直したわ…貴方の覚悟…!」
「アドリーちゃんは総長がいるんだから僕ちんに惚れちゃうのは無しでたのんま~す」
「うるさいっ!惚れないからっ…!はぁ…まったくもうっ…」
こうして戦いのマッチアップはガラリと変化
を遂げる事となって行く。
反乱軍リズの前から後を託してウォッカは
足早に別の戦場へと駆けて行く。
そして、革命軍ティアにエゼルは大きく手を
振りながら相変わらずの笑みで其の場を離れ
何方の戦場も女性のみが残される。
反乱軍参謀アドリーvs革命軍幹部ルナ。
革命軍副長ティアvs反乱軍幹部リズ。
四人の女性陣の戦いの幕が今正に開かれ様と
しており戦場に様相の変化が訪れた。
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