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第九篇第三章 ポルナダベトルの戦い
激戦の間隙
しおりを挟む裏帝軍幹部四人を相手に底知れない其の強さ
を見せ付けたガルフの背後でロード達は自分
達が抱えていたとある予想を裏切られた。
ロードはアルマと戦っていたガルフを見て
此の男の強さは他に類を見ないと素直に感じ
シャーレやポアラを静止していた。
其のシャーレとポアラもロードの言葉から
ガルフの強さという物を感じ取り四人も居た
幹部相手を一人の人間に任せた。
だが、誰一人として此処迄の強さは想像すら
していなかったのだろう。
単純な予想を裏切られたのなら解る。
しかし、眼前で起きた事実は自分達が此れ迄
に遭遇し、其の目で見て来た経験則からでも
導き出せるモノでは無かった。
知らなかったのだ。
此れだけのチカラを発揮し得る事が出来る
人間が此の世に存在していた事を。
だからこそ、呆気に取られて固まっている。
開いた口が塞がらないとは正に、今の様な
状況の事を言うのだろうと、説いて見ようか
と考えた其の瞬間だった。
ロード達の脇を抜けて双剣小太刀型の刀を
其の両手に握り締め、まるで忍びの様な動き
で体勢を低く一人の女性が駆け抜ける。
其の女性とは死蜘蛛狂天のソフィア。
鋭い小太刀の鋒を光らせながら背中を向けた
ままのガルフの首元を狙って行った。
だが、其の攻撃はガルフには届かない。
しかも、ガルフは振り返る事すらせず本人の
前方で其々の形で横たわる裏帝軍幹部達へと
視線を向けたままであった。
ソフィアの攻撃を受け止めたのはロード。
ガルフの強さに身震いを起こしながら多少の
笑みを浮かべてソフィアの攻撃を自身の刀で
受け止め足を踏み出し留まった。
「よう…兄貴とは話せたかよ?」
「……まだだが。今は任務を遂行するのみなのでな…与太話は此れで終わりにして貰おうか」
「なら…俺等も…ガルフさんからアンタ等の事は任されてるんだ…わりぃけど邪魔させてもらうぜ…?ソフィア…!」
「……馴れ馴れしい男だ…!」
ロードの行動にシャーレとポアラも今の此の
時に於いて自分達に課せられた役目を確りと
思い出す事に成功していた。
互いに武器を構えて更に奥で立ち尽くした儘
身動きを未だに取らないリゼアを向く。
「……童共…某の前に立ち塞がろうと言うのなら…滅してやるのである…!」
「こっわっ…レザノフさん…よくあんなにこわい人に勝ったよねっ…」
「全くだ…。だがあの男は私が相手する…ポアラは…ロードの元に居るもう一人の女性幹部を頼む…!」
「……わかったっ…!」
そう言い残すとポアラは一気に踵を返して
ロードの元に居るソフィア目掛けて駆ける。
「まさか…童共ではなく…童一人とは…随分と舐めてくれるであるな…某の事を…!」
「そんなつもりは無いさ…。だが体調は久し振りに強運にも良いんだ…暫し戦いに興じさせて貰おう…!」
鉞を手に構えたリゼアの眼前でシャーレが
青龍刀を握る手に力を込めて行った。
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