RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
359 / 729
第九編第二章 真実の声

真実の扉の一歩前

しおりを挟む




火の街メルフレアのポルナダベトルという
大きな活火山の麓の里グラセ・カラステの
外れへと歩むロードとガルフ。

間も無く里の出口に到達するという所で目の
前に映し出された里の門を指差してガルフが
緩りとロードに向けて口を開いた。



「俺は席を外すが、近くに居る。あの門で待て…確り相手の話に耳を傾けろよ…」


「ん?あ、ああ…仲間って俺のだよな?アンタ…言葉がたりてねぇ気がすんぞ…」



未だに状況が掴めていないロードの肩をポン
と叩いてガルフはまたも無言で去る。

溜息を吐いたロードは門の梁に背中を預けて
其の場で待ち始める事数分を経て里の外側で
ロードを呼ぶ声が聞こえ始める。



「……ッド!!」


「ロードッ!!」



段々と鮮明に聴こえて来たのは二人組の男女
の声であり其の姿にロードは表情を緩める。



「シャーレッ!ポアラッ!」


「無事で良かった…急流に呑まれた時はどうなるかと…」


「いや、シャーレ。俺なんかより…ポアラのそのケガはなんだよッ!」


「えへへっ。ちょっと無茶しちゃったっ」


「たくっ。無理しねぇで寝てろよな?」


「いやロード。君がポアラを心配するのは今の所早いかもしれないかもね」


「んっ?なんで?」



ちんぷんかんぷんとばかりに表情を曇らせた
ロードを見てポアラが怪我だらけの身体で
ピースサインを作り笑顔を見せる。

するとシャーレが何やらロードに耳打ちを
した瞬間にロードの表情が一変する。



「なにーッ!?ポアラもか、覚醒をッ!?」


「まあねぇっ。お先にぃ」


「ニャロウ…また先越されたのかよッ」



ロードは悔しそうに肩を落としているのだが
そう言えばとばかりに顔を上げる。



「なあ、シェリーたちはどうした?」


「ああ、其れなら…」



シャーレはロードに事の顛末を説明する。

シャーレ達の元に突如として現れた森の街
フォレストールに在る孤児村ピースハウスの
代表であるザック・トニーキース。

彼がロードを助けたガルフと密に連絡を取り
合う事でロード側もシャーレ、ポアラ達側も
こうして無事に再会出来た事。

そして、とある事情からシェリー姫と護衛の
レザノフ、シグマは此処には居ない事。

全てをロードに打ち明けた。



「ふぅ…無事ならなんでもいいや。まあ、心配掛けちまったのは俺の方もなんだけど…」



ロードは肩で息をした後シャーレとポアラに
目を向けて一つの決心をした。



「なあ。シャーレ、ポアラ…裏帝軍のヤツが言ってた話…お前等には本当の事を話そうと思う…」



ロードの突然の言葉にシャーレとポアラは遂
に来たかとばかりに緊張感を漂わせる。

訊きたくないと言えば嘘になるし忘れていた
と言うのもまた違う所にあった。

だが、中々二人からは其の話は切り出すのは
難しいモノだったのだろう。

シャーレとポアラも意を決して頷いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

処理中です...