RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第八篇第一章 剣術フェスティバル

波乱の準決勝第二カード

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準決勝第一試合はロードの勝利に依って
締めくられる事になり決勝進出が決まった。

そして、ロードと対戦するのは此の第二試合
の勝者であり可能性としてはシャーレとの
決勝での対戦が現実味を帯びて来た。



「さあさあさあ盛り上がって参りました!剣術フェスティバル準決勝第二試合は此のカード!シャーレ選手vs謎の覆面男の正体とはッ!!?登録名バットマン選手ーーッ!!」



シャーレの目の前に現れたのは謎?の蝙蝠柄
の覆面で顔を覆った細身の着物の男性。

場内はまたしても大歓声に包まれては居たが
其の覆面男の姿にポアラは口を開けていた。



「ねぇねぇ…ずーーーーっとそうかなあ?って思ってたんだけどさっ…やっぱりアレってそうだよねっ…?」


「……ええ。姫様には気苦しいかもしれませんが…彼でしょうね…」


「はわわわわわっ…!あの方ってやっぱり…!」



薄々気付いて居た様な発言を繰り返している
観覧席のポアラ達ではあったが其の気付きは
コロシアムの場内に立つシャーレも感じ取る
事が出来る物であった。



「……君…私達に正体を隠す気があるのかい…?」


「……何の話をしている…さあ、始まるぞ」



呆れた様に溜息を吐いたシャーレは仕方無し
と言った様に木刀を手に構えを取った。



「いざ、尋常に始めッッ!!」



審判の開戦コールから一度場内が静まり返る
事になり全員が唖然とした表情を浮かべる。

そして、まばらにだがやっと何が起きたのか
把握し出した人間がパラパラと出始めた時に
は万雷のスタンディングオベーションが場内
を異様な程の大歓声で包む事となった。

そう、勝負は一瞬だった。

シャーレの一撃を躱した覆面男バットマンは
片足でシャーレを蹴り上げるとそのまま手に
握った木刀を一閃してシャーレを場外迄吹き
飛ばしての瞬殺を見せたのだった。



「……全く…見えなかった…此れ程とは…」


「だいぶ無理をしている様だな。此処最近で身体をかなり酷使していると見た…ゆっくり休むといい…」



そう言い残した謎の覆面男バットマンは万雷
のスタンディングオベーションに何のポーズ
を取る事も無く控え室へと戻って行った。



「はわわわわわっ…あの方やはりお強いですっ!」


「あーあ…ここまで来たのに簡単に負けちゃって…カッコ悪いんだから…あんのスケベ…!」


「まあ…相手が格上過ぎましたな…!」



シャーレの敗戦に何故かむくれているポアラ
を見てニコッと笑みを見せるレザノフの姿に
シェリーは不思議そうな表情を見せていた。

やはり、勝って欲しかったのだろう。

それと恐らく、やっとポアラは何故彼等が
必死になって此の剣術フェスティバルに参戦
したかが解った様でほんの少しだけ表情が
変わり頬が赤く染まっていた。

準決勝第二試合 シャーレvsバットマン。
勝者はバットマン、決勝進出。
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