RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第七篇第一章 雪降る氷山地帯の再会

雪降る郷での情報収集

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シェリーはほんの少し臍を曲げた事で何とか
喧嘩をしない様に気を配りながらギクシャク
したままのロードとシグマを引き連れるかの
様に雪の郷を緩りと進んで行く。

其の目的は聞き込みであるが、此の雪の郷
ウルジムスルクに住まう人々にどの様に其れ
を聞いて回るべきか思い当たらない。

何故ならガスタという男も追われてる身で
あり一般人に迄情報が入る訳も無いという
のが一つと既に帝国軍を含めたプレジア政府
が手を回しておりガスタという男に近付こう
としている怪しい者とも捉えかねられない。



「なら其の帝国軍っちゅう奴等の動きを聞いたらええんちゃうか?政府が追ってるっちゅうなら部隊の動きがあってもおかしくないやろ」


「お、それだ!オメェ中々頭が回るじゃねぇかよ」


「お前なんぞに褒められても何の足しにもならんわ…ボケがァ」


「…んだとォ?…ニャロウ…!」



シグマの減らず口を起点としてロードが同じ
様にシグマに喰ってかかろうと歩み寄るが
ふと動きを止めて恐る恐るシェリーへと目を
向けるとシェリーはニコッと微笑んだ。

其の微笑みを見て何故かシグマもロードと
共に冷や汗を流してホッと胸を撫で下ろす。

良くある笑顔の方が逆に其の時々に因っては
相手に恐怖をもたらすというアレだろう。

ロードとシグマは目を見合わせるとお互いに
頷きあって何かを確かめ合った。



「…オメェの事は気に入らねぇが…とりあえずシェリーの前での喧嘩はやめとこうぜ…」


「…気に入らねぇっちゅうトコまで激しく同意したるわ…つか…姫様って呼べっちゅうとろうが…タコ焼きのタコにしたろか?茹でたタコみたいな髪色しゃーがってからに…」


「…誰がタコ焼きのタコだ…ニャロウ…。オメェの髪色なんか全体的にお好み焼きのソースみてぇじゃねぇか…!絞りきって掛けてやろうか?あァ!?」


「おおし、ええやろ。なら掛けたるからアンタ全部食えや?男に二言なんかあるワケ無いやろな?」


「ロード様ッ!シグマッ!」


「「す、すいませんでしたぁぁぁ!!!」」



和解したつもりがお互いに一言余計な為に
またしても喧嘩の方向へ流れた二人に再び
頬を膨らましてシェリーが諌める。

するとロードとシグマは引き攣った笑顔で
またしても肩を組んで誤魔化していた。

やはり、似た者同士にも程がある。

似てるからこそ仲良くなる人間達も居れば
同族嫌悪に陥ってお互いに認め合わない事も
あるのだろうか、二人は良い例であった。

雪の郷の真ん中でそんな戯れをしていた為に
ほんの少し郷の人間達から注目を浴びる事に
なりロードとシグマは頬を赤らめる。

雪景色のせいで恥ずかしそうに赤らんだ頬は
一際目立って居たが、そんな注目を受けた事
で思わぬ再会を果たす事になる。



「あ、あれ?もしかして…其処に居るのはロード君じゃないですか?」



ハンチング帽を被った白髪の青年からの声に
ロードは笑顔を弾けさせ口を開いた。
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