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第六編第一章 一輪の花を巡って
山々を揺るがす剣劇
しおりを挟むロードの攻撃の直撃を受けたバディットだが
鉄鏡のギフトのチカラを身体に纏わせ硬化の
特性を最大限に発揮して攻撃を凌いだ。
だが、バディットには防ぎ切れない程の熱量
を持った飛ぶ斬撃が通り過ぎた瞬間にふらり
と片膝を付いて肩で息をし始める。
「どんどん熱量が上がってくな…攻撃力は圧倒的なモンがあるぜ…だが…。一度引っ掛けた勝負事を投げ出すワケにゃあな…」
緩りと立ち上がるバディットを見てロードは
心配そうな物言いで言葉を放つ。
「アンタに恨みはねぇんだ…!頼むから…花を持ち帰らせてくれッ!」
「…卑しい野郎が…。なあ、赤坊主…人のモンはとっちゃあ行けねぇと教わらなかったか?」
「アンタ等が勝手に縄張り気取ってるだけで自然に生えてるモンだろがッ…力ずくでも採って帰るッ…!」
ロードは刀の熱量を高めて行くと走りながら
柄を握る手のひらに力を込めてバディットの
頭上から刀を振り下ろす。
其の攻撃はバディットの固く硬化されている
錆び付いた刀に依って防がれるが、ロードは
刀を操り、連撃の乱舞を浴びせる。
「…やるなあ…オイ」
「…だから…今はそんな場合じゃねぇんだよッ…!!」
其の時だった。
白い雷を纏ったブーメランがロードの足元
近くを旋回して通り過ぎて行く。
「あっぶね…」
「ロード…其方は大丈夫か?」
「おう。何とかな…」
雷を纏ったブーメランを操っていた山賊団の
ベニーの狙いは合流したシャーレだったが
シャーレの回避が繰り返された事に因って
ブーメランがロードの辺りまで飛んで来た。
合流したベニーはバディットの近くで一度
足を止めたのだが、既に周りに張っていた
山賊団の他のメンバーはシャーレに依って
致命傷は避けて寝かされた後であった。
「中々強いですね…赤と青の彼等…」
「ああ。他の連中はやられちまったか…そろそろケリつけねぇとな…」
ロードとシャーレの目の前で集中を高めて
行くバディット山賊団のバディットとベニー
は其々鉄鏡のギフトと迅雷のギフトのオーラ
を纏って行くと攻勢に転じて行く。
「来るぞ。ロード…」
「おう…!」
身構えるロードとシャーレへの先制攻撃と
ばかりにブーメランに雷のチカラを纏わせる
ベニーの攻撃が襲い来る。
シャーレは其れを躱すとベニーの元へと
青龍刀を構えて走り込んで行く。
其れと時を同じくして空中へと高々と跳んだ
バディットは両手で刀を頭の上まで振り上げ
力強く最硬力を持って振り下ろす。
其の攻撃に対して斜め下から両手で構えた
刀に込めた炎と共にロードはバディットを
目掛けて勢い良く逆袈裟懸けに斬り上げた。
其の攻撃は互いにぶつかり合い、其の反動で
パンテ・コネーロ山の高台の地を揺さぶる様
に衝撃を伝播させて行った。
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