RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第三章 溢れる涙は光と成りて

角竜の異名

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「大地覚醒…“猛破壊角ラベージホーン”…!」



ロードは砂の街コルドデザートの砂漠の中枢
マムナック遺跡で見たランスとスネイクとの
常軌を逸したあの戦いを思い起こしていた。

身もよだつ程の威圧感に大地そして此の大気までもが脈を打つかの様に揺れている。

初めて其れを目にするシャーレとポアラも
息を呑んで其の光景に目を向けている。

いや、正しくは目を背けられないのだ。

身体がどうにも上手く動いてはくれない。

まるでリゼアが解き放つ覚醒の姿を其の目に
焼き付けた恐怖で身体が弛緩して行く様に。

瞬きすらも制限されたかの様に固まっている
ロード達の目の前でリゼアは異形へと変化を
遂げて行くのであった。



「此れが某の覚醒の姿…。古代に猛威を振るった角の竜のチカラである…某は“角竜かくりゅう”リゼア・ゴードトプス…。傭兵武族・死蜘蛛狂天に於いて三大幹部に位置付けられる強者也」



傭兵武族・死蜘蛛狂天の三大幹部、リゼア。

彼の覚醒の姿はまるでトリケラトプス。

両耳の少し上辺りから前方に向けて湾曲した
角が二本出現し額からも真っ直ぐな角が一本
伸びて行き、肩にはトリケラトプスの頭から
首元に付いている様なフリルと呼ばれる盾の
装甲が着くと、身体が岩肌の様に変化する。

此れがリゼアの覚醒猛破壊角ラベージホーン

レザノフを睨み付ける目が凶暴な雰囲気へと
変わりつつあるリゼアは緩り緩りと進む。

レザノフは効く筈も無いとは理解しながらも
岩の様に変化したリゼアの身体に硬化した弾
を数発、身体の至る所に撃ち込んで行く。

だが、其の弾丸をリゼアは躱す事もしない。

ただただ、其の固い身体に弾かれた弾丸は
地面に力無く勢いを失って落ちて行くと
リゼアは高笑いを浮かべて大地を揺らした
ままにレザノフに向かって足を進める。



「笑止である…貴公のチカラでは某から姫を護る事など最初から無理があるのだ…」



リゼアはレザノフの真正面に立つとニヤリと
笑みを浮かべて片方の鉞を振り上げると頭上
に向けて勢い良く振り下ろして行くが、其れ
をレザノフは背後へと跳び、躱して見せる。



「…私はバルモア王家ノスタルジアに仕える…直属護衛隊の隊長を任される身…どんな状況が私の前に立ちはだかろうとも…護る事だけが私の使命…其れ以外の結果はあってはなりません…」


「戯言である…」


「少し…若き新芽達に当てられましたかね。どうにも発言が青臭い物になってしまう…さてと…皆さん。一つ私から指南を致しましょう…良く見ておいて下さいね」



レザノフの発言と共にリゼアの時と同様に
跳ね上がって行くギフトと波動の圧力。

レザノフが身に付けた片眼鏡に映り込んだ
リゼアの表情がまた固く硬直して行く。



「鉄鏡覚醒…」



レザノフが小さく、そう宣言をした。
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