RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第五編第二章 立ち上がる若き新芽

三人掛かりの攻勢

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「いつでも良いぜ?お子ちゃま達ぃ」


「U・Jめ…。ロードだけならいざ知らず…」


「本当…ロードだけじゃなくてアタシ達まで…!」


「オイッ!何か棘があんぞッ…まあいいや、行くぜッ!!」



ロードの掛け声に合わせて三人は一気に
地面を蹴ってU・Jとの間合いを詰める。

正面から突っ込むロードの少し後ろで顔を
見合わせたシャーレとポアラはお互い頷くと
ロードの真後ろで交差し左右に別れる。

そして左右と正面から同時にオーラを纏う
武器を振るってU・Jに攻め込んだ。



「(どうせバカ正直に突っ込むだろうロード君を囮に本命はこっち…二人がロード君の個性を良く知ってるって事な…)」



心の中で呟いたU・Jは其の攻め自体は悪く
無いと考えたが穴は簡単に見つけ出す。

一歩踏み込んで正面から来るロードの刀を
弾くとそのまま真っ直ぐ跳んでシャーレと
ポアラの攻撃を寸前で躱した。



「ちょっと待って…シャーレ!」


「んー…そう簡単には止まれんな…」


「何落ち着いてんのッ!ああああッッ!!」



思い切り正面からぶつかり合ったポアラと
シャーレは目を回して倒れ込むと何故か
シャーレがポアラの上になってしまう。



「こら!スケベッ!本当にどこ触ってんのッ!!このバカッ!」


「ん…柔らかい…!」



事故なのだが上に倒れ込んだシャーレは偶然
いや、本当に偶然にとポアラの胸に手を置く
形に倒れ込んでしまった。

早く退けろとばかりに顔を真っ赤にして
シャーレの顔を往復ビンタするポアラ。



「何遊んでんだよッ!!」


「遊んで無いってのッ!!」



ロードの言葉に怒り狂うポアラはシャーレを
蹴飛ばすと顔が真っ赤なまま立ち上がる。



「おーい、シャーレ君。そういうのは後にするんだぞー?」


「後とか先とかじゃないってのッ!!」



声を遠くに飛ばす様に発したU・Jの言葉に
ポアラが恥ずかしさ満載の表情でツッコむ。



「もうっ、怒った…!」



頬を膨らませたポアラがU・Jに向かって
大地のギフトの特性“重力”を掛ける。

だが、U・Jは其れを諸共せずに此処ぞと
ばかりにクルクル回って踊り始めた。



「何踊ってんだよニャロウが…!」


「え?てか…アタシのギフト…効いて無いの…?」


「ギフトのチカラなんて極めた波動で簡単に崩せるんだよーんと…」



U・Jの突然のダンスは完璧な煽り。

重力に対して平気で動けるとアピールする
物だった事に無性に腹を立てるポアラ。

そんな折、ポアラに蹴飛ばされ伸びていた
筈のシャーレの姿が水に成り代わって行くと
U・Jの背後からシャーレが現れる。

死角から青龍刀を斜め下から薙ぎ払った。



「まあ、そう来ると思ってたら死角ってのは意味を成さないよな?」



素早い反応を見せたU・Jは其れを躱すと
十手を振り上げシャーレをロード達の元へ
吹き飛ばすとまたも退屈そうに欠伸をした。


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