RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第四編第三章 親を探す最大の手掛かり

再会する二人

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遺跡内に轟音を轟かせたランスの攻撃により
多量の砂煙が煙幕の様に変わり其の場に漂い
視界を妨げていたが、段々と其の煙が緩りと
立ち消えて行くと共に光景が映し出される。

綺麗に見えて来た其の遺跡内にはもう既に
スネイクの姿は消えておりランスは緩りと
覚醒を解くと着物を軽く直して口を開く。



「いつまでそうしてるつもりだってーの…とっとと出てきたらどうじゃ?ロード」



其の言葉にハッとしたロードは岩陰から
ひょこっと顔を出すと少し気まずそうに
探し求めていたランスの前に立つ。



「二年振りかのう…元気しとったか?」


「あ、ああ…」


「何じゃ、何か用があって来たんじゃと思っとんだがの」



ランスの言う通り、ロードには訊きたい事が
山程あったのだが再会すると共に其の話が
頭からポンと消え失せた様に口籠もる。



「まあ、そうじゃの。何から訊いていいか解らんじゃろうからの…二年も一人にして済まんかった…ロードよ…」



緩りとロードに近寄って来たランスの言葉に
ロードはほんの少し表情を曇らせて唇を噛む
と、足元を見つめて俯いてしまった。

ロードの両親を探す為の手がかりとして
探して居たランスとは二年前迄共に同じ屋根
の下で暮らしていた過去がある。

其の生活が始まったのは今から十五年前。

ロードが五歳だった頃の話だ。

ロードとランスは血の繋がりは勿論無い。

だが経緯は不明だがロードはランスと共に
十三年もの期間を共に過ごしていた。



「な、なあランス…父さんと母さんは何で俺から離れて行ったんだ…?」



口籠もって居たロードがやっとの思いで
口に出したのは自身が思う最大の謎。



「…お前の父親の正体は知っての通りじゃ。じゃがの…離れ離れになってしまったのには深い訳があるんだってーの…俺は今、其の問題の解決の為に動いとる…二年前に風向きが変わったからの…!」



ロードの父親の正体。

そう言われたロードはピクっと反応したきり
肩を震わせてまた俯いてしまう。



「まだ其の真実を話すワケには行かんの。すまんがまだ俺にはやる事があるんだってーの。それよりロード。しっかり“ヘヴンリー”の名を名乗っておるんだろうのう?」


「ああ…嘘ってワケでもねーからな…あっちの名前・・・・・・は出してねぇよ…」


「安心したわ…じゃあの…ロード…」



少し寂しそうに背を向けたランスを見て
ロードは大声で呼び止めようと腕を伸ばす。



「待てよッ!!結局…何にもわかんねぇまんまなんだ…やっとアンタを見つけたのによッ!」


「…今は話せないんだってーの…」


「ニャロウ…!」



遺跡内で会話を繰り広げるロードとランス
だったがとある足音が此方に向かっていると
気付いたランスは最後に口を開く。



「必ず…真実は打ち明ける…其れ迄辛抱しとくれのう…ロードよ…!」



そう言い残してランスは遺跡内から足速に
消えて行ってしまい、ロードは肩を落とす。
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