158 / 765
第四編第三章 親を探す最大の手掛かり
再会する二人
しおりを挟む遺跡内に轟音を轟かせたランスの攻撃により
多量の砂煙が煙幕の様に変わり其の場に漂い
視界を妨げていたが、段々と其の煙が緩りと
立ち消えて行くと共に光景が映し出される。
綺麗に見えて来た其の遺跡内にはもう既に
スネイクの姿は消えておりランスは緩りと
覚醒を解くと着物を軽く直して口を開く。
「いつまでそうしてるつもりだってーの…とっとと出てきたらどうじゃ?ロード」
其の言葉にハッとしたロードは岩陰から
ひょこっと顔を出すと少し気まずそうに
探し求めていたランスの前に立つ。
「二年振りかのう…元気しとったか?」
「あ、ああ…」
「何じゃ、何か用があって来たんじゃと思っとんだがの」
ランスの言う通り、ロードには訊きたい事が
山程あったのだが再会すると共に其の話が
頭からポンと消え失せた様に口籠もる。
「まあ、そうじゃの。何から訊いていいか解らんじゃろうからの…二年も一人にして済まんかった…ロードよ…」
緩りとロードに近寄って来たランスの言葉に
ロードはほんの少し表情を曇らせて唇を噛む
と、足元を見つめて俯いてしまった。
ロードの両親を探す為の手がかりとして
探して居たランスとは二年前迄共に同じ屋根
の下で暮らしていた過去がある。
其の生活が始まったのは今から十五年前。
ロードが五歳だった頃の話だ。
ロードとランスは血の繋がりは勿論無い。
だが経緯は不明だがロードはランスと共に
十三年もの期間を共に過ごしていた。
「な、なあランス…父さんと母さんは何で俺から離れて行ったんだ…?」
口籠もって居たロードがやっとの思いで
口に出したのは自身が思う最大の謎。
「…お前の父親の正体は知っての通りじゃ。じゃがの…離れ離れになってしまったのには深い訳があるんだってーの…俺は今、其の問題の解決の為に動いとる…二年前に風向きが変わったからの…!」
ロードの父親の正体。
そう言われたロードはピクっと反応したきり
肩を震わせてまた俯いてしまう。
「まだ其の真実を話すワケには行かんの。すまんがまだ俺にはやる事があるんだってーの。それよりロード。しっかり“ヘヴンリー”の名を名乗っておるんだろうのう?」
「ああ…嘘ってワケでもねーからな…あっちの名前は出してねぇよ…」
「安心したわ…じゃあの…ロード…」
少し寂しそうに背を向けたランスを見て
ロードは大声で呼び止めようと腕を伸ばす。
「待てよッ!!結局…何にもわかんねぇまんまなんだ…やっとアンタを見つけたのによッ!」
「…今は話せないんだってーの…」
「ニャロウ…!」
遺跡内で会話を繰り広げるロードとランス
だったがとある足音が此方に向かっていると
気付いたランスは最後に口を開く。
「必ず…真実は打ち明ける…其れ迄辛抱しとくれのう…ロードよ…!」
そう言い残してランスは遺跡内から足速に
消えて行ってしまい、ロードは肩を落とす。
60
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる