RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

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第四編第三章 親を探す最大の手掛かり

向かうはマムナック遺跡

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「はーん…このシャバ僧、俺様のマブい姿に見惚れてやがんなァ…心此処に在らずだぜ」



ガルダはまた櫛でビシッとリーゼントを整え
踵を返すと片手を高々と上げて宣言する。



「テメェ等ァ。出発だコノヤロー!!」



ガルダの宣言に反乱軍の隊士達が高らかに
鬨の声を上げて呼応するとガルダは一気に
足に力を込めて砂漠の砂を蹴り上げる。

ガルダを筆頭としたランス捜索の先遣隊が
セバラ遺跡の中枢に在るマムナック遺跡へと
全速力で走り出して行った。

だが、先頭を走るガルダに必死で着いて行く
ロードが出発から間も無く異変に気付く。

何度か後ろを見遣った後で口を開いた。



「オイィ!!アンタ、隊で動くんじゃ無かったのかよッ!」


「あァ!?そうだっつってんだろが。舐めてんのかシャバ僧がァ!!」


「…付いて来れてねぇんだよッ!!」


「あァ!?何言って…」



ガルダは一度ロードの言葉に背後を見遣る。

其処には砂漠の遠く彼方で小さくなって行く
反乱軍隊士達の姿がギリギリ見えた。

先行したガルダの異常な足の速さに出発から
一分で隊はバラバラになっていた。



「……根性無し共がァ!!帰ったら鍛え直しだコノヤロー!!」


「アンタが足速すぎんだろがッ!!」


「あァ!?そりゃあそうよ…俺が何度険しい峠を攻めて来たと思ってんだァ!!」



ガルダは高らかに叫び上げると更に足を
早めて行くが、ロードは必死に着いて行く。



「シャバ僧…テメェ、中々良いドライビングテクニック持ってんじゃねぇか。俺と競って峠を攻めようってのかァ!?舐めんじゃねぇぞォォ!!うおおおおおおッッッ!!!」


「つかよ…はぁ…はぁ……普通に足で…走って峠攻めるヤツがどこに居んだよォ!!」



ロードの言う通り。

本来は峠を攻めるというのはバイクや車を
用いて走り屋達が険しい山道でタイムを競う
物であり走って競うのは只の徒競走だ。

ガルダはハッとしたように其れに気付く。



「おお、そりゃそうだ。俺様とした事がァ少し熱くなりすぎちまったぜェ」


「おおおおおッ……わぁ…ぷっ…!!」



ロードの言葉にガルダはあの全速力の速度
から何とたった一歩でピタッと止まる。

突如として急停止したガルダに驚くロードは
そんな簡単には止まれずガルダを勢い良く
追い越して顔面から砂漠の砂にダイブした。

其れを見たガルダが口を開く。



「あァ!?何やってんだシャバ僧、カッコ悪ィヤツだな…!」


「ぐっ…アンタが急に止まるからだろーがッ!つかどうなってんだよッ…普通そんなスピードで止まれる訳がねぇだろッ!!」



身体をガバッと起こしてガルダの言い草に
全力で抗議するロードを見て、ガルダがまた
ロードの額にリーゼントを突き刺して睨む。



「あァ!?ハクくてマブい俺様に不可能なんかある訳ァ無ェだろうがッ!!」


「ああ!そうだな!何かアンタなら何しても不思議じゃねぇよ!もうそれでいいっての!」



半ば投げやりに言葉を放ったロードはガルダ
と会ってからと言うもの叫び続けており
喉を摩りながら諦めの境地に達した。
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