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第三篇第二章 一脈の幕間
強くなりたいと願う意志
しおりを挟む「それって…ティアさん…アタシ達も出来ますか?」
「ええ。本人自身が望むのならわたくし達が御助力致しますよ」
「是非。お願いします!」
驚くべきは力の差を痛感し悩んでいた
ロードよりもシャーレとポアラ、此の二人の
方がティアの提案に前のめりだった事。
二人は立ち上がりティアに深く頭を下げる。
「あらあら。やる気満々ですね、では、鍛錬スペースを解放します。此方へどうぞ」
ティアに案内されたのは何も無い鉄の壁に
覆われただけの地下スペースだった。
真横に同じ部屋が三つ並んでいるとティアは
三人に説明すると一人ずつ別々の空間に
案内した後に、其処で待機を命じると
ティアは其処から姿を消す。
すると、三人の元に其々一人ずつ、今回の
修行に当たって指導役となる人間が現れる。
「シャーレ殿の御相手は私が務めさせて頂きます…。宜しく御頼み申し上げます」
「レザノフさん…。此方こそ宜しく頼みます…。私も戦える力が欲しい」
シャーレの前に現れたレザノフは既に
手に二丁拳銃を構えて居り、普段の優しい
執事の顔は消え去って居た。
シャーレもまた青龍刀を抜いて構える。
鍛錬スペース・ルームAではレザノフと
シャーレが膝を突き合わせる。
其の真横のルームBにはハイテンションな
声と共に黄色い髪の男が入って来る。
「ハイ!ポアラ…ユーの相手はミーがやらせて貰うよ?」
「ヴィスタが…相手ね。アタシ、強くなりたいの…仲間の為にも…」
「オールライッ…。じゃあ結構タイトになるよ?アーユーレディ…?」
ヴィスタは錫杖をくるくると回した後に
身体の横の床をトンっ、と叩きポアラに
目を向ける、ポアラもナックルダスターに
手を掛けて集中を高めて構える。
最後に残されたルームCで待つロードの
前に見慣れないド派手な男が現れる。
「お前さんがロードってゆう強くなりてぇって踠いてるロックな漢の卵かい?」
「…ロック…?何が…?」
ロードの目の前に現れた男は、大きな黒の
アフロヘアーに、金のサングラス。
革命軍の団服の胸元は開けられて居り男らしいと表現するに相応しい胸毛に派手な
金と赤のシャツの襟を立てている。
更には、不揃いだが高価な指輪やピアスを
数多く付けた成金の様な筋骨隆々の姿。
「お前さんの相手をティアに頼まれた…。革命軍幹部ウォッカ・スパーナ…此の国が誇る至高のロックな漢だ…!!」
「……!お、おう!宜しく頼む!」
ロードは心の中でU・Jを思い出して
タメを張るぐらいに忘れる事が出来なそうな
目の前のアフロ男に目を向ける。
ルームAではシャーレとレザノフ。
ルームBは、ポアラとヴィスタ。
ルームCにはロードとウォッカ。
ティアの提案した修行の幕が開ける。
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