RISING 〜夜明けの唄〜

Takaya

文字の大きさ
上 下
95 / 729
第三篇第一章 革命家との邂逅

護国師団反乱軍参謀 アドリー・エイテッド

しおりを挟む


「貴方…ウィルフィンと戦った事を忘れたの…?外見的特徴も一致する。貴方がそうなんでしょ…?姫の暗殺を邪魔した侍というのは…」



ロードは眉間に皺を寄せて答える。



「だったら…?」



ロードが一度納刀した刀の柄に手を
伸ばそうとすると、其の女性が声を上げる。



「はぁ…戦う気は無いわよ…でも、掛かって来るなら話が変わる…理解した方がいいわよ…力の差を…」


「…チッ…ニャロウが…」



ロードが柄に伸ばした手を引っ込めると
其の女性も溜息を吐いて続ける。



「貴方に名乗るのもお門違いなのかもしれないけど…頭の良い小娘で片付けられてると私も気分悪いの…反乱軍参謀アドリーよ。覚えようが覚えまいがどちらでもいいわ…」



アドリーと名乗った女性はロードに向けて
何やら、下から物を優しく投げて来た。

其れを片手で受け取ったロードはハテナを
浮かべながら其の物を眺めている。



「これは…?」


「塗り薬よ。傷に良く効くわ…塗っておきなさい…」


「何で俺に…?」


「勘違いしないでね…其れはギルドが吹っ掛けた喧嘩のお詫び…」



アドリーがギルドに合図するとギルドは
渋々とアドリーの歩き出した方向へ向かう。



「もし…まだ貴方が姫を巡って私達の前に立ち塞がるなら…容赦はしない…」



ロードはとてつもない殺気に気圧される。

其れは目の前の小柄な女性が放つとは
予想すらし辛い程の重く深い物だった。



「オイ、ロード。小娘はこんな事言ってるが俺とはまた戦ろうな?もっと強くなっとけよ…」


「はぁ…友達にでもなったつもり…?」


「ん?そんな事より小娘。ヒステリックは男受け悪いぞ?」


「……うるさい…刀バカ…」



ロードの目の前から二人の姿が緩りと
消えて行く中で行き先に気付く。

向かった方角はギルドから何も無いと
聞かされていた海辺の方角。

革命軍もそうなのかもしれないがアジトは
反乱軍も隠れた場所に用意している。

此の先に其れがあったとして、アドリーの
集合場所という台詞から見ても幹部以上が
其方に向かって居るのは何故か?

ロードがシェリーと共に風の街へ来た事を
反乱軍は既に情報として得ている。

ロードは危機感を露わにして酒場町
カンピオンノールへと一気に走り出す。



「…もしかして、反乱軍の奴等…また襲って来る気なんじゃ…早く知らせねぇと…」



ロードは珍しく思考を巡らせる。

前回は副長ウィルフィン、一人の襲撃。

だが、今回は護衛に革命軍もいる。

反乱軍が戦力を整えて居るとすれば
シェリーに前回以上の危険が及ぶ。

酒場町カンピオンノールに戻ったロードは
革命軍幹部達が詰めて居る酒場の二階へと
息を切らしながら駆け上がって行く。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜

mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!? ※スカトロ表現多数あり ※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...