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第三篇第一章 革命家との邂逅
護国師団反乱軍参謀 アドリー・エイテッド
しおりを挟む「貴方…ウィルフィンと戦った事を忘れたの…?外見的特徴も一致する。貴方がそうなんでしょ…?姫の暗殺を邪魔した侍というのは…」
ロードは眉間に皺を寄せて答える。
「だったら…?」
ロードが一度納刀した刀の柄に手を
伸ばそうとすると、其の女性が声を上げる。
「はぁ…戦う気は無いわよ…でも、掛かって来るなら話が変わる…理解した方がいいわよ…力の差を…」
「…チッ…ニャロウが…」
ロードが柄に伸ばした手を引っ込めると
其の女性も溜息を吐いて続ける。
「貴方に名乗るのもお門違いなのかもしれないけど…頭の良い小娘で片付けられてると私も気分悪いの…反乱軍参謀アドリーよ。覚えようが覚えまいがどちらでもいいわ…」
アドリーと名乗った女性はロードに向けて
何やら、下から物を優しく投げて来た。
其れを片手で受け取ったロードはハテナを
浮かべながら其の物を眺めている。
「これは…?」
「塗り薬よ。傷に良く効くわ…塗っておきなさい…」
「何で俺に…?」
「勘違いしないでね…其れはギルドが吹っ掛けた喧嘩のお詫び…」
アドリーがギルドに合図するとギルドは
渋々とアドリーの歩き出した方向へ向かう。
「もし…まだ貴方が姫を巡って私達の前に立ち塞がるなら…容赦はしない…」
ロードはとてつもない殺気に気圧される。
其れは目の前の小柄な女性が放つとは
予想すらし辛い程の重く深い物だった。
「オイ、ロード。小娘はこんな事言ってるが俺とはまた戦ろうな?もっと強くなっとけよ…」
「はぁ…友達にでもなったつもり…?」
「ん?そんな事より小娘。ヒステリックは男受け悪いぞ?」
「……うるさい…刀バカ…」
ロードの目の前から二人の姿が緩りと
消えて行く中で行き先に気付く。
向かった方角はギルドから何も無いと
聞かされていた海辺の方角。
革命軍もそうなのかもしれないがアジトは
反乱軍も隠れた場所に用意している。
此の先に其れがあったとして、アドリーの
集合場所という台詞から見ても幹部以上が
其方に向かって居るのは何故か?
ロードがシェリーと共に風の街へ来た事を
反乱軍は既に情報として得ている。
ロードは危機感を露わにして酒場町
カンピオンノールへと一気に走り出す。
「…もしかして、反乱軍の奴等…また襲って来る気なんじゃ…早く知らせねぇと…」
ロードは珍しく思考を巡らせる。
前回は副長ウィルフィン、一人の襲撃。
だが、今回は護衛に革命軍もいる。
反乱軍が戦力を整えて居るとすれば
シェリーに前回以上の危険が及ぶ。
酒場町カンピオンノールに戻ったロードは
革命軍幹部達が詰めて居る酒場の二階へと
息を切らしながら駆け上がって行く。
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