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第三篇第一章 革命家との邂逅
護国師団反乱軍幹部 ギルド・ラーケイド
しおりを挟むロードは何度も地面を蹴ってはギルドに
向けて其の刀を振るっては飛ばされる。
一度もギルドにはロードの刀は届かない。
だが、ギルドはロードの刀に纏われる
真紅の炎の火力が上昇している事に気付く。
「…強くなってんな…テメェ、さっきからよォ…」
「そいつァどうも…褒めてもこの刀はやれねぇけどな…!」
ニッと、笑みを浮かべて言葉を放つ
ロードの表情を見てギルドも笑う。
「…チッ…そいつァ諦めるしか無ェか」
「…は?随分あっさり諦めてくれんだな」
「そらそうよ。其の刀は良い持ち主に選ばれた…活き活きしてやがる」
「はっ…刀を生き物みてぇに言うんだな、アンタは…!」
ロードの言葉にギルドは少し沈黙を
挟んだ後でまた、緩りと口を開く。
「俺ァ、今は反乱軍に属してるが…昔はただの刀鍛冶だったんだよ。毎日毎日バカみてぇに刀を鍛えてはああでも無い、こうでも無いってな…」
「刀マニアは本当だったんだな」
「ああ。だがそんな中で気付いた事がある。名刀ってのは良い持ち主に巡り逢えてこそ名刀たり得る…其の刀も前の所有者の威光もあって最上大業物の位を手にした…」
ロードは手に握った刀に目を向ける。
そして刀に意志が宿る、生きている、そう
言われると無いとは言い切れない。
そんな風に感じていた。
「じゃあ何でアンタは今、反乱軍に?」
「俺は此の国の文化が他国を受け入れた事で薄れて行くんじゃねーかと考えた…いつかは、此の国の伝統が消え、銃の発展の様に…武器すら近未来化して行く。刀なんて時代遅れ…そんな時代が来るのかもしれない…」
「確かに、色んな武器はあるな…特に海外製は鍛錬が少なくて済む物も多い…」
「だから俺ァ、護りてぇんだ。此の刀って文化を…只の戦争の道具としてでは無くな…」
ロードは反乱軍の掲げる護国の意志を
其の言葉から理解をする。
ギルドにとっては何代も何代をも超えて
培い、磨いてきた其の伝統、文化こそ
反乱軍の掲げる護国の意志だと。
「アンタ、さっき刀は生きてる風に話したよな…?」
「ああ。刀も良い侍の手に掛かれば其の力を最大限に発揮する、生きてるんだよ。刀と侍は深く繋がってなァ…」
「刀は侍の魂に呼応する。ならアンタみてぇな侍が居る限り、刀は変化の波になんざ負けねェだろ!?」
ギルドはロードの言葉に、はっとする。
「刀の文化が仮に終わる時があったらよ…其れは他国の文化を受け入れた時じゃねぇ。侍の魂がこの国から消えた時だッ!!!」
「……ッ!良く言ったァ。若き侍よォ!!」
ロードが一歩踏み出し今出来る最大火力で
ギフトへと斬り掛かり、其れをギルドも
全力で応戦し、鍔迫り合いが起こる。
其の両者のぶつかり合いで其の場の
空気、大地が激しく揺れた。
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